二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

第16回 加賀・三策塾(学術研修会) 参加

2008年12月12日 | 鍼灸
12月7日(日)、午前10時から12時に行われた、加賀・三策塾に参加してきました。前日には天気が急変、冬型になり雪が降りうっすらと積もりました。天気のせいもあり、また、様々な行事も重なり、若干参加者は少なめでしたが、今年最後の学術研修会は、勉強になり貴重な時間でした。

◎内 容
 症例報告:緊張型頭痛の一例 
              鍼灸なかだ治療院 中田和宏 先生

 地域健康つくり指導者講習会:地域支援事業について
               新保鍼灸治療室 新保 均 先生 

 鍼灸・医療最新ニュース:書籍紹介など




本日、いつも座長を行っている中田先生が症例報告ということで、及ばずながら私が座長をやらせて頂きました。

36歳、女性、主訴は持続する重だるい痛みが頭全体にある。他の症状は目の奥の痛み、首肩のこり感、頭頂部の円形脱毛。整形外科では緊張型頭痛と診断された症例でした。

仕事内容(電話オペレーター)や家庭の状況から、肉体的、精神的に強い緊張が強いられていたことと、VDT症候群(画像表示端末症候群)が発症要因であると考え、筋緊張緩和と鎮痛を目的に、圧痛など反応点を中心に軽い刺激で鍼灸治療を行いました。

初回で著効、頭痛消失。その後仕事などで軽度な頭痛は発症するが、初診のような強い頭痛はない。現在は、週1・2回の治療を行い、円形脱毛の治療も合わせて行っており治療継続中。

頭痛は鍼灸院に来院する場合、ほとんどが緊張型頭痛か片頭痛です。ときにピリピリ、チクチクなど刺すような痛みを伴う後頭神経痛や、さらに圧痛検出時に眼痛や三叉神経領域への放散痛が伴う大後頭神経三叉神経症候群(GOTS)などがみられる。治療をする際は、病態をしっかり把握し、鍼灸の適否を見極め、なるべく浅刺で、ポイントをしぼって治療することが大切だということでした。

痛みは慢性に移行すると、情動など中枢が関わったり、末梢の交感神経も関与してくるので痛みの記憶として残らないように、早期に除痛することが大切だと思います。しかし、痛みは体からのサインです。もっと大切なのは”なぜ頭痛になるか”です。そこのところの生活環境あるいは精神状態を改善しなければ、同じような環境になった場合、また頭痛が再発することも考えられます。

鍼灸治療で体の調整をしながら、そこの部分の改善を患者さんとともに考えていくことも大切なのでしょう。



新保先生からは、金沢市が取り組む地域支援事業について、①地域支援事業の種類と内容 ②参入方法 ③報酬額 ④今後の予定(平成21年度)などの話がありました。

高齢化していく社会において、地域、行政とともに協力して県民の健康を支えていくことは、私たち鍼灸マッサージ師の職域拡大にもつながり、認知度も上がるものになるでしょう。不況の今こそチャンスなのかもしれません。

書籍紹介では下記の書籍の紹介がありました
 ○『ツボに訊け』 ちくま新書
 ○『ガンは治る ガンは治せる』 花伝社
 ○『血圧は薬で下げるな!』 角川書店
 ○『奇跡のリンゴ』 幻冬社 

※『奇跡のリンゴ』は私が紹介させて頂きました。鍼灸の本ではありませんが、人生の生き方、東洋の哲学に通じるものがありました。感動しましたので、皆さまにお裾分けさせて頂きました(NHKの「プロフェッショナル~仕事の流儀~」で紹介された青森のリンゴ園木村さんの話です)。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
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