二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

TPP って何?! 2

2011年11月08日 | 社会
TPPって、ちょっと分からなかったので調べてみました。その続きです

米韓FTAには、いくつかの恐ろしい仕掛けが組み込まれています。

①「ラチェット規定」…パート1に書いてあります。

②ISD条項(国家と投資家の間の紛争解決手続き)を飲まされている。

ISDとは、「ある国家が自国の公共の利益のために規定した政策によって、海外の投資家が不利益を被った場合、世界銀行傘下の ”国際投資紛争解決センター” という第三者機関へ訴えることができる制度。

ええ~どういうことって思いますが、問題点も指摘されていて、

この条項に基づいて投資家が政府を訴えた場合、数名の仲裁人がこれを審査します。
しか~し、審理の関心はあくまでも「政府の政策が投資家にどれくらいの被害を与えたのか」という点だけに向けられ、「その政策が公共の利益のために必要なものかどうか」は考慮されないそうです。
さらに、この真理は非公開で行われるため不透明で、判例の拘束を受けないので結果が予測不可能である。ということです。

やりたい放題できるということでもありますね。

さらに、さらに…

この審査が不服であっても上訴できない。仮に審査結果に法解釈の誤りがあったとしても、国の司法機関は、これを是正することができない。…のです。

世界銀行傘下というところで胡散臭いニオイがしますが、相当な良識と、高い公平性がなければ、何でも好き勝手できるし、力の強い大企業の思うがままということではないでしょうか

このISD条項は、アメリカとカナダ、メキシコの自由貿易協定であるNAFTA(北米自由貿易協定)において導入されました。

その結果、国家主権が犯される事態となった例をみると…

カナダでは、ある神経性物質の燃料への使用を禁止していました。同様の規定はヨーロッパやアメリカのほとんどの州にあります。ところが、アメリカのある燃料企業が、この規制で不利益を被ったとして、ISD条項に基づいてカナダ政府を訴えました。審査の結果、カナダ政府は敗訴し、巨額の賠償金を払った上、この規制を撤廃せざるを得なくなりました。

おかしくないですか これが協定がある場合の世界の常識なんです。いや、こんな企業の在り方でいいと思いますか

あるアメリカの廃棄物処理業者が、カナダで処理をした廃棄物(PCB)をアメリカ国内に輸送してリサイクルする計画を立てていたところ、カナダ政府は環境上の理由から米国への廃棄物輸出を一定期間禁止しました。これに対し、アメリカの廃棄物処理業者はISD条項に従ってカナダ政府を提訴し、カナダ政府は823万ドルの賠償金を支払わなければならなくなりました。

おかしくないですかそりゃ~企業ですから従業員を養っていかなければいけませんが、一企業のために国民の安全を守ることができないんですよ

メキシコでは、地方自治体が、ある米国企業による有害物質の埋め立て計画の危険性を考慮して、その許可を取り消しました。すると、このアメリカ企業はメキシコ政府を訴え、1670万ドルの賠償金を獲得することに成功しました。

ISD条項とは、各国が自国民の安全、健康、福祉、環境を、自分たちの国の基準で決められなくする「治外法権」規定なのです。韓国はこの条項を受け入れさせられました。

多くの世界の識者が、この条項はグローバル企業が各国の主権、民主主義を侵害することを認めるものだと問題視しています。

アメリカの狙いは、このISD条項をTPP交渉にねじ込み、自国企業がその投資と訴訟のテクニックを駆使して儲けることのようです。日本はISD条項に関して断固として拒否しなければたいへんなことになるのではないかと思います。

しかし…日本政府は…
「我が国が確保したい主なルール」の中に、このISD条項を入れています(民主党経済連携プロジェクトチームの資料)。

その理由は、日本企業がTPP参加国に進出した場合、その進出先の国の政策によって不利益を被った際、問題解決として使えるからだということです。一グローバル企業が他国の主権を踏みにじってまで利益を追求していいと思うのでしょうか

また陽があれば陰もあります。その逆もまたしかり。日本政府の方がグローバル企業、特にアメリカ企業に訴えられて、国民主権を侵害されるリスクの方が大きく、そのことを政府やTPP推進者は軽視しています。交渉の場に着いて本当に話を有利に進めることができるでしょうか日本が参加して得られるものは、ほんの少しですが、守らなければならないことは、た~くさんあります。

それどころか、政府は、日本の国益を著しく損なうISD条項の導入をむしろ望んでいるのです。政府は誰のことを思って、TPPに参加するのでしょうか。そして、報道で推進派や反対派が出ていますが、推進派は何が日本の国益になり、何がリスクになるのか、10日、APECに首相が発つ「今」になっても明確に国民に話していません。

米韓FTAについてオバマ大統領は一般教書演説で「アメリカの雇用は7万人増える」と話しました。今までの話の流れから行くと、裏を返せば、韓国の雇用を7万人奪ったということです。

それに対し、前韓国大統領政策企画秘書のチョン・テイン氏は、「主要な争点において、我々が得たものは何もない。アメリカが要求することは、ほとんど一つ残らずすべて譲歩してやった」と嘆いています。この無残な結果に終わった米韓FTAのことは韓国国民には、殆ど情報が知らされていなかったようです。今の私たち日本と同じようです。

その代わりに、オバマ大統領は、李明博韓国大統領を国賓として招き、盛大に歓迎してみせました。そりゃ~そうでしょう、自国の利益を差し出して、瀕死状態の米国の経済を助けているのですからね。そうして真実の部分はホワイトハウス劇場という演劇でかき消されてしまいます。

さて、米韓FTA、その協定にほとんど同じ内容のTPPへの参加。そんなところに日本が参加する必要があるでしょうか真実を報道しないまい大手マスメディアは誰のために、何をやっているのでしょうか政府、官僚をはじめ、多くのメディアも、すでに1年前よりTPP交渉参加という結論ありきで進んでいるようです。最近の報道や政府要人の発言がそれを物語っています。国民に説明し、議論することさえせず、水面下で決定してしまう。これが民主主義でしょうか一部の大企業の利益のためなのでしょうか

交渉に参加してしまえば、国民は、これから起こりうるあらゆる理不尽な外国企業(アメリカ企業)の行いを覚悟しなくてはいけなくなるかもしれません。日本のあらゆる分野の仕事が、利益が蹂躙されていきます。アメリカが戦後、日本人を洗脳してきたようにジワジワっと気付かぬうちにということではなく、もっとアグレッシブに様々なことが起きて来るかもしれません。不況といえども日本は経済大国であり、多くの資産を持っているのですから。

そしてアメリカは、それほど経済、金融において切羽詰まっているのです。こんな理不尽なことがいつまでも続くと思ったら大間違いです。必ず報いを受ける時が来るでしょう。その時、日本は自立していないと、必ずどこかの国が崩れると時を同じくして崩れていくのではないでしょうか衰退していくのではないでしょうか 

本当に国民には、知らされてないことが多い…。
というか、国民が、社会や経済で起こる事柄に対して、常に何でと考える必要性があるのだと思います。

少しTPPについて、私は理解したつもりです。

※「TPPって何?」「TPPって何? 2」ともに、中野剛志 京都大学大学院工学研究科准教授の『米国丸儲けの米韓FTAから日本はなぜ学ばないのか』の記事から、ほとんど抜粋させて頂き、私の意見も少し入れてみました。

この11月・12月はいろんな意味で重要な月になるのではないかと、私は思っています。


二葉鍼灸療院 田中良和

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« TPP って何?! | トップ | 平成23年度 東海北陸保険会... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほどです (すず)
2011-11-09 15:07:14
そういったことってさすがにメディアに詳しくでてこないですよね

返信する
そーいうことです (二葉院長)
2011-11-09 17:19:53
すずさん

コメントありがとうございます。

さっそく覗いて頂きどうもです。そーいうことです。知識として知っておくことは大事だと思います。
返信する
現代の日米通商修交条約そのもの (たもっち)
2011-11-09 23:25:31
正直、アメリカのやり方は上辺だけでは「経済や雇用の自由化と国際化を推進する」と表現しているのだが、私には嘘でしか見えません。
下手をすれば、日本の産業はズタズタになるし、不平等条約にされかねないと思います。
返信する
TPPは踏み絵? (amema)
2011-11-09 23:50:49
さすが、よく調べられていますね~^^
僕もTPPについてブログに書こうと思っていたんですが、こんなにまとまった記事で先を越されたらもう書けません~^^;
聞くところによると、TPPの本質には安全保障の側面があり、○○を仮想敵国としての囲い込みの思惑があるとかないとか・・・
ある元外交官によると、TPPの構図は太平洋戦争前の世界情勢にとても似ているとか。
安保の踏み絵なのかも?
○○の属国か○○○○の植民地か?
日本が独立を保てるよう祈るばかりです。
返信する
その通りだと思います (二葉院長)
2011-11-10 09:15:40
たもっちさん

コメントありがとうございます。

日米修好通商条約そのものですね。上辺も下辺もアメリカは日本のことなど考えていません。国益を思うと当然のことと言えば当然のことかもしれません。アメリカは地政学上の覇権をアジアに誇示しておきたいのでしょう。中国とのこともありますし。だから、ASEANやASEAN+3としてアジアだけで連携して欲しくないんですね。あの国に実権を握られないために。
TPPを考える場合は、裏から表から、斜めから?!いろんな方向から見ておかないと、たいへんなことになりますよね。日本が参加するのであれば、本当に腹をくくって失敗したら死んでお詫びをするくらいの日本国民を思う気持ちで交渉して欲しいです。

これまでの外交を見ているとどうも期待は…。田中角栄のような、あの国と連携して、かの国の言うことを聞かない本当の指導者、政治家という人が現れると、なにか大事件が起きてしまいますしね。

もしかしたら、陸奥宗光さんや小村寿太郎さんが必要になるかもしれませんね。
返信する
大国の駆け引き (二葉院長)
2011-11-10 09:38:30
amemaさん

コメントありがとうございます。

TPPに関する記事、どんどん書いてください!いろんな見方があっていいと思いますよ。私もブログの神様が降りてきてパーっと書いただけですから。
日本人は日本を中心に考えたいのですが、現在の、かの国の仮想敵国は、あの国です。日本は技術力や経済力などは素晴らしいものを持っているのですが、いかんせん政治力、外交力というのは現在の世界での扱いを見ていたら分かると思います。これまでの大国は、お隣の、あの国と、女神がいるあの国、いくつかの国が集まっている連合の三大勢力でした。この構図は今も変化がないようです。日本は出先基地として、玉手箱として、どうしても手中に置いときたいというのが本音でしょう。
太平洋戦争の時と同じような状況ですが、違うのは経済規模と官も民もグローバル化しているということです。しかし、歴史は繰り返されている側面もあるでしょうね。
日米安全保障条約ってのは、日本国民の安全なんて守るなんてさらさら思っていないでしょう。実際、日本の国民を守るなんてことは条約には書いてありませんしね。安保は「米国が日本から、たやすくお金を保証してもらう条約」ですから。「基地を新しく作ってよ~日本のお金で」「沖縄の海兵隊を少しグアムに移すから、その費用を少し負担してね」「基地の中で働く人の給料と、米軍関係者の生活費もよろしくね」などの、思いやり予算や交渉の駆け引きでお金を引き出す玉手箱を手放すはずがありませんしね。
日本の独立か~、まあ、国民だけでも独立の気概を忘れないでいたいですね。
返信する

コメントを投稿

社会」カテゴリの最新記事