劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

東京ミニオペラカンパニーと創作ミニオペラ公演③

2016年09月24日 | オペラ
2016年9月3日(土)午後5時30分、東京虎ノ門・JTアートホールアフィニス。
東京ミニオペラカンパニーvol.1「悲戀~ハムレットとオフィーリア(一幕)」開演。

 この創作ミニオペラ作品は、上演まで3年もの紆余曲折を経なければならなかったが、だからこそ、これ以上望むべくもない出演者とスタッフ体制を調えられたという点で幸運な誕生を迎えられたとも言える。台本作者としてプロデューサーとして満足と感謝の気持ちでいっぱいである。
無名の団体であり、産業界とのつながりもなく、一切の助成金を受けないとなれば、チケット収入を経費支出が大幅に上回ることは当初から明らかなことである。しかし、この上演に参加された皆さんの充実感を目の当たりにし、チケットを買って聴衆・観客となってくださった方々の好評に接すると、主催者として乾いた地面が恵みの雨に潤されるような思いになる。
 アンケートの一部を紹介する。

 ・一時間という短い時間の中で、こんな素晴らしい感動を味わいました。初演で終わってしまうのは本当にもったいないので、是非またどこかで…ありがとうございました。
 ・すばらしいピアノ演奏と響き渡る歌声に感動しました。歌だけでなく表情や動きで、ストーリーがよりリアルに伝わってきました。城の風景や花畑の様子がみえてきたような気がしました。ステキなオペラありがとうございました。
 ・これまで拝聴していたハムレットのオフィーリアのアリア“狂気の場”(作曲家アーンによる)とは違い、緑や花に囲まれるオフィーリアの姿をとても感じました。とても美しかったです。
 ・小さな会場だったので舞台との距離が近くて迫力があった。オペラ=イタリア語やドイツ語といったイメージが私の中で勝手にあったのでとても新鮮でおもしろかった。
 ・とても洗練された作品で、すばらしかったです。日本語であったためよく理解できました。すばらしい時間をすごしました。ありがとうございました。
 ・シェイクスピアの長い作品のエッセンスを的確にとらえ1時間にまとめたのはさすがとしか言いようがありません。曲もドラマチックでよかったです。もちろん歌唱も。ホレーシオと侍女ももっと歌ってくれたらもっとよかったです。
 ・斬新さにひかれます。
 ・全て初めての感動でした。

 作者としては、2007年・横浜で2008年・新宿で上演した「オフィーリアのかけら」を土台としたオペラ作品だったので、その主役を務めてくれた女優・甲斐田裕子(神奈川県立神奈川総合高校一期生)が会場に駆けつけてくれたのは嬉しかった。終演後のロビー。オペラでのオフィーリア役・宮部小牧さんとのツーショットは私だけでなく、女優、歌手としても記念になったにちがいない。
 ホール退館後、近くのレストランで「打ち上げ」が始まる。関係者にゲストも加わって食事を共にしはじける笑顔と語らいが続く。その日、集合写真をもって激動の一日が終わった。



コメント
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