Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

チェルフィッチュ『地面と床』

2013-12-17 | Weblog
神奈川芸術劇場でチェルフィッチュ・岡田利規の最新作『地面と床』を観る。たいへん刺激的な舞台だ。
「能」の仕組みを入れた現代劇ということでは、極めて果敢な挑戦が為されているし、彼らのこれまでの方法論をそこに向かわせた結果は、うまくいっていると思う。
言語の死、あるいは「伝わらない」ことが「死」に等しいこと、そして、幽霊と「幽霊のような人間」に差異はあるか否か、禅問答というかトートロジーなのだが、私たちが「言語」であり「存在認識」を持ったことで「亡霊」として存在せざるを得ない、という観点は、私がふだん考えていることでもあるので、共感するところ多である。
海外公演経験を多く積んできたことから「字幕」を積極的に、批評的に使用していることも、彼らならではだろう。
美術(二村周作)は、上手にあるモノを置いたことで、「能」の仕組みを自分たちなりに消化することを保証している。
そして、ユーモアである。何度も大笑いした。周りが静かなのが不思議だった。
「音楽劇」ということだが、ずっと「録音された音楽」がかかりっぱなしであるということが、若干、主旨とは矛盾する気もする。もちろんそれも確信犯なのであろう。
コメント
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