S.C.相模原サポーターブログ

SC相模原を楽しく応援するブログです

勝利するチームを作る監督の力とは(下)

2016-12-25 08:25:48 | 勝利への叡智

サッカーは、相手より1点でもボールをゴールに多く入れた方が勝利するゲームです。ですから、サッカーの試合では、チームとして2つの戦略を立てて試合に臨みます。一つは、チームでボールをどのように動かしてゴールに入れるのか(攻撃)、ともう一つは相手がボールを動かしてゴールに入れようとするのをチームでどのように防ぐのか(守備)、の2つです。攻撃ではチーム全員でボールをゴールに運ぶ軌跡を局面ごと数多くのパターン共有して、その中から局面局面で最適な軌跡を即時に判断しボールを動かしゴールにボールを入れるのです。残念ながら9月~11月のSC相模原のサッカーは、このボールをゴールに運ぶ戦略(=攻撃)を、J3の他のチームよりも明確に正確に数多く共有しているようには見えませんでした。監督のフォーメーションやポジショニングに関する極めて細かい指示は、ボールをゴールに確率高く運びゴールをゲットする戦略とのつながりが希薄で、よって選手は「What-How-Why」が、十分に腹落ちできていないように見えました。結果どう見ても出場選手の選択やその選手のフォーメーションはここまでリスクを冒すのか、というくらい攻撃超重視にもかかわらず、セットプレー&PK以外からの得点がほとんど取れませんでした。

マネジメントがチームの中で「What-How-Why」のコミュニケーションを通じて効果的なリーダーシップを発揮するためには、チームメンバー(部下)が、上手にマネジメントから「What-How-Why」を聞き出すことも非常に重要です。このことをリーダーシップに対して「フォロワーシップ(Followership)」と言います。このフォロワーシップのコミュニケーションも技術を必要とします。聞き方を間違うと、マネジメントに反抗しているのではないか、とも聞こえてしまうからです。ですから、SC相模原の場合、鷲田・川口・工藤らのベテランのコーチ・選手が、率先してフォロワーシップを監督に投げかけて欲しいのです。何故(Why)坂井や天野がセンターバックにポジション変更しなければならないのですか?普光院や深井を何故(Why)サイドバックで守備させるのですか?中盤の底のポジションに飯田を配置して、どのように(How)ボールを動かしてゴールを狙うのですか?これでどのように(How)前線でボールを動かしてシュートに持っていくのですか?「ぶっ倒れるまで走れ」の結果が後半40分以降の大量失点につながっていませんか?と、質問を重ねチームとしての行動をより具体的に、自分たちでチーム全員で自ら腹落ちして欲しいのです。この議論の中で監督が、選手に腹落ちするまで、粘り強くコミュニケーションできるかどうかが、マネジメントとしての力量につながります。熱情型の監督はこうした場面で最後「俺のやりたいサッカーをやれば勝てる!」という結論になりがちですが、これではJ3レベルで高い成果をだすチームになる確率は低くなってしまうのです。

この表が2017年のJ3の監督のリストです。秋田の間瀬監督は、オシムの通訳から秋田の監督になった方ですが、秋田での2年間の実績が買われてJ2愛媛の監督に就任しました。また長野の三浦監督も、ことしの長野でのマネジメントが買われてJ1新潟の監督に抜擢、逆に盛岡・神川、福島・栗原、鳥取・柱谷と、結果を残せなかった下位チームの監督はシーズン終了即退任になっています。J3は、監督で飛躍を狙う人材にとっての登竜門。安永監督も2017年、SC相模原をJ3優勝させたら、遠慮することなくJ1チームの監督に就任してしまってください。頑張れ!聡太郎。

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勝利するチームを作る監督の力とは(上)

2016-12-24 15:02:56 | 勝利への叡智

2017年のSC相模原の監督は、安永聡太郎氏の留任となりました。安永監督は、8月前任の薩川監督の突然の退任の後を受けて監督に就任しましたが、結果的には安永監督は1勝しかできませんでした。この留任、SC相模原のサポーターの中にも「聡太郎で来年大丈夫なんか?」という不安の声もあることは事実です。ただ、シーズン途中の稼働中のチームを引き継いでのマネジメントと、シーズンのスタートからチームを作り上げるマネジメントは全く異なります。私は、安永監督がきちんとJ3優勝チームをこれから作って、彼の全身全霊を使ってこれを実現してくれるものと堅く信じています。

ただ、2016年シーズンの安永監督のマネジメントをみて、気になる点は「コミュニケーション力」です。サッカーの監督だけでなく、一般のビジネスの世界でコミュニケーションはマネジメントの基本作業の一つです。安永監督の仕事を、一言で言ってしまえば非常にシンプルで、「選手とのコミュニケーション、上司である望月代表とのコミュニケーション、お客様であるサポーターとのコミュニケーション、この3つのコミュニケーションの中でその能力・経験・スペシャリティーを発揮しチームのJ3優勝を必ず実現させること。」これだけです。このコミュニケーションの質と量が安永監督のマネジメントとしての基礎能力です。知識・経験・判断力といった様々なマネジメント資質において、どんなに素晴らしい資質を安永監督が持っていたとしても、コミュニケーションの部分の基礎能力が欠落しているマネジメントは、結果がでません。ここが、サッカー界で名選手が名監督に必ずしもなれない一番の理由です。

 資質の高いマネジメントは、そのコミュニケーションにおいて「What-How-Why」に一貫性があり、選手・上司・顧客が腹落ちするまで、何度でもぶれることなく継続することができます。勝つためにチームとして何を(What)なすべきか、その行動判断の正しさ、その行動をどのように(How)実施するのか、具体的かつ分かりやすい作業指示、そしてなぜ(Why)その行動が必要なのか、疑問を持つ選手に腹落ちするまで何度も説明すること、このコミュニケーションを自在に操ることができるマネジメントはサッカーだけでなくビジネスの世界でも大成します。

私は、安永監督就任してからの試合後のインタビューの文章や、戦いぶり、練習を見ていて、この「What-How-Why」に一貫性のぶれが大きいな、と感じました。もちろん変化することを良しとしない、といっている訳ではありません。これだけ環境の変化が激しければ、ぶれる部分があってもいいのです。しかし間違っていた、と気が付いたらクイックに修正すべきです。またこの修正の時も「何をどのようになぜ変えるのか」を、選手・上司・顧客が腹落ちするまでコミュニケーションすべきです。この繰り返しによりマネジメントと部下・上司・顧客との信頼関係が醸成され、効果的なリーダーシップが発揮できるようになります。

 鳥取の柱谷前監督や、岐阜のラモス瑠偉前監督が、日本のサッカーの歴史に名をのこす素晴らしい選手でありながら、マネジメントとしてなかなか結果を出せない理由もここにあると私は見ています。熱情や声の大きさ、権力に裏打ちされただけのコミュニケーションだけでは、チームは目標に向けて100%以上の力をだすことができません。もっと論理的に、丁寧に、具体的にわかりやすく選手・上司・顧客と「リーグ優勝に向けたチーム作り」に関しコミュニケーションする必要があります。また、アーセナルのベンゲル監督や、前日本代表のザッケローニ監督が、選手としてほとんど実績がないのに、マネジメントとして世界的にトップクラスになっている原点もここにあります。選手時代ベンゲルの教えを受けた望月代表が、今だにベンゲルをリスペクトしている理由は、望月代表が選手時代にベンゲルとコミュニケーションした内容が、200%腹落ちしたからに他ならないのです。

*次回に続きます。

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背番号1番・守護神ツヨシの退団

2016-12-17 11:41:29 | SC相模原日記

選手の退団の知らせはどの選手であれ寂しいニュースですが、昨日のSC相模原の背番号1番・守護神佐藤健の退団のニュースは、ことさらに強烈な寂しさを感じます。ツヨシが入団してきた頃はまだ県リーグ3部で、怪我が多かったエノ(榎本貴久)から背番号1番を引き継いだのが2012年でした。入団当初は、身体能力の高さ・極めて正確なロングキックなどの長所が際立つ反面、GK技術・判断力・コーチングともに未成熟の印象を受けましたが、中村和哉コーチの指導でメキメキ成長、背番号1を引き継いだ時は「エノの後継者はツヨシ」を疑うサポーターはいませんでした。2012年のJFL昇格劇に始まりその後のJ3へと続くSC相模原の快進撃を支えた守護神はツヨシであり、その意味でSC相模原の大功労選手の一人でもあります。また、多くのSC相模原のアカデミーの選手たちが、ツヨシからGKの基礎を学びました。あの「ツヨシ・チャント」が来年なくなるかと思うと大変残念です。

おそらくは「選手としてまだ成長できるはずだし、自分の能力をもっと活かせるチームが他にもあるはず。」という気持ちがツヨシを退団へと決意させたことと思います。今年の後半、安永監督になってからツヨシは第3のGKとして試合出場メンバーに登録すらされなくなっていました。その安永監督が続投となれば、ツヨシの気持ちをわかってあげるしかありません。ツヨシがGKとして自己実現ができる新しい活動の場が見つかることを祈っています。

これが現在のSC相模原のチーム編成状況表です。普光院の大学時代の同僚、山口聖矢選手の入団が発表になっています。守備力の高い地元・座間の選手の加入は、SC相模原にとって楽しみな限りですね。この際関東学院大つながりで、富山の萱沼君も相模原に来てくださいね~(笑)。

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11人の選手の退団、チームが生まれ変わるために

2016-12-11 23:15:10 | SC相模原日記

本日深井の引退が発表になりました。日本サッカー界の名選手がまた一人ピッチを去ることになりました。大変残念ですが、深井にはまた新たな形でサッカー界に残るべく第二のスタートを切って欲しいです。お疲れさま!。これでSC相模原の今オフの退団選手は11人になりました。以下の表が今日時点の退団選手です。残留選手の列のカッコは、外国人選手と期限付き移籍加入選手を示しています。

  

一言で今の状況を表すとすれば「FWの選手がいない」状況。期限付き移籍の石田が残ってくれるかどうかも含めて、今オフのチーム編成の目玉の一つが「攻撃力の大幅なレベルアップ」。2016年は1試合当たりの得点が1点を割っており、SC相模原の看板だった攻撃サッカーが崩壊してしまいました。攻撃の軸になるFWの選手が獲得できるのか、また点取り屋として将来性豊かな若手選手を育成することができるのか・・。SC相模原の2017年の飛躍のカギを握るポジションは第一にFWであり、ここでいい選手を獲得できるかどうか、で2017年のSC相模原の飛躍が占えると思います。またDFラインも選手層を厚くする必要があります。ここは期限付きで出ている安藝の帰任の可能性がありますが、寺田・天野・成田・牧内とサイドプレーヤーが4人退団していますから、DFラインの選手の質量ともに底上げを実施したいところです。

昨年オフのチーム編成は結果的に見ると「いい選手が獲得できなかった」との評価だと私は思います。ピークを過ぎたベテラン(井上・深井)と外国人選手(アレシャンドレ・ルーカス・トロ・金・シンバ)が軸となるセンター・ポジションを担う、あとの過不足は期限付き移籍選手(近藤・赤井・石川・石田)でなんとか凌ぐ、といった方法で、2016年チームを作りましたが、結果的には外国人選手・期限付き加入選手は、2016シーズンチーム成績向上に貢献した選手は少なかったと思います。また、FW・DFで若手中核選手の育成が遅延しているように思います。20歳代中盤の体力・技術力・経験のピーク時期を迎える中核選手が何人獲得することができるか、その素質を持った若手選手を何人獲得できるか、J1・J2の経験豊富な20代の選手を何人獲得できるのかも、SC相模原の今オフのチーム編成の見どころです。

 

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