劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

演劇教育を担う「もう一つの存在」

2008年03月19日 | 日本橋女学館高校
 3月18日(火)、日本橋女学館高校「演劇研究クラス第一期生卒業公演・中間発表会」があった。会場は、6月28日(土)に行われる「本発表」と同じ日本橋公会堂である。「中間発表会」といっても、美術・衣装・照明・音楽など「本発表」と同様の内容を目指したので、「第一次発表」といえるレベルの舞台となった。
 一般的にはやや贅沢な制作過程だが、「演劇研究クラス」としては何しろ初めての大イベントであり、学校サイドとしても堅実なアプローチをすることになった。また、前年の二学期からのカリキュラムが「卒業公演へ向けて」となっているため、10ヶ月ある期間の中間にもう一つ目標を立てる必要があった。実際、この「中間発表会」は、生徒たちのモチベーションを高めるには非常に役立ったといえる。
 さて、「中間発表会」は無事にそして成功裡に終えることができ、「観客役」を務めてくださった校長先生をはじめ教職員の方々からも高い評価を頂いた。二年前に「演劇研究クラス」立ち上げを任された者として、その重責の一端を果たせる目途が立ったことで、いま束の間の安堵感に浸っている。この「安堵感」の土台について改めて考えてみたい。
 演劇教育の現場を成立させるためには、学校サイドと指導教師との連携と信頼関係が不可欠である。カリキュラムの策定と実践には、校長・教頭・担任との協議、また、授業を行う教室・スタジオや発表の場としてのホールなど教育環境の整備と予算の執行については、法人事務局・事務室職員との相談が日常的に行われなければならない。日本橋女学館高校の場合、この学校サイドの理解と協力態勢が素晴らしく、指導教師としての「安堵感の土台」になっている。
 もう一つ、演劇教育の現場を成立させるためには、舞台監督をはじめとする専門スタッフの存在が欠かせない。作・演出・振付などは、私たち指導教師が担当するが、美術・照明・音楽・音響・映像記録の各セクションと劇場における進行責任者としての舞台監督および助手たちの参加がなければ、「卒業公演」に代表されるイベントは実施できない。私は「演劇ユニット 東京ドラマポケット」の代表を務めているが、今回協力してくれた14名のスタッフは、皆仲間である。この数ヶ月彼らと何度も打合せをし、プランを練り上げ、学校で行う練習に加わってもらい、指導してもらった。長年の付き合いがあり、無駄な神経を使わなくてもすむ有難い友人たちである。
 教育は行き着くところ、「人間」である。学校サイドに加えて、信頼厚い仲間たちが私の「安堵感の土台」であり、演劇教育を担う「もう一つの存在」であると言えると思う。

 *写真右上は、総練習を終えての「ダメ出し」。
  左上は、劇場への「搬入」。左下は、舞台での「仕込み」。
  右下は、発表会を終えて演劇研究室(スタジオ)に稽古用セットを組むスタッフたち。


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活動模様日記風摘録

2008年03月02日 | 随想
1月26日(土)                                 
午前/日本橋女学館高校
     「演劇研究クラス1年生授業」
午後/成城大学7号館
     「西洋比較演劇研究会・1月例会」
  夜/成城大学食堂
     「西洋比較演劇研究会・新年懇親会」
   →成城学園駅南口・K店「二次会」
2月2日(土)
夕方・夜/横浜駅西口・Tホテル1Fラウンジ
       「東京ドラマポケット本公演・脚本会議」   
        *佐野、演出部・装置・制作スタッフ参加
2月3日(日)
自宅「構成プラン第2稿」
2月6日(水)
午後/①日本橋公会堂「日本橋女学館高校卒業公演・技術打合せ」
        *佐野、舞台監督(H氏)、公会堂スタッフ。
   →②日本橋女学館高校「来年度完成新校舎ホール設計打合せ」
        *佐野、舞台機構技術顧問(H氏)、設計会社、
          本校事務部管理課長。
2月9日(土) 
午後/江東区森下・ベニサン・ピット舞台公演「空白に落ちた男」観劇
  夜/森下・M店「東京ドラマポケット本公演・話合い」
        *佐野、俳優I氏
2月10日(日)
夜/①文京シビックホール「日本舞踊発表会」
        *東京ドラマポケット参加女優K氏が出演、
          藤娘の抜粋を踊る。参加女優W氏と一緒に鑑賞。
  →②品川駅高輪口M店「本公演・話合い」
        *佐野、女優W氏
2月16日(土)
午後/①観世能楽堂「昭門会」
        *東京ドラマポケット公演・所作指導岡本房雄師の演能
          「忠度」参加スタッフと一緒に鑑賞。
   →②渋谷KM店「本公演・音楽打合せ」
        *佐野、参加スタッフ(作曲・指揮)I氏。
2月21日(木)  
夜/横浜西口Tホテル・ティーラウンジ「本公演・装置会議」
        *佐野、装置家A氏、舞台監督H氏。
2月23日(土) 
午前/日本橋女学館高校「演劇研究クラス学年末発表会」
        *指導:久保田先生、佐野
午後/①日本橋女学館高校「卒業公演使用劇中歌・声の録音収録」
        *指導:音楽MS氏、録音収録:S氏・MM氏
   →②日本橋公会堂「日本橋女学館高校卒業公演・音響打合せ」
        *佐野、音響(S氏)、公会堂スタッフ。
  夜/中野坂上・東京工芸大学芸術情報館
        *神奈川総合高校出身Kさんの卒業制作作品を
         MS氏と一緒に鑑賞。
2月24日(日) 
御茶ノ水・Yホテル「脚本全10景のうち、3景まで執筆」
2月28日(木)  
夜/新宿・DD店「本公演・制作会議」
        *制作スタッフ4名、制作アドヴァイザー、佐野。
         


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