Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「戦争を終わらせるため」の「大量殺戮」正当化は、ありえない

2024-05-09 | Weblog
ホロコーストの悲惨を体験したはずのユダヤ人たちの住むイスラエルが、ラファで前代未聞の殺戮をしようとしている。
 
イスラエルは、戦争で避難民となった100万人以上のパレスチナ人が滞在しているガザとエジプトの境界にあるラファ検問所を、「テロリストの目的に使用されている」と決めつけ、検問所のパレスチナ側を「作戦統制下」に置き、掌握したと発表した。ラファの検問所は援助物資の重要な入り口であり、唯一の出口である。国連人道問題調整事務所(UNOCHA)によると、イスラエルは国連職員の両検問所へのアクセスを拒否したと発表したらしい。水も食料も、病院での救命治療に必要な燃料も供給されなくなる。
検問所を制圧するために進駐してきた戦車はラファ市街地には入っておらず、銃撃戦はまだ市の境界外で行われているというが、イスラエルが激しい戦車砲撃を行っているようだ。
イスラエルのネタニヤフ首相は8日、同国でバーンズ米中央情報局(CIA)長官と会談し、イスラム組織ハマスが受け入れたパレスチナ自治区ガザ休戦案を拒否すると伝えている。
イスラエルはさらにラファへの大規模な攻撃を予告している。ハマスの戦闘員排除とインフラ破壊のための「限定的な」作戦を行うとして、現地の数万人のパレスチナ人に対し、ラファの東側から「拡大人道地域」に避難するよう指示を出したというが、安全な場所はどこにもない。「ハマスを殲滅させるまで、ラファでの活動をやめることはない」として、ハマスがエジプトとカタールによる停戦案を受け入れたことをはねつける決定だ。
ガザでは既に、イスラエルの軍事作戦で3万5千人が殺されたとされている。
  
アメリカのバイデン大統領は8日、イスラエルが米国製の爆弾を使って民間人を殺害していることを厳しく非難し、また、イスラエルに対し、人口密集地であるパレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファに侵攻した場合、武器や砲弾の供給を停止すると公に警告したという。
一方、オースティン米国防長官は8日、上院歳出委員会の小委員会の証言で、広島、長崎への原爆投下について、第2次世界大戦を終わらせるために必要だったとの見解を示したという。このやりとりは、米政府がパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの本格侵攻に対する懸念から、イスラエルへの大型爆弾輸出を停止したことを批判されたことから発され、「負けるわけにはいかない戦争で、イスラエルに必要なものを与えるべきだ」という上院議員の発言に応えた。
 
そして、ロシア国防省は6日、ウクライナ侵攻の拠点となっている南部軍管区で戦術核使用を想定した演習の準備を始めたと発表したという。ベラルーシ国防省は7日、核弾頭を搭載可能な弾道ミサイル「イスカンデル」等、自国に配備されたロシアの戦術核兵器の点検を行うと発表した。
 

「戦争を終わらせるため」に大量殺戮が正当化されるなどということは、筋が通るはずがない。前代未聞の殺戮は、止めなければならない。

 

写真は、アメリカ・ニューオリンズのホロコーストの記念碑。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 林英雄先生、ありがとうござ... | トップ | ウクライナとロシア、それぞ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事