劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

「記念の」女学館祭2013

2013年09月24日 | 日本橋女学館高校
 9月22日(日)、日本橋女学館高等学校・女学館祭の幕が開いた。われら芸術進学コース演劇系列は、この学園祭に2年生の演劇発表をプログラムに入れる。生徒たちは、2月に行われた「1年次学年末発表会」の経験を土台に、さらにパワーアップした実力を披露し、やがて来る3年次の「卒業公演」(来年7月)を見据えて、舞台狭しと駆け回るのだ。
 ところで、今回の発表『カラオケパニック』は異例の内容となった。在籍数が7名と少なめな7期生のために、教職員が初めて応援出演する事態が生じた。いつもは生徒が演じる教師役と警官役、さらに新しく書き加えられた酔っ払いオヤジ役を演じることと相成ったのである。そして、その酔っ払いオヤジ(Wキャストの初日)は、なんとこの私が務める羽目になったのである。
 役者として舞台に立つのは、横須賀時代の『ブンナよ、木から降りてこい』の百舌役以来数十年ぶりのことだ。わずか5分程度の出番であったが、数回の稽古で仕上げるのはそう簡単なことではない。まして、オープニングは、スピード感溢れる全員によるダンス。まったく未経験の世界で青ざめたが、幸い、酔っ払いオヤジということで、勢いでなんとか誤魔化すことに成功!終演後、客席に詰め掛けていた卒業生たちから『ゴロウちゃん、よかったよ』『面白かった!』と声をかけられたので、責任だけは果たせたようだ。
 私の「出演」には、もう一つ意味があった。今年度で退職の身なので、最初で最後の出演もオシャレだなと思えたこと。そのうえ、教師役と警官役の演劇講師は、十数年前に神奈川総合高校舞台系科目を履修した生徒たちで、そのお二人と同じ舞台に立てる機会を逃す手はなかったからである。
 教師役の久保田先生(脚本・演出)に稽古をつけてもらい、警官役の小原先生に酔っ払いオヤジのメークをしてもらいながら、『ああ、私の役目は終わったな。かつての優秀な生徒たちに演劇教育のバトンタッチができた自分は幸せだな』としみじみと感じたのだった。



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