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Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

東アジア反日武装戦線・桐島聡を描く映画 『逃走』

2025-03-15 | Weblog
映画 『逃走』。
本日公開。
なるべく早く感想をアップしたかったのだが、今日になってしまった。

東アジア反日武装戦線・桐島聡を描く本作を、元日本赤軍メンバーである足立正生監督が作った。因縁というか、因果は巡るというか。足立監督自身の自問自答という内容にもなっている。
どちらかというと観念的参加者である二十一歳の桐島青年(杉田雷麟)の潜伏スタートと、その最期から遡ってゆく視点(古館寛治)が交差する。
青年期の生と、死から自身を振り返る者。二人が擦れ違うシーンが、この映画の中心だろう。
もちろん抽象的な場面だが、他の部分も含めて、観念的すぎたりわかりにくかったりするところは、ない。
潜伏生活を重ね、末期がんと診断され、病院のベッドで生死の狭間をさまよう古館の桐島は、やはり高年齢の俳優が演じたことの良さはある
ともあれ、話題になってほしい映画である。もちろん、遅れて来た世代である私よりもさらに若い世代にも、このような事実、このような人生があったことを、知ってほしいのだ。

〈東アジア反日武装戦線〉については、「東アジア反日武装戦線の五〇年を考える連続講座」で、講演したばかりであるが、部分的には現在発売中の〈テアトロ〉3月号にも記している。

同じ題材の、梶原亜貴脚本・高橋伴明監督『桐島です』の情報がもう少し露出してから、また、あらためて、感想を言おうと思う。

私は三十年前、やはり〈反日武装戦線〉を背景にした戯曲『火の起源』を青年座に書き下ろしている。


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アカデミー賞受賞の 『ANORA アノーラ』

2025-03-15 | Weblog
今年の本家アカデミー賞受賞作『ANORA アノーラ』。

ショーン・ベイカー監督は、ジョン・カサベテスとはまた違ったセミメジャー系インディーズ派である。町の魅力が自然に写し出されている。
セックス描写が多いがインティマシー・コーディネーターを入れなかったことでも話題になっている。
カップル客の皆さんは、ちょっと思ってたのと違う、という反応みたいである。
アカデミー賞6部門で候補になり5部門受賞、受賞を逃したのは助演男優賞のユーリー・ボリソフで、フィンランドのユホ・クオスマネン監督『コンパートメント No.6』の人である。路線が前作とちょっと似てしまっているような。ロシアのオリガルヒがアメリカで豪遊する姿は、現在の米露関係の写し絵でもある。

ラストの解釈はさまざまに言われているようだが、私の解釈は他の誰とも違う。ここには記さない。

ここしばらく映画の感想も記していないが、忘れないうちに幾つか記すことにする。
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