よしこちゃんは何度も、これで話は終わるかと思って少し離れてもまた話をし始めては笑っていた。まだまだ話し足りないのは分かった。その笑った笑顔は笑い飛ばさなくてはならない何かを考えなくさせるもののようにも思えた。
「またね、身体は大事にするんだよ」彼女の小さな背中を見送った。
施設まで帰る途中、ゆうたく君に聞いてみた。
「どう、愛は渡すことが出来た?」
「・・・出来ませんでした・・・。どう接していいか分かりませんでした。インドではこうした人たちにも話すことが出来たけど、なぜ、出来ないのか分からないけど、話すことは出来ませんでした」
「いいんだよ。最初からうまく話せる人なんていないよ。ゆっくりと話せるようになれば良いんだよ。言葉も通じてしまうし、自分の親たちや身近な人たちも同一視してしまい、激しくいろんなことを思うだろうね。それはここに来て初めて分かったことだから、それだけでも、良いんだよ」
「はい・・・」
空はとても青くいい天気だった。自分の少し後ろで自転車をこぐ青年の心には彼が今まで感じたこと、考えたことのないものを考えざるをえない思いのなか、あたたかな日差しを浴びていた。
ボランティアを終えてから、グローバルフェスタに二人で行った。
まず、ラオスのビールを飲んだ。続いて、フィリピンのビールを飲んだ。
二人ともカリーやサモサもあったが食べなかった。どうしても海外で食べたことのある二人にはその味が納得がいかないという点では同じだった。
食べるということはその場の雰囲気、空気、気持ちなど、そのもろもろから味となってくる。素敵な思い出として自分の心にある味が綺麗なテントが立ち並び、ハッポスティロールでのった食べ物はその味わいもなくなってしまう。フェアトレードだと思えば食べれないこともないが思い出を大切にした。後は値段も向こうと比べてしまっていた。
何人かの友達にあった。ビールを三本飲んだあと、ふぅーちゃんが来た。
お腹が空いているということでカレーとナンを食べた。味はインド風レトルトのカレーみたいと言っていた。
「そうか」一言だけ言ってみた。彼女もその表情からは期待していた訳ではなかったようだった。
不思議なことにアサダ父ツヨシにあった。
両腕を持たれてドキッとしたが、満面の笑みを浮かべたツヨシだった。
「てっちゃん、いやー偶然だね。どうしている?元気?」
「いやいや、元気ですよ。ここで何にしているの?」
「・・・の団体でね」
「あっ、そうか、何かに入っているって言ってたもんね。家族のみんなは元気にしている?」
「元気にしているよ。おかあさんも、ともちゃんも元気だよ。ともちゃんもブラジル{ともこはカポエラしていた}から帰ってきてから働き始めたよ」
「そうか、良かった良かった。先月は会いに行けなくて申し訳なかった。また行く予定を作るから。なかなか忙しくてね」
「またいつでもご飯を食べにきて。みんな来て良いから。うちは大歓迎だから」
初対面のゆうたく君とふぅーちゃんにも声をかけていた。
まったく想像していなかったから、ほんとうに嬉しかった。先月に行こうと思っていたが時間がなかった。いや、時間を作ろうとしていなかったところもあった。それでも、その約束を神さまが果たしてくれたように思った。アサダが会うように仕向けたかもしれない。
それはとても面白いこと。ツヨシと別れたあと、笑顔が尾を引いていた。
{つづく}
「またね、身体は大事にするんだよ」彼女の小さな背中を見送った。
施設まで帰る途中、ゆうたく君に聞いてみた。
「どう、愛は渡すことが出来た?」
「・・・出来ませんでした・・・。どう接していいか分かりませんでした。インドではこうした人たちにも話すことが出来たけど、なぜ、出来ないのか分からないけど、話すことは出来ませんでした」
「いいんだよ。最初からうまく話せる人なんていないよ。ゆっくりと話せるようになれば良いんだよ。言葉も通じてしまうし、自分の親たちや身近な人たちも同一視してしまい、激しくいろんなことを思うだろうね。それはここに来て初めて分かったことだから、それだけでも、良いんだよ」
「はい・・・」
空はとても青くいい天気だった。自分の少し後ろで自転車をこぐ青年の心には彼が今まで感じたこと、考えたことのないものを考えざるをえない思いのなか、あたたかな日差しを浴びていた。
ボランティアを終えてから、グローバルフェスタに二人で行った。
まず、ラオスのビールを飲んだ。続いて、フィリピンのビールを飲んだ。
二人ともカリーやサモサもあったが食べなかった。どうしても海外で食べたことのある二人にはその味が納得がいかないという点では同じだった。
食べるということはその場の雰囲気、空気、気持ちなど、そのもろもろから味となってくる。素敵な思い出として自分の心にある味が綺麗なテントが立ち並び、ハッポスティロールでのった食べ物はその味わいもなくなってしまう。フェアトレードだと思えば食べれないこともないが思い出を大切にした。後は値段も向こうと比べてしまっていた。
何人かの友達にあった。ビールを三本飲んだあと、ふぅーちゃんが来た。
お腹が空いているということでカレーとナンを食べた。味はインド風レトルトのカレーみたいと言っていた。
「そうか」一言だけ言ってみた。彼女もその表情からは期待していた訳ではなかったようだった。
不思議なことにアサダ父ツヨシにあった。
両腕を持たれてドキッとしたが、満面の笑みを浮かべたツヨシだった。
「てっちゃん、いやー偶然だね。どうしている?元気?」
「いやいや、元気ですよ。ここで何にしているの?」
「・・・の団体でね」
「あっ、そうか、何かに入っているって言ってたもんね。家族のみんなは元気にしている?」
「元気にしているよ。おかあさんも、ともちゃんも元気だよ。ともちゃんもブラジル{ともこはカポエラしていた}から帰ってきてから働き始めたよ」
「そうか、良かった良かった。先月は会いに行けなくて申し訳なかった。また行く予定を作るから。なかなか忙しくてね」
「またいつでもご飯を食べにきて。みんな来て良いから。うちは大歓迎だから」
初対面のゆうたく君とふぅーちゃんにも声をかけていた。
まったく想像していなかったから、ほんとうに嬉しかった。先月に行こうと思っていたが時間がなかった。いや、時間を作ろうとしていなかったところもあった。それでも、その約束を神さまが果たしてくれたように思った。アサダが会うように仕向けたかもしれない。
それはとても面白いこと。ツヨシと別れたあと、笑顔が尾を引いていた。
{つづく}
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