劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

東京ドラマポケットの公演製作過程②

2012年04月15日 | 演劇
 vol.3「全体演劇 わがジャンヌ、わがお七」では、俳優12名・ダンサー8名が出演する。演出者と振付家が脚本および演出意図に基づき参加を呼びかけ、それに応えてくれたメンバーたちである。東京ドラマポケット公演の常連もいれば、初めての参加となる俳優もいるし、また、今回初めて舞踊の場面を設定したので、ダンサーたちと俳優たちとはもちろん初顔合わせの座組みとなる。
 3月10日(土)夜、稽古場で「出演者打合せ」が行われた。「全体顔合わせ」の前に、舞台に立つ者同士の交流と観客動員に関する意見交換をしておくことが目的だった。「演劇ユニット」といういわば期間限定の集団にとって、とりわけ出演者にとっては、お互いの顔や人柄を知っておくことは大切なのである。
 3月27日(火)夜、両国・劇場シアターΧ(カイ)での「劇場下見」が行われた。演出・舞台監督・美術・制作スタッフが参加した。TDPは設立以来、Dramaは底流に潜めTheatreを重視してきたので、演出プランと劇場空間とは不可分の関係にあった。したがって、使用劇場のスペース、舞台・照明設備、可動客席などについて、図面をもとに劇場舞台担当者と綿密な打合せが必要となる。また、演出者としては、劇場内の高さや奥行ばかりでなく内装や肌触りまで観てもらうことで、装置プラン作りを進めて欲しい狙いもある。さらに、制作サイドにおいては、楽屋まわりやロビーの点検をすることで、小屋入り後の役者への指示・観客誘導の動線をつかんでおく必要がある。
 4月2日(月)夜、日本橋公会堂集会室で「全体顔合わせ」が行われた。出演者たちの他に、演出・舞台監督・制作のいわゆる「上演三役」を中心としたスタッフ40名余が集合した。いよいよこの日から、関係者全員が一体となった公演活動のスタートが切られる。制作部が用意したプログラムにしたがって、代表挨拶・自己紹介・演出部および制作部からの説明と質疑応答・俳優による脚本の一部読み合わせが行われた。仕事の都合などで出席できなかったメンバーには、添付メールで資料が送信される。今後は、制作部は事務所を中心に、演出部と出演者は稽古場でそれぞれの活動を展開することになる。
 4月15日(日)午後、事務所の清掃・環境整備が実施された。水場(シンク)の取替え工事が終了したのを機に、制作部スタッフが集り作業に当たってくれた。馬込事務所は「オフィス兼ライブラリー兼サロン」として利用されている。来週からは、読み合わせ稽古がここで行われるため、代表兼演出者としてはたいへん有難い。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする