19歳の頃、銀座の貿易会社に勤めながら、私は生きる意味を掴めずにもがいていた。当然のことながら、自分など足元にも及ばないほど語学の出来る社員が大勢いた。自分の存在価値って何だ?取り柄の無い高卒のサラリーマンとして、これから一生通勤電車に乗り続けるべきなのだろうか?「自分にしか出来ないこと」って無いのだろうか?幸運にも、それを考え、自分を見つめる時間を持つことが出来た。21歳から25歳までの大学での4年間だった。(ブログ記事メニュー「随想」の中の「デリケート・バランス(上/中)」に詳述)
60歳を越えた現在も、私は収入を他で得ながら演劇という仕事(生計とは別立ての)を続けている。その生活パターンは学生時代と変わらないが、変わったことと言えば、作る芝居のレベルが少し上がったことと、アルバイトが牛乳配達員から掛け持ちの非常勤講師に変わったことぐらいである。「自分にしか出来ないこと」「自分だけが創り出せる世界」それを求め続けていることに変わりは無い。
さて、大学を出て38年、体力的には年相応になってきているが、人間、気だけは若いものである。自分と同じ「創造に夢をかける」若い人たちの活動には「アンテナ」が直ぐ反応する。先日、昼は東京、夜は横浜を会場とする「創作発表」に足を運んだ。
神奈川総合高校出身のKS嬢からの案内ハガキを手に、丸ノ内線・中野坂上駅に降り立った。東京工芸大学映像学科映像造形研究室三年「進級制作展」(12.15-16/東京工芸大学中野キャンパス・芸術情報館)を見て回る。動くアニメーション、飛び出す映像(備え付けのメガネ使用)、オブジェと照明によるディスプレイ、モニター上に展開するゲーム、映像とサウンド(ヘッドフォン使用)による作品など、若者の創作意欲に素直に感動した。このような世界があることは知っていたが、目の当たりにしてみて改めて面白いと思った。KS嬢と大学内のピロティ(1F)で缶コーヒーを飲みながら「創作への夢」を語りあった後、横浜へ向かった。
JR関内駅から5分、横浜・創造界隈ZAIM(写真)に着く。やはり神奈川総合高校出身で、舞台美術家として活躍中のAT君がスタッフとして参加している「AAPA+『アウェイ街区―Away at Quadro』」公演だ。古色蒼然たる建物の外見、一歩足を踏み入れると、芸術の雰囲気に包まれる建物内部、発表会場の工夫された空間設定、照明効果。…二人のダンサーによるゆったりとした世界、ソロダンスの鋭く激しい身体の耀き、優しく語り掛けるようなジャズのサウンド…。あっという間の2時間ほどが過ぎ、ロビーに出演者たちが出てきた。コンテンポラリーダンスのNM嬢とSY嬢、小編成バンドのヴォーカルTR嬢も、神奈川総合高校在学当時、舞台系科目の教師だった私とは顔馴染である。楽しくも嬉しい再会となった。
かつて、教師と生徒という立場で出会った私と彼・彼女たちだが、今は創造活動を通して「自分だけが生み出せる世界」を実現しようとする者同士である。近い将来、一つのプロジェクトの基に集い、共に舞台作品を創造する仲間となること、そんな嬉しいことを夢想した一日となった。
60歳を越えた現在も、私は収入を他で得ながら演劇という仕事(生計とは別立ての)を続けている。その生活パターンは学生時代と変わらないが、変わったことと言えば、作る芝居のレベルが少し上がったことと、アルバイトが牛乳配達員から掛け持ちの非常勤講師に変わったことぐらいである。「自分にしか出来ないこと」「自分だけが創り出せる世界」それを求め続けていることに変わりは無い。
さて、大学を出て38年、体力的には年相応になってきているが、人間、気だけは若いものである。自分と同じ「創造に夢をかける」若い人たちの活動には「アンテナ」が直ぐ反応する。先日、昼は東京、夜は横浜を会場とする「創作発表」に足を運んだ。
神奈川総合高校出身のKS嬢からの案内ハガキを手に、丸ノ内線・中野坂上駅に降り立った。東京工芸大学映像学科映像造形研究室三年「進級制作展」(12.15-16/東京工芸大学中野キャンパス・芸術情報館)を見て回る。動くアニメーション、飛び出す映像(備え付けのメガネ使用)、オブジェと照明によるディスプレイ、モニター上に展開するゲーム、映像とサウンド(ヘッドフォン使用)による作品など、若者の創作意欲に素直に感動した。このような世界があることは知っていたが、目の当たりにしてみて改めて面白いと思った。KS嬢と大学内のピロティ(1F)で缶コーヒーを飲みながら「創作への夢」を語りあった後、横浜へ向かった。
JR関内駅から5分、横浜・創造界隈ZAIM(写真)に着く。やはり神奈川総合高校出身で、舞台美術家として活躍中のAT君がスタッフとして参加している「AAPA+『アウェイ街区―Away at Quadro』」公演だ。古色蒼然たる建物の外見、一歩足を踏み入れると、芸術の雰囲気に包まれる建物内部、発表会場の工夫された空間設定、照明効果。…二人のダンサーによるゆったりとした世界、ソロダンスの鋭く激しい身体の耀き、優しく語り掛けるようなジャズのサウンド…。あっという間の2時間ほどが過ぎ、ロビーに出演者たちが出てきた。コンテンポラリーダンスのNM嬢とSY嬢、小編成バンドのヴォーカルTR嬢も、神奈川総合高校在学当時、舞台系科目の教師だった私とは顔馴染である。楽しくも嬉しい再会となった。
かつて、教師と生徒という立場で出会った私と彼・彼女たちだが、今は創造活動を通して「自分だけが生み出せる世界」を実現しようとする者同士である。近い将来、一つのプロジェクトの基に集い、共に舞台作品を創造する仲間となること、そんな嬉しいことを夢想した一日となった。