やんごともなく

日常・・あぁ日常。
ブログに書くこと何もなし。

レベル42

2009-12-08 13:08:42 | 日々の戯言
「ゴールしたよ」とメールを送ったのが13時を少し回った頃。


程なく返信が。奥さん曰く33kmの関門目前で既に走れずとの言葉。
しかし関門は絶対通過するし行けるトコまで行くとの事。
初フルマラソンの彼女にはかなり難易度の高いコースレイアウトだ。



制限時間まであと2時間・・・



次々と帰ってくる仲間を迎えていたが、居ても経ってもいられずコース逆走しはじめた。
もちろん私も無傷ではないので歩く以上は出来ない。無数に溢れるランナーから
見逃さない様に移動してゆく。時々連絡はくるのだが一向に進んでいないらしい。


人混みにようやく見つけたのが37km地点。


脚を引きずってるが歩いている。


残り45分。ギリギリか?


伴走し喋りかけモチベーションの再構築を図る。
40kmを過ぎれば下りがあり、そこまで行ければ間に合うかも?
そして飴を与え鞭を振り叱咤激励を飛ばしながら最後の坂を登ってきた。


間に合うのか?と考えるのではなく間に合わせると考えるのが心構え。


ここまで来たのだからあと少し頑張って欲しい。


下りきり左へ切れると競技場の入り口に。


41kmは越えた!あとホントにホンの少し。


地元の高校生が熱い応援をくれる。その温かみに涙が出る。
勿論ここだけじゃない。スタートから最後のその一つの角まで
応援の方々で溢れている。その笑顔と愛情でここまで来れた。


断言できる。こんな大会は日本中どこにもない。
那覇のそして沖縄の人の温かみはこの大会の精神そのものだ。
青い空と海のスピリチュアルに限りなく近づいてゆく。





・・・っと奥さん大転倒!!



いけねぇ!浮かれて泣いてる場合じゃない。膝を打ったか?幸い大怪我は無さそうだ。
見えない段差も躓くくらい足が上がってない。しかしこのロスタイムは痛い。


それでも涙を拭いて立ち上がり走り出す。残り550mの看板が見えたその瞬間!






終了を告げる無常の花火が上がった・・・





42km手前に突然現れた人壁が行く手を阻む。
そう、惨い様だがフィニッシュラインを決して跨がせないのだ。


絶望で倒れ込む人々。嗚咽、罵倒、唖然、呆然、愕然・・・





たった数百メートルを残して彼女の初フルは終了した。





本当だったらこの旅行で色々話し合う予定でしたが、疲れて芝生に倒れ、
石の様に眠る彼女を見てると何だか現実的な話をする事が出来なかった。


あそこまで泣きながら頑張ったその気持ちは本物だ。


そうゆう芯の強さに少なからず感動した。




今はゆっくり寝て回復して欲しいと思う。





お疲れさん。
コメント
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