劇作家・文筆家│佐野語郎(さのごろう)

演劇・オペラ・文学活動に取り組む佐野語郎(さのごろう)の活動紹介

(続)馬込図書館主催・朗読講座の仕事

2015年10月12日 | 創作活動
 馬込図書館主催・朗読講座が無事終了した。9月26日・10月3日に引き続き、最終日を迎えた10月10日(土)は「小発表日」に当たっていた。
 前回同様の<配役>を再確認し、チームごとの練習に入る。小説『雨傘』チームA・B、童話『赤ずきんちゃん』チーム、戯曲『海に行く騎者(のりて)』チームに分かれた受講者たちは、熱のこもった練習を続け、時に講師の私に質問や助言を求める。予定の時間があっという間に来て、いよいよ<本番>となった。打合せ通り、図書館サイドによって、スタンドマイク・音響機器がセッティングされており、音出しの態勢も出来ている。
 各チームによる「小発表」は、見事だった。
 第一回目は発音・発語をはじめとする朗読の基本で終わり、各自が選択した作品の練習は二回目だけで、発表日までの間、自宅で自習できたかどうかだった。にもかかわらず、前回の読み方と比べると、格段に進歩していた。
イントロの音楽が入り、雨音が忍び寄るように聞こえてくると、『雨傘』が始まる。『赤ずきんちゃん』の場合は、森でさえずる小鳥の声。海岸に打ち寄せる波音が響いてくると『海に行く騎者』の世界が展開される。すべての発表が終わり、エンディングテーマが流れると、会場となった集会室の空気が変わっていた。自身が発表する緊張感、他チームの発表を聴く充実感、それらがこれまでの2回とはまったく異質の変化をもたらしたのだろう。
 当日見学された方を含めて23名の参加者は、新たな体験をされたに違いない。受講者アンケートに多くの喜びの声が寄せられていた。それは、この講座を用意周到に準備された館長・図書館職員の方の努力に負うところが多い。
 大田区が力を入れている「馬込文士村」のイメージ作りの一助となり、講座参加者および区民の皆さんが「朗読」に関心を深めてくださったら、担当講師としてこんな幸せなことはない。

 ・楽しかったです。声を皆で出し合うのはいいものですね。素晴らしい機会をありがとうございました。また、第2弾があったら参加します。大田区に住んでいる作家のものを朗読できると地域色が出てよいかもしれません。
 ・朗読の参加型の会は初めてでしたが新鮮な体験でした。体験による想像力、ひとを愛する気持ちなど伺って、朗読は深いものだと感じました。ただ読むだけでなく、声に出して読んでみようと思います。
 ・文学と言えば講読というのが通例ですが、今回の講座では思いがけない内容でしかも新しい出会いで感謝しています。舞台(観劇)にも時々出かけますが、今後は少し見る聞く目や耳が変わるだろうと思います。
 ・自分の声は聞こえないが皆さん素晴らしかった。
 ・先生の一語一語が勉強になりました。発表は緊張しました。
    ・雨傘は朗読のカセットが図書館にあるので何度か聞いたことがありました。今回の生の方が数倍感動がありました。


コメント
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