劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

2008年日本演劇学会全国大会

2008年06月28日 | 日本演劇学会

 6月21日・22日、「日本演劇学会2008年度 全国大会」が千葉県柏市の日本橋学館大学で開催され、昨年(兵庫県伊丹市・大手前大学)に引き続き、発表者の一人として参加した。開催校が日本橋女学館高等学校(私は「演劇研究クラス」の講師)の系列大学だということもあるが、今年の大会テーマが「演技の世界」であったことが、参加の主たる動機である。
 現在「演劇ユニット 東京ドラマポケット」公演制作の真っ最中なので、私は創作活動と直結するテーマとして「演技の自立性と舞台制作の実践例」を研究発表に取り上げた。発表資料としてのレジュメには、以下のような項目立てを配した。
 Ⅰ 演技の自立性/A 俳優の演技~物語の運び手から劇的状況の人物へ~/B 演劇言語~劇文学の再現上演から総合芸術としての演劇へ~//Ⅱ 舞台制作の実践例/A「演技の自立性」実現のための脚本構想<①素材・②劇の世界・③重層的な劇構造・④演技表現のヴァリエーション>/B「総合芸術」実現のための制作過程<ⅰ音楽・ⅱ装置・照明・ⅲ衣装・ヘアーメイク>
 発表は、このレジュメに即して進め、最後に「演劇ユニット 東京ドラマポケット」のアトリエ公演『オフィーリアのかけら~予告篇~』(2007年8月/横浜・創造界隈ZAIM別館2Fホール)の編集ビデオ上映で締めくくった。研究発表対象作品であるため、レジュメとともに、本公演vol.1(2008年8月28日~31日/新宿・シアターサンモール)の舞台装置平面図と台本の一部と楽譜、そして、公演チラシも資料として配布した。
 私は、大会第二日に参加したのだが、数ある研究発表の中で聴けるのはごく僅か、印象に残ったのは、「ギリシャ悲劇の詩学――カタルシスからポリフォニーへ――』(群馬県立女子大学 北野雅弘)と「オペレッタと演技性――クープとロンドを例に――』(日本大学 森佳子)だった。私の研究テーマとも重なり、興味深い内容だったためであろう。
 当日は雨模様だったが、全国大会という機会ならではの顔ぶれが揃うので、心楽しい一日となった。


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