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Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

伊藤詩織監督が望月衣塑子記者への提訴と西廣弁護士への紛議調停を取り下げる

2025-03-18 | Weblog
伊藤詩織監督が望月衣塑子記者への提訴と西廣弁護士への紛議調停を取り下げるという。
とりあえず、よかった。

しかし、今後、いろいろな人が納得できる説明が、できるのだろうか。
声明文で述べられている、伊藤監督ではなく、弁護団が主導した、ということであったにしても、それが全体の出来事の推移の言い訳になるとは思えない。

伊藤側弁護団は「望月氏の発信が事実に反することは明白」と言っている。これは著しく望月記者の名誉を損なうものではないか。映画に登場することを「同意していた人」もいたのかもしれないが、望月氏が指摘するように、「同意していない被写体」である人は、確実に存在していたのだ。

ともあれ、提訴問題が進行中である中で、伊藤監督の映画が順当に公開されるとは思われなかったので、とりあえず、映画の公開には近づいたのではないか。
伊藤側弁護団はもともと自己防衛的に、いろいろな指摘をする人に「上映を妨害する意図」があるという言い方をしていたが、そんな意図は誰にもなかったという印象がある。公開されるべきだと誰もが言い、それがこのままでは問題がある、だから困る、というその理由を指摘されていたのだということは、素直に理解できるはずなのだが。

伊藤側弁護団は「インターネットでは対立を煽る意見が散見され」というが、対立のきっかけを何度も重ねて作ったのが誰かは、明白だ。
西廣弁護士への紛議調停申立ては、同業者に対してということの意味はまた複雑なのだろうが、極めて悪意的で、西廣弁護士らが会見を重ねる以前に手を打っていなかったということが原因だということは、誰にも見えてしまうことなのである。

伊藤監督の映画が公開されるのは、当然そうあるべきことなので、そこには一歩進んだのである。

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土井敏邦監督 『津島 ―福島は語る・第二章―』

2025-03-18 | Weblog
土井敏邦監督の『津島  ―福島は語る・第二章―』を、ようやく観た。

福島県東部、阿武隈山系の山々に囲まれた人口約1400人の平穏な山村・浪江町津島。
福島第一原発から北西に30キロ離れた位置。
2011年3月11日の事故直後に大量の放射性物質が降り注ぎ、地域の大部分が「帰還困難区域」に指定された。「100年は帰れない」と言われ、現在も多くの住民が帰れずにいる。原発事故から12年経った2023年3月に「帰還困難区域」指定の一部解除があったが、他の大部分の区域が帰れるようになるとは思われない。

映画は主に、故郷を離れ10年以上を経た人々へのインタビューで構成されている。
極貧の開拓時代、地域の交流の豊かさ、年中行事や継承されてきた伝統文化、今は亡き家族や隣人との思い出……。自然と人間の豊かさに溢れている。
帰れないかもしれなくても、故郷は故郷なのである。

土井監督の証言ドキュメンタリーはクオリティーが高い。
開拓時代からの変遷は、三里塚とも通じるものを感じてしまう。
第三章 “共同体” から出てくる女性とその関連の話が、とても印象的である。
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