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大会テーマは、「演劇の耳――声、音、音楽」。
慶應義塾大学で<戯曲における聴覚効果>を講義(映画演劇論Ⅲ)していることもあり、演劇ユニット 東京ドラマポケットで<音楽演劇>制作の渦中にもある、という巡り合わせが研究発表応募の動機になりました。
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さて、当日、研究発表Bグループ(M棟102教室)の司会者は、日本大学の熊谷保宏先生(写真右上)でした。先生とは「演劇と教育」研究会で長いお付き合いがあったので、リラックスして発表に臨むことができました。
発表のタイトルは、「戯曲にみる聴覚効果と音楽演劇の多層性」。
表題の通り、内容も、T.ウィリアムズ『欲望という名の電車』を対象にドラマの展開に重要な役割を担う聴覚効果とその多重表現を検証する、<音楽演劇>制作の実際を取り上げ演技と音楽とのポリフォニックな表現とその多層性について考察する、という構成です。
私は学者でも研究者でもないので、教育の現場・演劇制作の現場からのレポートという内容になりました。発表内容が二つに跨っていたので、『少し欲張りましたね』という声がある一方、
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ところで、この「全国大会」参加には、様々な研究に直接触れて刺激を受け演劇研究や実践の糧にすると共に全国から集まる参会者との交流を深めるという意義があるのですが、もう一つ、この機会にしかない楽しみもあるのです。それは、親しい演劇研究者と過ごす居酒屋での時間―。
東京で開かれる会の場合は、帰りの電車や明日の授業のことを念頭に置きながら語り合い飲まなければなりません。それに対して、関西など地方が会場の場合は、近くにホテルを取っていること、明日の仕事への心配が無いことなどで、精神的にゆったりできるのです。気持ちにゆとりが生まれ、心が開けば、本音も出ます。相手の人間性に触れることが出来ます。物の考え方を理解し合えるばかりでなく、お互いに人間的な親しみを感じることが出来るのです。今回も、私の研究発表(第一日目)終了の夜、大阪梅田の炉端焼きの店で、M大学のT教授と至福の時間を過ごすことになりました。T先生と親しくなったのは、冒頭に書いた7年前の「大会」の夜で、場所はやはり梅田だったのです。二人の記憶の底にその時の楽しさが生きていたのだと思います。
知人から知己へ、そして友人へ…。人間関係の広がりと深まりを与えてくれる機会、それがこの「大会」でもあるのでしょう。