Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

鶴屋南北戯曲賞は、谷賢一さんの「1986年:メビウスの輪」

2020-01-17 | Weblog
第23回鶴屋南北戯曲賞は、谷賢一さんの「1986年:メビウスの輪」に決まった。

福島県石川町出身の谷さんが東京電力福島第1原発事故を題材にした「福島三部作」の、第2部。通し上演は6時間になる大作の、真ん中の部分に当たる。幸い私はこの「メビウスの輪」だけは観ている。『憲法くん』にも出演している、木下祐子さんが、出ている。
原発反対派の人間が、周りに流されて推進派に転じてしまう姿を描いており、私が過去に観た谷作品の中でも、もっとも野心的だったと思う。

谷賢一は初めて候補になっての、受賞のはずである。私は、この賞は、六回最終候補になって、やっといただいたのである。
ともあれ、四十歳以下でもっとも精力的な谷君だが、これからもっと多くの機会を得て、活躍するであろう。おめでとう。


もう四半世紀前、当時の光文社のシェラザード財団さんから劇作家協会へ支援の申し入れがあり、斎藤憐さんがこの賞の概要を考え、提案したのだ。新聞各社の記者が選ぶ、「実際の上演を観て選ぶ」ことを主眼とした、賞である。
初代選考委員の北川登園氏(読売新聞)と、光文文化財団初代事務局長の小泉満須男氏が、昨年末にお亡くなりになられた。
北川氏は私の『阿部定と睦夫』(2002)を絶賛してくださったことを、感謝している。
小泉さんには、本当にお世話になった。ずっと、支えていただいたし、励まされた。本当にありがたく思っている。
お二人のご冥福をお祈り致します。
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