極上の烏龍茶を
ギャラリーを一巡りした後、この日招待された作家や批評家とアートや日中の文化の話をしたのだが、避けて通れない過去の大戦の話も出てくる。その話になると多くの日本人は避けて通りたいと思っている人が多いが、それは間違いだ。そんな時は相手の言っている事を正確に聞き取り、相手の目を見て歴史的事実を含め自分の考えを相手に伝えるべきだと私は思っている。それが出来ないようであれば、相手との信頼関係も絶対に生まれない。それで相手との関係が崩れるなら、私はその場で崩れた方がマシだと思っている。
こんな場で話の潤滑油となってくれるのが、お茶の先生であるダニエルが淹れてくれる極上の烏龍茶だ。そのお茶の香りと味は心を平常心に戻してくれるので、とても穏やかで静かな時間が流れるので会話も弾む。上海のギャラリーで茶藝師が常駐し極上の茶が出てくる場所は、おそらくここだけだろうな。
数日後、再度ここへ来て作品を持ち込んだ。どうも、ここで出会った人達とは、長い付き合いになりそう。
外からの木漏れ日が美しい
ギャラリーの中にある茶室
今日の話とは直接関係ないが、お勧め本を一冊。それは「茶の本」明治の頃に岡倉天心が海外向けに英語で日本の文化を紹介した本の翻訳版。この本は十数年前に一度読んだのだが、すでに本は手元にない。それが、今はkindle版で無料で読めるのだ。この本は、本来外国人向けに日本の文化を書いた本なのだが、日本人であるなら是非読んでみるとよい。茶を通して芸術の話もあり、内容は今でもまったく色褪せてない。無料のkindle版「茶の本」は、コレ。読みづらいなと思う人は有料だが、「新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想」kindle版もある。