Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

与党の方針に反することを「テロ」と呼ぶらしい

2013-12-01 | Weblog
「沖縄など」と題した自民党石破茂幹事長のブログが波紋を呼んでいる。
そもそも沖縄のことは「など」と無造作に並べられる問題ではない。「沖縄における厳しい世論」を巻き起こした「沖縄への押しつけ」の張本人が、ぬけぬけと「沖縄でなくても負うことのできる負担は日本全体で引き受けなくてはならないのです」と、本人の本心とは真逆のことを言う。
沖縄県・尖閣諸島が組み込まれている「中国の東シナ海における防空識別圏の設定」について、「やはり沖縄が果たす抑止力を重視しなくてはなりません」と言い放つが、そもそも尖閣問題については、沖縄に米軍が駐留する件について国益だの防衛の必要だのを言ってきたわけだが、中国・アメリカ間の日本を介入させない「頭越し外交」下において、沖縄が何の「抑止力」になっているのか。アメリカは「中国に飛行ルートを提出してもいい」と自国の航空会社に指示、間接的に「中国の防空識別圏の設定」を許容しているではないか。小野寺防衛相は「日本とアメリカの基本姿勢にズレがない」というが、そんなことない。米政府の発表が日本政府には「寝耳に水」であったことは明白だ。「はしごを外された」という本音も出てきている。
日本政府は「抑止力」以前に「外交的に無力」なのであり、米軍をあてにし沖縄を生け贄に差し出した「防衛」の妄想は、まったくアメリカ側に相手にもされていないのだということが、より明白になった。このあたり、報道はきちんと強調してくれないと困る。
そもそも米軍海兵隊沖縄駐留は、不安に駆られた日本政府が「アメリカのためにできることはしてあげている」という自己満足のアリバイづくりの歴史であり、お荷物の海兵隊を縮小したいアメリカにとっても、「無意味」なのである。
一方、自衛隊のイベントでオスプレイが一般に展示され、「一般市民」がみんな嬉しそうに写真を撮っている報道を見るにつけ、戦争の悲惨を忘れたあまりにも鈍感な国民の愚かさも、否定できない。
石破のブログは次のように締めくくられる。
「今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます。」
これはほとんど、犯罪者の開き直りである。
石破は、憲法21条に「集会・結社・表現の自由」として保障されているデモや抗議行動を、「テロとあまり変わらない」という。
「主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべき」というが、そうしてきた「民の声」の広がりを、彼はまさに「なかったこと」にしようとしている。共同通信の調査によると、特定秘密保護法案への反対は半数を超えている。慎重審議を求める意見は、82・7%に達しているのだ。九万件寄せられたパブコメのコメントの八割は反対。圧倒的多数が特定機密保護法が民主主義を壊すものだと訴えている。
そして沖縄の話に戻れば、「民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げる」努力をしてきた「普天間県外移設」への県民の努力の積み上げを憎み恫喝によって沖縄の人たちを「分断」したのが、石破たちである。その横暴を、私たちは忘れない。
特定機密保護法案の「テロ」規定の危険さについては、三日前のブログに記したとおり。「『知らせない義務』は『知る権利』に優先する」(『中央公論』2012年8月号)と公言してきた石破の今回の発言は、明確に、「民主主義に対する宣戦布告」である。自分の立場を利用した「デマの宣伝」であり、人間の自由と平等の根本に対する否定である。ただちに辞職すべきだ。
コメント (1)
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国際演劇協会(ITI)による、特定秘密保護法案に慎重な審議を要求する緊急アピール

2013-12-01 | Weblog
公益社団法人・国際演劇協会日本センターは、26日に衆議院本会議で可決された特定秘密保護法案について、以下のような意見を表明した。
主体は、当初「理事有志」を考えていたが、回答した、私を含めた理事の多くから、団体名での意見表明がよいという意見が出て、「理事有志」ではなく、団体としての意見表明となった。
内容は以下の通り。


[緊急アピール]
特定秘密保護法案に慎重な審議を要求します

特定秘密保護法案に慎重な審議を要求します。
今国会で審議中の特定秘密保護法案は、日本国憲法で規定された国民の基本的人権を脅かし、民主主義の根幹を揺るがす懼れがあります。
私たちは、慎重な審議を要求します。

平成25年11月29日
公益社団法人 国際演劇協会日本センター
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