劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

アトリエ公演のゴール、本公演へのスタート

2007年08月31日 | 創作活動
  東京ドラマポケット・アトリエ公演「オフィーリアのかけら~予告篇~」(横浜・創造界隈ZAIM別館ホール/8.25~26)が終了した。
 小屋入りは8.20で、搬入・舞台設営・ロビー設営・照明の仕込み・オーケストラの練習・場当たり・キッカケ稽古・通し稽古と進み、24日には、「公開リハーサル」、25日(昼夜)・26日(昼)の本番を無事にやり遂げることが出来た。
 俳優陣・演出スタッフの全力投球もさることながら、制作スタッフの最大限の努力には代表者として、深く感謝するところである。
チケット予約も、公演間近になって大幅に増え、千秋楽には、ベンチシートを6本追加製作し、満席の客席確保に備えた。
 終演後のロビーでの語らいは弾み、ポストトークでは、観客から鋭く真摯な意見がつぎつぎと出された。アンケートもたくさん集まったが、何より嬉しかったのは、今もなお寄せられるメールでの「感想・意見」である。来年の本公演の中身について、期待と要望が長文で詳細に述べられている。有り難いことである。
 すでに「演出・舞台監督による総括」「運営部会議」「制作会議」「演出会議」「本公演会場=新宿シアターサンモールの下見」が実施されることになっているが、心を引き締めて磐石の態勢を築いていくつもりである。


*写真上は、創造界隈ZAIMの外壁と東京ドラマポケットのフラッグ。
写真中は、設営されたロビーに華やぎを添える「お花」。
写真下は、観客の注目を集めた模型舞台(美術担当者製作)。


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(続)演劇、ライフワークの秘密

2007年08月19日 | 創作活動
 なぜ、芝居をやっているのか、なぜ、続けてこられたのか…?
 その答えは、「人と会える」ということだった。公演日当日に「観客として来場される方たちとの交流」は大きな歓びだが、もう一つ、「人と会える」という点では、上演準備、稽古、公演期間の全ての時間を共にする「創造サイドの仲間たちとの交流」が、その密度の濃さもあって、私の心を大きく占め、生きるエネルギーを与えてくれている。
 彼ら仲間は、いわば、私の人生の「同伴者」だ。家族・肉親・親類縁者とは別個の存在ではあるが、‘演劇創造の場’という(家庭や職場とはまた別の)「小さな社会」の構成メンバーなのである。ただ、この「小さな社会」は、公演が終了すると同時に消え去ってしまうし、「同伴者」たちは、別れを惜しみつつも三々五々散り散りになっていく。「演劇ユニット」の特徴は、組織が半永久的に継続する劇団とは異なり、俳優やスタッフが「個人単位」で一つの公演ごとに結集するので、公演終了と共に解散となる点にある。また、非商業的芸術活動であるため、いわゆるノーギャラである。経済的報酬の無い<仕事>というものは、自分が100%納得していないと関われない。そして同時に、そこに集まる仲間への信頼感と、自分自身を高められるという実感、良い舞台を創ろうという連帯感が無ければ、続けられるものではない。
 今回立ち上げた「東京ドラマポケット」の参加メンバーは、俳優5名のほか、音楽スタッフ、演出スタッフ・制作スタッフを含めて総勢40名。プロダクションに所属している声優、フリーの俳優、舞台技術者、私のように演劇講師を務めている者、学生、…職業や身分は様々ではあるが、素晴らしい人材が揃っている。しかし、この態勢が出来上がったのは、決して偶然ではない。これまでの<演劇の現場>を通じて、私をはじめ参加メンバー各自が「この人だ!」と思った1人1人が結集した結果なのである。
 演劇は「集団芸術」である。一人では何一つコトを進めることは出来ない。自分とは別の才能の持ち主と出会い、刺激し合い、手を携えながら結束して、最良の舞台作りを目指すことになる。
今、私たちは、参加メンバー40人が一つの渦になっているのを感じている。凄いパワーだ!共通の目標。共有する困難、支え合う心強さ。分かち合う歓び。
 私の人生の歓びとエネルギーの源泉がここにある。

*写真は、「ある日、稽古場にて」。


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