イレーネはクリスマス休暇の二週間のカルカッタ滞在だった。
私と逢えるのは二日のみになる。
それでも、やはり嬉しい。
彼女と働いたのはもう6年前になるが、その日々は今もなお美しい思い出として色褪せることはない。
きっと彼女もそうだろう、ずっとカルカッタに帰って来たかったのだろう、その思いは私と同じかも知れない。
二日であれ、時間は関係ない、これは奇跡であり、有り難いことである。
私たちはいつか必ずものが見えなくなり、歩けなくなり、話すことも出来なくなる時が来るだろう。
その時になって、その有り難味とその奇跡を知るかもしれない、だが、その前に今、その有り難味とその奇跡を知って良いはずである。
惜しみなく感じようではないか、今があるという、その有り難味とその奇跡を。
そこから、微笑みが生まれ、愛に満ちて行くのではないだろうか。