最近セブンイレブンに仕事の途中トイレを借りに行く時、ちょっと本棚にある一冊の本が気になっていた。
一度その本を手に取り、パラパラとめくったことがあったが購入までには今一つ決断の意が決まらなかった。
その本はサッカー日本代表の長友選手の「体幹トレーニング20」と言うものである。
私は今まで一度もこうしたトレーニングや身体を鍛えるための本など買いたいとも思っていなかったが、ただ何気なしにこの本だけは気になってしょうがなかった。
それは私が長友選手のファンでもあるかもしれないし、またいつからファンになったと言えば、ワールドカップ後の長友選手のインタビューで彼がそれまでの有り余る思いに言葉に詰まらせ、涙を流した時に、私もそれに思いっきり感情移入し、もらい泣きをした時からであろう。
昨日とうとうこの本を手に入れることを決心してセブンイレブンに行った。
するとレジには若い女の子がいて「あっ、、」と躊躇した。
と言うのも、オジさんが何かを勘違いして身体を鍛えよう、それによって長友選手のようにカッコ良くなろうなどと意気込んでいるのではないかなど思われたら恥ずかしいと思ったのである。
もちろん、それはただの思い込みであり、また他人からどう思われようと気にしたってしょうがないし、レジの子とは生涯それ以上会うこともないかも知れないし、そんな一冊を買った人のことなど覚えているはずもなく、そんな躊躇をする私をクスッと笑い、その本を探した。
その本はいつも行っていたセブンイレブンとは違ったので端っこにある本棚に縦になって置いてあった。
それもしっかりとビニールが巻いてあり、中を少し読んでみようと思ったが残念ながら出来なかった。
本の裏表だけを読んだだけに過ぎなかったが、私がこの本を購入する、この本に何故か魅かれた意味の一文があった。
それは「腰痛を解消したい」との一文である、これにより私の大義名分が成り立ったのであった。
私はもとより腰痛が激しくずっと悩まされていた。
仕事柄であろう腰痛はどうにも治まらず、いつもだましだまし仕事をしていたが、そんな私の身体を気にして、誰かが私をそこに導いたのであり縁を感じた。
そして、覚悟を決めレジに向かえば、さっきの若い女の子ではない、男性がレジにいたのでちょっとホッとしたのであった。
早速巻かれていたビニールを取り本を開くと長友選手も大学時代に腰椎分離症とヘルニアを患っていたとのことだった。
私はそのことはまったく知らなかったが、もしかしたら、私のシックスセンスが働いていたのだろうか、この一冊は私の腰痛の克服のため、手にすべくしてあったように思えた。
少し言いすぎかもしれない、少し笑ってしまうところかもしれないが本心この本に出会えて良かったと思ったのだ、またそう思えると分かりきらぬ人生も楽しく思えないだろうか。
さてもう一つ知らなかったが長友選手は明治大学に通っていたのだった。
何と私がこの本を購入したセブンイレブンは明治大学に一番近いセブンイレブンだった。
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