学生時代、新刊書を購入する書店は、新宿・紀伊國屋、渋谷・大盛堂、横浜・有隣堂とほぼ決まっていたが、やがて、池袋西武東口・本のリブロもそれに加わった。演劇関連の専門書が比較的揃っているので、直接手にとってじっくりと品定めができるからだ。
じっくりといえば、近年通うことが多くなったのは、東京駅八重洲口近くの「八重洲ブックセンター」である。‘演劇関連’と一口に言っても、いざ公演活動となると、求めたい書籍の間口はグンと広がる。哲学・心理・歴史・社会・政治…、その芝居作りに必要と思われる分野全てにわたる。しかし、買える本の点数は限られているから、どうしてもこの本だけは!という対象に絞り込まなければならない。そこで、時間を掛けてじっくりと選書できる本屋があったら、願ったり叶ったりだ。書棚の前で、立ちっぱなしだったりしゃがみこんだりしないで、ゆったりと椅子に腰掛け、心ゆくまで本に目を通せる、そんな「選書コーナー」(写真左上)が、この書店の各フロアには設けられている。長時間読書して、本は買わないで帰ってしまう客もいるわけだから、考えてみれば『太っ腹~!』と声を掛けてもみたくなるのだ。
さて、大型書店にも在庫がない本や絶版本を読みたい場合、また、分野は絞られているのだがどんな書籍があるのかを知りたい場合や、そのテーマに関する資料(映像資料を含めて)を調べたい場合は、迷わず国立国会図書館(地下鉄・永田町駅下車/http://www.ndl.go.jp)へ直行する。
初めての場合は、その入口や建物(写真右)のいかめしさに戸惑うが、いったん中に入ってしまえば、広々とした館内と行き届いたサービスに大満足する。18歳以上なら誰でも利用できるのだ。分からないことは「受付」や「総合案内」で教えてくれるし、「人文総合情報室」のカウンターでは、著者は分かるが書名が不明な場合の相談などにも乗ってくれ、コンピュータに不慣れな人が検索する場合には、端末操作まで付き添ってくれる。貸し出しを受けた本は、広々としたテーブルで誰にも気兼ねなく、それこそじっくりと読み込むことができる。また、複写したい場合は、「複写カウンター」へ持参すれば低料金でサービスを受けられる。館内には食堂・売店もある。せっかく国立国会図書館へ来たのだから、時間に追われるようなあわただしい利用はもったいない。少なくとも半日がかりの日程を取り、ゆったりと落ち着いた気分で多くの書物に接する機会にしようと心がけている。
国会図書館より身近で利用しやすいのが、大学図書館である。私が講師を務めている慶応義塾図書館・新館(写真左下)もその一つである。国会図書館は日本一の蔵書量を誇る施設だが、閉架式なため、書庫へ入って図書を直接閲覧することはできない。しかし、大学図書館の場合は、端末で検索して図書が特定できれば、開架式なため書架へ赴いてその図書を見つけ、ついでに他の本も自分の目で選ぶことができる。さらに、「図書利用券」によって、一度に数冊の館外貸し出しも可能だ。私の場合、毎週通っている職場だから返却も容易なので、気軽に利用できるのが有難い。
私はいわゆる読書家ではない。現場の一演劇人に過ぎない。一本の芝居を生み出すために、知の宝庫、文化の殿堂の門をたたき、様々な本から教えを受けるのだ。これからも、必要に応じて書店や図書館巡りを続けることになる。
じっくりといえば、近年通うことが多くなったのは、東京駅八重洲口近くの「八重洲ブックセンター」である。‘演劇関連’と一口に言っても、いざ公演活動となると、求めたい書籍の間口はグンと広がる。哲学・心理・歴史・社会・政治…、その芝居作りに必要と思われる分野全てにわたる。しかし、買える本の点数は限られているから、どうしてもこの本だけは!という対象に絞り込まなければならない。そこで、時間を掛けてじっくりと選書できる本屋があったら、願ったり叶ったりだ。書棚の前で、立ちっぱなしだったりしゃがみこんだりしないで、ゆったりと椅子に腰掛け、心ゆくまで本に目を通せる、そんな「選書コーナー」(写真左上)が、この書店の各フロアには設けられている。長時間読書して、本は買わないで帰ってしまう客もいるわけだから、考えてみれば『太っ腹~!』と声を掛けてもみたくなるのだ。
さて、大型書店にも在庫がない本や絶版本を読みたい場合、また、分野は絞られているのだがどんな書籍があるのかを知りたい場合や、そのテーマに関する資料(映像資料を含めて)を調べたい場合は、迷わず国立国会図書館(地下鉄・永田町駅下車/http://www.ndl.go.jp)へ直行する。
初めての場合は、その入口や建物(写真右)のいかめしさに戸惑うが、いったん中に入ってしまえば、広々とした館内と行き届いたサービスに大満足する。18歳以上なら誰でも利用できるのだ。分からないことは「受付」や「総合案内」で教えてくれるし、「人文総合情報室」のカウンターでは、著者は分かるが書名が不明な場合の相談などにも乗ってくれ、コンピュータに不慣れな人が検索する場合には、端末操作まで付き添ってくれる。貸し出しを受けた本は、広々としたテーブルで誰にも気兼ねなく、それこそじっくりと読み込むことができる。また、複写したい場合は、「複写カウンター」へ持参すれば低料金でサービスを受けられる。館内には食堂・売店もある。せっかく国立国会図書館へ来たのだから、時間に追われるようなあわただしい利用はもったいない。少なくとも半日がかりの日程を取り、ゆったりと落ち着いた気分で多くの書物に接する機会にしようと心がけている。
国会図書館より身近で利用しやすいのが、大学図書館である。私が講師を務めている慶応義塾図書館・新館(写真左下)もその一つである。国会図書館は日本一の蔵書量を誇る施設だが、閉架式なため、書庫へ入って図書を直接閲覧することはできない。しかし、大学図書館の場合は、端末で検索して図書が特定できれば、開架式なため書架へ赴いてその図書を見つけ、ついでに他の本も自分の目で選ぶことができる。さらに、「図書利用券」によって、一度に数冊の館外貸し出しも可能だ。私の場合、毎週通っている職場だから返却も容易なので、気軽に利用できるのが有難い。
私はいわゆる読書家ではない。現場の一演劇人に過ぎない。一本の芝居を生み出すために、知の宝庫、文化の殿堂の門をたたき、様々な本から教えを受けるのだ。これからも、必要に応じて書店や図書館巡りを続けることになる。