<休憩>後、客席のざわめきが収まったころマエストロが再び登場すると、待ちかねたかのように温かい拍手が送られた。第五場「山の神、恋に裁断を下す『三年目、雪女に戻るべし』」のタクトが振られる。
ヒトを逃がして命を救い ヒトを慕いお山を捨てる 掟破りは 許されぬ
わたしは 女 ゆきおんな 恋も命の 雪の精 恋の炎は 消せませぬ
命を懸けた妹の 恋の炎は消せませぬ 真の恋なら かなえてあげたい
山の神はこゆきと姉ふぶきの捨て身の訴えを前に、ついに裁断を下す。
お山と下界は別世界 雪女と里人は異なる命 別れる運命
人里降りて三年目 月が一夜で欠ける年 天空の満月が新月に変わる夜 里の女の姿は消えて もとの雪女に変わるべし その夜 こゆきは お山に戻る
雷鳴の響きで神の姿は消え、やがて合唱が浮かび上がって、第六場「こゆき、里女小夜になり 弥助と幸せな暮らしを送る」が歌われる。
舞台は大詰め<運命の夜>のクライマックスを迎える。よちよち歩き始めたわが子の手を引きながら登場する主人公。「眠らせ唄」を歌う姿に母の幸せがあふれるが、それもこぼれて消えてゆく。里女小夜となって弥助と結ばれはしたが、三年目「別れる運命」を迎えていたのだ。弥助も気づいていた、女房が実は雪女こゆきであることを。気づいていたが別れが怖くて言い出せなかったのだ。
嘆き葛藤する二人。追い詰められた中で、こゆきはつぶやく。そして歌う。弥助もその歌に唱和する。
掟は掟 運命は変えられない でも 心は心 掟に縛られない
心は 運命も動かせる
小夜は消える 運命だから こゆきはお山に帰る 掟だから
でも わたしと弥助は 別れない
こゆきの心に 弥助がいる 弥助の心に こゆきがいる
こゆきと弥助は 変わらず夫婦
運命を超えて 二人は結ばれる
里女小夜から再び雪女の姿に変わったこゆきと弥助は空間を超えて歌い合う。
弥助は命を懸けてお山へ来てくれた こゆきは命を懸けて人里へ来てくれた
嫁になれて 幸せだった 嫁にできて 幸せだった
いっしょに生きて幸せだった ふたりのいとし子
お願い 幸せに この手で 幸せに
お願い 必ず 必ず 幸せに
第七場「『三年目』が訪れ苦悩する二人 人里と山奥、運命を超え愛は貫かれる」はこうして終わり、第八場「人里に舞う雪 山奥にふぶく雪」の合唱が甦り終演となる。
カーテンコールとなった瞬間、『ブラボー!』の声と大きな拍手で会場全体が包まれた。
ソリスト、コーラス、マエストロ、オーケストラ、そして、作曲家と作者も舞台から聴衆の皆さんに黙礼して、無事に公演は幕を閉じることができた。

ヒトを逃がして命を救い ヒトを慕いお山を捨てる 掟破りは 許されぬ
わたしは 女 ゆきおんな 恋も命の 雪の精 恋の炎は 消せませぬ
命を懸けた妹の 恋の炎は消せませぬ 真の恋なら かなえてあげたい
山の神はこゆきと姉ふぶきの捨て身の訴えを前に、ついに裁断を下す。
お山と下界は別世界 雪女と里人は異なる命 別れる運命
人里降りて三年目 月が一夜で欠ける年 天空の満月が新月に変わる夜 里の女の姿は消えて もとの雪女に変わるべし その夜 こゆきは お山に戻る
雷鳴の響きで神の姿は消え、やがて合唱が浮かび上がって、第六場「こゆき、里女小夜になり 弥助と幸せな暮らしを送る」が歌われる。


掟は掟 運命は変えられない でも 心は心 掟に縛られない
心は 運命も動かせる
小夜は消える 運命だから こゆきはお山に帰る 掟だから
でも わたしと弥助は 別れない
こゆきの心に 弥助がいる 弥助の心に こゆきがいる
こゆきと弥助は 変わらず夫婦
運命を超えて 二人は結ばれる
里女小夜から再び雪女の姿に変わったこゆきと弥助は空間を超えて歌い合う。

弥助は命を懸けてお山へ来てくれた こゆきは命を懸けて人里へ来てくれた
嫁になれて 幸せだった 嫁にできて 幸せだった
いっしょに生きて幸せだった ふたりのいとし子
お願い 幸せに この手で 幸せに
お願い 必ず 必ず 幸せに
第七場「『三年目』が訪れ苦悩する二人 人里と山奥、運命を超え愛は貫かれる」はこうして終わり、第八場「人里に舞う雪 山奥にふぶく雪」の合唱が甦り終演となる。
カーテンコールとなった瞬間、『ブラボー!』の声と大きな拍手で会場全体が包まれた。

ソリスト、コーラス、マエストロ、オーケストラ、そして、作曲家と作者も舞台から聴衆の皆さんに黙礼して、無事に公演は幕を閉じることができた。