カルカッタより愛を込めて・・・。

次のアピア40のライブは9月13日(金)です。また生配信があるので良かったら見てください。

ハードな一日。

2008-03-01 17:31:39 | Weblog

 今朝からマザーハウスは五日間ボランティアは行けないことになっている。その理由はまだシスターに聞いていない。シュシュババンで朝食をとった。

 シュシュババンに行けば、シスターポリタに会えると思っていた。今日はかなりのボランティアがシュシュババンにいた。そこで朝食をおることを辞め、シアルダーで食べることにした。場所が移動した分、いつもよりも長く朝食の時間があったため、祈りの前にそこを離れた。一人で戸口に行くと、誰かが自分を呼んだ。

 シスターポリタだった。4年ぶりだった。元気そうな彼女の顔を見てほっとした。彼女は以前プレムダンでかなり酷い結核になり、シャンチナガールが二年間療養した。そして、シュシュババン、バライプールで働き、またシュシュババンに戻ってきた。
 
 彼女は自分が尊敬するシスターの一人だ。ジョンも彼女のことを特別に思っている。たくさんの思い出がある。

 今朝、彼女からジュリアンのことが話された。自分は言葉が出なかった。彼を知る誰もがジュリアンの死を惜しんでいる。それはこれからもずっと続くのかも知れない。それでも、彼女とジュリアンのことを話せて良かったと思っている。シェアできる人がいるということは自分を強くしてくれる。

 駅ではハードな一日だった。
 頭が割れ、蛆虫が何十匹といる女性の精神障害者の患者と会った。彼女は会ったときは施設に行くことを受け入れた。だが、施設に行こうとタクシー乗り場まで来る前に自分がタクシーで行くということを告げると激しく抵抗を始めた。

 シスター達や周りのインド人が優しく話しても、その抵抗は収まらなかった。何度も何度も自分はゆっくりと丁寧に彼女に話しかけた。それでも、答えは変わらなかった。

 一緒に働いているカナダ人ナースの初老ボランティアのデイブが麻酔を使い、眠らせて運ぼうと提案してきた。自分はそれを受け入れた。しかし、シアルダー近くの薬局ではやはり麻酔は手にはらなく、彼がプレムダンに行って取って来るに二人で決めた。

 自分は患者が寝ているベンチの横で彼を待った。その間、自分達がしようとしていることへの問いを何度も考えた。

 このままではこの患者は必ず死ぬ。無理やりに連れて行くことが良いのか?悪いのか?しかし、彼女は精神障害者、ならば、そうしたことをしても施設に運ぶことは良いことではないだろうか?マザーだったら、どうしただろう?シアルダーのシスターは麻酔を使うことに異論はなかった。しかし、自分は何か収まり着かなかった。

 これは「神さまのために美しいこと」なのか、どうか?

 面倒なことから逃げている自分が逃げ隠れしていることも分かっていた。考えていた。

 寝ている彼女の周りにはかなりのハエが飛び交っている。自分がタクシーのなかで頭から蛆虫がこぼれないように軽く包帯を巻いたそこからも大きな蛆虫が出てきていた。

 自分は何をしようとしているのか?正しいことなのか?何度も何度も考えた。頭痛もしていた。

 そして、座りながら居眠りもした。何回もデイブが来る方を眺めた。何回も時計を眺めた。

 祈った。祈っても、祈っても、答えは出てこない。それでも、祈った。

 一時間ほどして彼女は眠りから覚めた。それはハエに起こされた感じだった。そして、自分はまた施設に行くことをゆっくりと話し始めた。

 少ししてから、デイブとプレムダンで働いている奥さんと一緒に自分達の前に現れた。

 プレムダンでの話しを聞くと麻酔はまずいとのことだった。自分も解っていた。それはもし路上で勝手に麻酔を使い、その患者が亡くなった場合はかなりの問題になる。そのことは頭の隅にずっとあった。それでも、何かあれば、諦めが悪い自分は考えていた。

 彼女は歩き始めた。彼女のあと、自分が一人ついて歩いた。二人は少し離れて着いてきた。

 彼女は列車に乗った。どこかに行ってしまうのかと思えば、列車のなかの乗客に物乞いを始めた。

 二人にそのことを告げた。
 奥さんが「何か出来ることはない」そう聞いた。
 自分は「お金をあげることが出来る」そう答えた。

 奥さんが彼女にお金をあげてから、少し経つと、彼女が列車から降りてきて、自分の前にきた。

 明日、ディスペンサリーの前にいれば、自分が何か食べ物をあげるから、そう言うと、彼女は納得して、プラットホームを歩いていった。

 もう、それしかなかった。彼女を後姿を見るだけだった。

 涙が出そうになった。涙を堪えた。

 少し歩いてから二人と別れた。そして、歩きながら、少し泣いた。泣いたからと行って何が変わるわけでもないけど、勝手に出てきてしまう。

 今日はゆっくりと祈りたい。その思いだけがあった。視野が狭くなっているのを感じた。少し横になりたい。

 思いを言葉にして、落ち着きたかった。
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