サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

宿なしゴッコ

2024年06月01日 | サカタだよ

2020年に新型コロナウイルス感染症が蔓延して外出の自粛要請(矛盾)が出た当初は、かえってゴーストタウンのようになった地方都市を自主的にパトロールして回るのが楽しみだったのに、やがて利権に塗れた「Go To Travel キャンペーン」(変な英語)でどの地方にも観光客の姿が目立つようになったら、人が少ない場所に行きたくて低山歩きをボチボチはじめた。しかし猛暑にすぐ懲りて2000mぐらいありそうな山々を涼しさ目当てに登頂して回るようになった。それが2021年とか、2022年とかそれぐらい。

身軽なほうがいいので自前ではテントを持たず、たまに同行者が張ってくれたテントに転がり込むぐらいで、あとは山小屋に泊まったり麓のビジネスホテルに泊まったりしつつ気楽な山歩きを楽しんでいた。しかし2023年、とうとう安いテントを購入。フツー数万円は覚悟しなきゃ、まともなテントは買えないが、数千円で使えそうなのがあったので試しに買ってみた。ダブルウォールで自立する2人用テント。これで、いつでも宿なしゴッコが楽しめる!

そうこうするうち寒くなってきたのでテントは家で張るだけにして、春になるまで外でキャンプはお預け……とか思ってたら、正月に能登で震災が起きて、政府の支援が後手に回る(というより被災地を放置してる)のを見るにつけ、宿なしゴッコなんて悠長なことは言ってられない気分になった。グラっときたらすぐ避難できるように、古着屋に4000円で吊るしてあった容量40L+10の程よいバックパックを買い求め、それなりの防災装備を詰め込んだ。

災害は猫や死神、あるいは女性のようなもので、くるくると身構えているとこない。能登のあとも、あっちやこっちで地震があったのに東京はなぜか無傷のまま春の訪れを迎えた。そろそろ予行演習をかねて野宿してみても構わないのではないか。これは行楽ではなく、いざというときの備えなのだから。誰にともなく、そんな言い訳をつぶやきながら4月・5月は自主的な演習に励んだ。石ころでペグ打ちをすると、写真のように中途半端な感じになりがち。実地で訓練したら、そんな気づきも得られて、帰りに百円ショップでヘッドがゴムのハンマーを買って次の機会に試したり。

しっかりペグ打ちをして安テントの設営が済んだら、あとは基本的にゴロゴロするだけ。平和だな……この平和がいつまで保つか危ぶみ、危機に備える動機で防災装備を持ち出し、試しに使ってみてるだけなのだが案外のんびり寛げる。周囲では子供たちが全力ではしゃぎ回ったり、家族連れがバドミントンに興じたり、グループでBBQしたりと豊かな時間を過ごしているが、自分はあくまで防災ゴッコ。もしくは宿なしゴッコというか、ONE NIGHT HOMELESS……FUN, FUN ♪   というわけなので地味に引きこもる。

お腹が空いたら、ストックローテーションを兼ねて自宅から持ってきた賞味期限が近いミネラルウォーターを携帯コンロで沸かし、長期保存食のフリーズドライ飯を湯でもどす。それだけじゃ味気ないことが経験でわかっているので、なんでもいいから味の濃いタンパク質の缶詰を開けてフリーズドライ飯にぶっこみ、汁ごと混ぜ混ぜして猫まんまにするとジャンクな満足度が増し増し。たまにやるのは構わないけど、毎日これだと栄養が偏りそう。というか高血圧になるんじゃなかろうか?

いってるそばから塩分の多そうな缶詰をもうひとつ開けて、携帯コンロの残り火があるかぎり温めて口に運ぶ。ストックローテーションうまし。猫がいたら呼んでないのに寄ってきて缶詰よこせとうるさいはずだが、そうか猫はここにはいないのか。学歴詐称の小池百合子は犬猫の殺処分ゼロを公約に掲げて都知事になったが、集計の基準を変えて公約実現を捏造したこと卒業証書の捏造が如し。うちの猫はちょっと出かけたときに捕獲され殺処分されたものと思われる。

お腹が満たされたら、また横になってKindleで書見でも致すのみ。そのうちに、うとうとして眠ってしまい、気づくとすっかり日が暮れていたり……はてな、ここで何してたんだっけ? 真っ暗になってみると、Kindleの液晶画面の光がけっこうテント内を照らすので、ヘッドライトと予備の百均ペンライトが防災装備に入ってるんだけど使わなくても宿なしゴッコぐらい事足りる。モバイルバッテリーもソーラー充電器もあるから携帯機器(スマホ、Kindle、Walkman……)は食料や水より保つかも。

伯夷叔斉は周の粟を食わず。そこまで徹底して餓死するほどの覚悟はないけど近頃はジェノサイドのエルサレム企業とか、問題ある経営者の企業とかの製品をできるだけ買わないようにしてるもんで、あらためて史記の列伝で伯夷叔斉のことを読んだり。太史公曰くの考察には、なにげなく司馬遷の伯夷叔斉disりが盛ってあるようだが、自分だって宮刑(ちんちん切除)になるくらい意地を通して節を曲げなかったじゃないかと暗闇でツッコミを入れてもひとり。

キャンプ場は9時消灯だったりするのだが、それ以降もけっこう騒がしい。デジタル機器(Walkman)で音楽を聴きながら、引きこもってKindleで古典をちょっとずつ読むのは至福。0時を回ると、さすがに静まりかえる。どっこいしょとトイレに用を足しに行き、戻ってまんじりともしないでいるうちに、またいつのまにか寝てしまうのがパターンだ。暗いうちは静かでも、日が昇る頃には鳥たちが何かしゃべってる。それも日が高くなると収まる。あのおしゃべりは何なんだろう。起きて朝食後テント畳んで帰るだけ。

畳んでもそれなりの大きさがあり、もっと小さくならないもんかと思ってたところ、フライシートなしのシングルウォールのツェルトがセールに出ていた。ツェルトといってもポールで自立するので、ほぼテントだし、ポールが少し長いから張ると容積がテントより大きい。畳んだ状態はコンパクトで軽い。過酷な環境でなければ、これでいいのではないかと購入してしまった。なーにをやってんだか。

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