劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

わが編著書~平積みされる新刊本と献本先からの反応

2019年09月15日 | 創作活動
 発行日2019年8月30日、発売日9月3日。初版3,000部、全国発売。北は北海道から南は沖縄までの主要大型書店に配本された。東京では、三省堂書店本店が演劇書売り場にPOPを掲示して置いてくれていた。八重洲ブックセンターは他の書店同様にオペラコーナーだ。紀伊國屋書店本店の場合、オペラ関係は別館売り場になるので、本館の演劇書コーナーにも置いてくれるように頼んでおいたがどうなるか…。発行:幻冬舎メディアコンサルティング/発売:幻冬舎。
 単行本としては数十年前の児童書以来である。前回は出版社からの依頼、今回は個人出版という違いはあるが、書店に置かれる自著を眺める機会が巡ってきたのは感慨深い。「あとがきに代えて」に次のように書いた。
 …この『雪女とオフィーリア、そしてクローディアス~東京ミニオペラカンパニーの挑戦』の出版企画に踏み切った理由はこの本の冒頭「はじめに」に書いたが、もう一つ、類書がほとんど無いことにある。たしかに、脚本や楽譜の一部と上演記録を主な内容とする本が売れに売れるという見込みは薄いだろう。しかしだからといって出版に値しないということにはならない。音楽劇の新たな世界、ミニオペラというジャンルの可能性、そうしたことに関心を抱く読者がきっとおられると思うからだ。また、個人出版とはいえ商業出版には、普遍性が問われる。個人を超えた芸術の世界、それを共有する人々の営みや思考がこの本にはある。その普遍性があるとすれば、「書店の一冊」としての価値は確かなものになる。東京ミニオペラカンパニーの公演に参加され素晴らしい舞台を実現させた出演者・演奏家・スタッフの皆さん、この本のために寄稿のペンを執ってくださった方々に感謝申し上げたい。
 個人出版の費用はいわゆる持ち出しだが、多額の出費を負担してもなおそこに意味を見出したからこその出版である。佐野個人を超えて「東京ミニオペラカンパニー」に結集した人たちの営為と各人の思いを残すこと、上記に述べた「音楽劇の新たな世界」を提示することにある。関係者からの喜びの声とともに、献本先からの賛辞が連日のように寄せられている。そのお一人、毛利三彌先生(成城大学名誉教授)は特に有難かった。
 大阪に数日行っていて帰ったら、ご本「雪女とオフィーリア、そしてクローディアス」を頂いていました。ありがとうございます。企画から、ずいぶん早くにできましたね。上演の記録を残すことの重要性は、ギリ研の本を作って、改めて感じています。自分たちだけの問題のように思っていましたが、演劇史にとっての資料の保存はやはり重要なことで、いつどんなときに役立つかわからなくても、あるのとないのとでは、雲泥の差になります。立派なご本になって、このような果敢な挑戦の軌跡を残しておくことができたこと、ご同慶の至りです。おめでとう!そしてもういちどありがとう!※「ギリ研」…東京大学ギリシャ悲劇研究会。
 毛利先生は、『古代ギリシャ 遥かな呼び声にひかれて』(2019年3月/論創社刊)の編者で、かつての東京大学ギリシャ悲劇研究会の活動記録をまとめられたので、この『雪女とオフィーリア、そしてクローディアス~東京ミニオペラカンパニーの挑戦』に共感を覚えられたのだと思う。
 「出版」というものの広がりと意義を改めて感じている。


コメント
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