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海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

日本を外から見ると

2016-07-03 | 写真日記

カラーをモノクロ変換しても雰囲気は同じで、この橋の上から色を感じたのは空の青さだけだった

先月日本に帰国した時の日曜日、向かった先は江東区。ここに最後に来たのは前世紀末なのだが、当時何が目的で行ったのかも覚えていない。でも、こんなにビルが立ち並んでいる街では無かったはず。この日、友人の親方に指定された焼肉屋に行く前にちょっと散策してみたが、一言で言うと無機質な街。

 時々上海から日本に帰り東京や日本の地方都市を見ていると、自分自身が擬似異邦人の目線になれるので、日本を客観的に見る事が出来る。つまり、外から日本を見る事が出来る。日本という国を一言でいうと、住むには素晴らしい国だと断言できる。医療制度はすばらしく治安レベルは相当高いのと、食も豊富でハズレが殆ど無く食に対する物価は先進国の中でも相当安い。また四季があり地方の主要国道沿い以外は、美しい風景が残っている。

そんな中に暮らしている日本人は、それらが当たり前だと思っているので、彼らがたまに海外へ行くと日本のスタンダードと比較し日本の良さを実感する人も多い。今の日本自慢のTV番組も似たようなもので、それを見ている視聴者も何だか嬉しくなって優越感に浸って見ている人も多いと思う。確かに日本の細かな技術や製品は世界に誇れると私は思うが、ではなぜそれら素晴らしい製品を作っている日本の経済が潤わないのか、そして景気も良くならないのはなぜか?という考え方までは到達出来ないようだ。素晴らしい物すべてが売れるとは限らないからね、世の中は。

最近少しずつ工業製品以外の物が海外展開するようになったが、食に限って言えばこれは日本食ブームのおかげでもあり、どちらかというと他力であり自力ではない。とある地方へ行った時、あの政治家が辞めて景気が落ちたという人が何人かいたが、この言葉がすべてを言い表しているようにすべて他力なのだ。

何でも政治や役人のせいにするのでなく、自分の頭で物事を考えて行動しないと危機意識は薄れ、いざという時に頭が働かなくなり、どうして良いのか分からなくなる。また、日本は横並び意識が非常に高く人と変わった事する事を好まない人種なので、新しい物が生まれにくい土壌が足を引っ張っているし、特に地方は長老が足を引っ張っている場合も多いと強く思う。

 

 

箱根彫刻の森美術館にある岡本太郎の作品

 

岡本太郎著の「美しく怒れ」を最近読んだのだが、彼の言っている事はとても正しく結構面白かった。こんな人が日本に住む日本人の中に数%いるだけで相当日本は変われると思うが、絶対にない。

☆上海は今、土砂降りの雨。ダッカ襲撃のニュースを横目で気にしながらブログを書いている。ニュースを見ると記者会見でJICA理事長が「普通に考えれば安全なところだった」と言っているが、何が普通なのか意味不明で、日本人が言う普通なんて通用しないのが海外なのだ。公の場の記者会見で「普通」という言葉を平気で使っているトップは、すでにペケ野郎だ。

と書いた後、最悪の結果に。無念と言うか気の毒としか言いようがない。

 

コメント (2)
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