鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

「栄光の男」が駆け抜ける夏。ひときわ熱い秋へ よろしく!

2013-08-31 23:56:08 | 日記

チビッ子たちの楽しかった夏休みも、とうとう最終盤。ウチの工房には、過日の「鎌倉 佐助のさんぽ市」にて陶芸皿絵付けを体験したチビッ子たちが作品を受け取りにやって来る光景が繰りひろげられました。

自ら手掛けた作品を手に「うわぁ、きれいに出来たぁ!」と歓声を上げるチビッ子の姿こそ、ワタシにとってこの夏一番の「収穫」なのかも知れません。

ご近所のお店仲間のご長男が制作意欲満々で「縄文式土器を作りたい!」との言葉とともにウチの工房にやって来たのは8月のはじめのこと。ワタシとしては「なんとか新学期までに仕上げてあげたい‥」ということで、超法規的なる手法!? を馳駆してみました。その甲斐あってつい先ごろ、「縄文式土器」がめでたく完成の運びに。

縄文式土器だけでなく、器を満たすキノコやお米、漁網や釣り針までしっかりと制作したチビッ子は、いつまでもいつまでも自らの作品の手触りを楽しんでいました。

「鎌倉 佐助のさんぽ市」のたびに、その続編としてお客様が手がけた陶芸皿絵付け作品をフルスロットルで焼き上げる日々が続くことになります。痛いほどの真夏の日差しを浴びながら、庭の片隅で延々と続くうわぐすり掛け作業‥。灼熱の太陽を浴びながらの うわぐすり掛けとは「これってひょっとして、ボクが演じる野外ライブ‥!?」などとの思いもチラホラとアタマの中をよぎったりします。

灼熱の野外ライブ、といえば‥。

8月31日、そして9月1日の2日間、わが家から西へ約10キロ離れた茅ヶ崎公園野球場では、あらためて言うまでもなくこんな人たちが

円熟、そして躍動感いっぱいのパフォーマンス‥。観たかったなぁ‥。


今回の夏のライブツアーにあたり、NHKテレビで「35周年スペシャル 復活!サザンオールスターズ」というプライベートライブコンサートが放映されました。このライブはウチの陶芸教室の会員さんの間でも大いに話題になり、教室開講中にもなんとなくというか必然というか、工房内にはサザンの曲が流れまくったのは当然の成り行き‥。

皆さんご承知のようにこの夏、サザンは「ピースとハイライト」と「栄光の男」という楽曲をリリースしました。

ともにアップテンポで乗りの良い曲なのですが、この2曲ともはじめて聴いた瞬間、その歌詞が「ドキッ」とココロに刺さり今もアタマの中をその歌詞がリフレインしています。

甚だ私感が過ぎるようにも思いますが、「ピースとハイライト」はアップテンポなメロディラインの奥にジョン・レノンの名作「イマジン」のメッセージがちりばめられているように感じられてしまいます。歌詞の中のセンテンスの一節を「憲法」「隣の国」といった具合に置き換えていくと、なんとなく今のこの国、そして世界が抱える課題や危機感、そしてかすかに見える解決への道筋と言ったようなものが表現されていると言っては言い過ぎでしょうか‥。

そして「栄光の男」は、かの長嶋茂雄氏に対する敬愛の念から作り上げられたと言われているようです。「♪ハンカチを振り振り あの人が引退るのを」で始まる1番目は確かに 栄光の男 長嶋さんへ向けての感謝や尊敬の念がいっぱいです。それ以降この楽曲においては「立ち食いソバ屋」「割箸」「立場があるから‥」「居酒屋の小部屋で」といったようにかつてのサザンとは少々趣きを異にするセンテンスがちりばめられています。

その「割箸」をはじめとする数々のセンテンスは、今から約40年くらい前の昭和40年代・日本で井上陽水さんや泉谷しげるさんをはじめ多くのフォークシンガーが競って名曲を作り上げていた「旧き良き時代」を呼び起させてくれるような気がします。

またあえて言うならば、「栄光の男」という楽曲は、その歌詞、ならびにメロディラインからどことなく吉田拓郎さん的なモードを感じるような気が。もっとも、ウチの近所に住むワタシの高校時代からの女友達にして筋金入りの拓郎マニアたるイッチャンからは、「拓郎の感性とはちょっと違うよね」なんて具合にお叱りを受けるかもしれませんが‥。でもひょっとして桑田さんにとって、吉田拓郎という人も「栄光の男」の一人だったかも‥。

ワタシ自身、桑田さんと全く同じ世代。ゆえに昭和40年代のどんどん景気が良くなる「あの高揚感」と、しだいに人々の気持ちが疲れ始めていく気配が「栄光の男」の歌詞をとおしてダブってきてしまいます。そして昭和40年代の輝きは昭和49年秋 「栄光の男」長嶋茂雄氏の現役引退をもって終焉を迎えました。

このところ「ピースとハイライト」そして「栄光の男」の2曲をしんみりと聴き込む夜が続いています。アップテンポの曲ながら、これほどまでに歌詞がココロに沁みる曲に出会ったことはかつて一度もありませんでした。もしできるならば、この2曲の歌詞に秘めた思いをあのシワガレ声のエンターティナーに訊いてみたいなあ‥。

さて、今宵はひさしぶりにサザンのデビューアルバムを聴くことに。


初期のサザンはやはりレコードが格別です。針の「プチプチ」という雑音の奥に、若かりし頃の数多くの思い出もよみがえり‥。サザンの曲とともに楽しみ、そして悩んでいた若き頃こそ、私にとってはまさに「ハイライト」の季節。デビューアルバム「熱い胸さわぎ」とともに遥か彼方に過ぎ去った35年前にプレイバック&レイドバック‥。

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