劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

(続)超個人的「一泊一人旅」の研究

2018年02月06日 | 随想
 前回の「超個人的「一泊一人旅」の研究」(ブログ掲載<随想>2016年11月20日)に引き続いての第二弾である。
 住居や仕事場を離れて温泉場で過ごす時間は贅沢なものだが、私の場合は、大方は「仕事」が目的である。近代以降の大作家先生のように定宿にて連泊し大傑作を書き上げるというのではなく、一泊のささやかな投宿ではあるけれど、気分転換以上のものにはなっている。取り掛かっている創作上のメモや担当する朗読講座のプランを書き残すのだ。それは、眠りが覚めた真夜中に起き出してPCに向かったり、東京への帰路、特急列車やグリーン車座席の小テーブル上でタブレットの「メモ帳」に記入したり、いわば動く書斎として利用している。
 最近はひと月に1回は出かけるペース。もちろん経済的に余裕があるわけではないので、出費は15,000程度となる。遠い地域だと往復の交通費がかかるので、いきおい箱根・湯河原・熱海が多くなる。これまでは「伊東園ホテルズグループ」「ルートインホテルズグループ」「四季倶楽部グループ」の系列施設を利用してきたが、今年に入って新たに「箱根一の湯グループ」を続けて2回利用することになった。
 キッカケは、昨年の情報番組で老舗を蘇らせる若手経営者が紹介されていて興味を持ったことにある。寛永七年創業というこの旅館を塔ノ沢から仙石原・元箱根へと全7店まで発展させ、次々と開店した店は全て現代的な建物にしリーズナブルな料金でカップル・家族連れ・一人旅にも提供している。
 先月は、「塔ノ沢キャトルセゾン」を利用した。箱根湯本から温泉組合運営の周遊バスを利用すれば100円10分ほどで到着する(帰りは下り坂なので、湯本まで歩いた)。アクセスが便利なのが何よりで、その上、広々とした室内、早川渓谷の川音、ゆったりできる風呂。夕食はチェーン店ゆえ経費上、刺身など生ものはではなく蒸し物・焼き物になるが、朝食はなかなかのものである。特にスタッフが配膳してくれるのがいい。アルコールも含めた飲み物はセルフサービスで無料だ。「1室2名様」なら8,000円だが、一人旅なので12,000円ほどになるけれど、それでも満足感はある。
 昨日は、新宿バスタ(新宿駅南口前)を初めて利用した。4F・Bエリアのバス停から「新宿-箱根線・高速バス(小田急)」に乗り込んで、2時間。都心を抜けて神奈川県に入り、御殿場から箱根の山道を登っていく。「台ヶ岳」で下車するとそこは仙石原、「ススキの原一の湯」は徒歩1分。今回は会員用ネット予約で割安の情報をつかみ、昨年7月オープンしたばかり「1室2名様」おひとり様料金15,000円を「塔ノ沢キャトルセゾン」とほぼ同じ料金で宿泊できた。ここの売りは「客室露天風呂」で、ゆったりと朝湯を楽しませてもらったのが収穫だ。
 帰りは箱根湯本まで30分ほどのバス利用、そして、到着するやいなや小田急ロマンスカーに飛び乗った。新宿駅まで1時間33分、「車内書斎」で愛用のタブレットに「朗読講座の進行内容」を入力した。


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