サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

なかった2021

2021年06月01日 | サカタだよ

招致したころ復興五輪だった東京大会が、いつのまにやら人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証としての五輪ということになり、しれっと世界の団結の象徴としての五輪にすり替わりそうだったけれど、復興も打ち勝った証も団結もなかった。あったのは、不幸と打ち負かされた証と分断だった。

どこかに大切なものを失くした気がして、落ちてそうなところを探して回るようになり、なんとなくこのへんにあるような胸騒ぎがしたので、なぜそうなのか考えてみたけど理由などなかった。そのうちに胸騒ぎも失われた。

きっと、オムライスの内部のケチャップごはんを味わえば大切な思い出が取り戻せるんじゃないかと期待しつつ完食したけど、そんな思い出なかった。渦巻きのような皿の溝で目が回るだけだった。

見える。自分にも光が見えるぞ……この感覚は、もしかして長いこと探し求めた何かに通じる道なのではと思い当たり、もっと光を! もっと光を! と目を凝らしてよく見ようとした途端、そんな光どこにも感じられなくなった。ただの見すぼらしい花壇だった。

酒に酔うと発動することがある私のスタンド、その名も「グローリー・サティスファクション」は、地球の重力に縛られた魂を解き放つ能力……それを取り戻そうと本日はn杯も満寿泉をあおったのに、とうとうスタンドが出てこなかった。(ただしnは自然数とする)

スマホをルーペで見ている老人がいたので、わざわざ席を立って画面のほうを拡大する簡単な方法を教えてあげた。不要不急の県をまたぐ阿呆列車でひとつ、いいことができた。コロナでぼくが地獄に落ちても天からスマホの大画面がするする下りてきてエンタメが提供される妄想を膨らませたけど、そんなことあるはずなかった。

阿呆列車を降りた駅で、接続する便がなくて2時間ほと待ちぼうけていたら、既視感のある光が差し込んできて胸が苦しくなった。これが噂にきく新型コロナウイルスの攻撃か? このまま味覚と嗅覚を失うのか! どこか恍惚としながら不安に苛まれ、やがて到着した列車で運ばれた街のモールに設置してあるA I体温計でピッてやると熱なかったし、味覚異常も嗅覚異常もなかった。何を食べても、しみじみと美味しいだけだった。懸念されたウイルスの脅威はなかった。

2020年も2021年も、いいことが何もないので、もしかしたらギャンブル運がかなりキャリーオーバーしてるのではないかと競輪場にきてみた。そんなキャリーオーバーなかった。損して帰った。もしや次こそは?

そんなわけで競艇場にきてみた。運気のバイオリズムはもう上がるしかない!ゆえに強気で勝負をかけたが、そんな運気のバイオリズムなかった。また損して帰った。しかし次こそは?

炭鉱で働いてた頃の写真が出てきた。あの頃は景気がよかった。故郷で田んぼやるより何倍も収入がよくてカラーテレビも電気冷蔵庫も洗濯機も買えた。どこで人生を間違えたんだろう? どこからやりなおしたらいいのか振り返ろうと試みても、そんな人生なかった。

コーヒーで一息入れることにした。NO  SMOKING の赤いところが色あせてしまって、たばこ吸える場所みたいになっちゃってる。どれどれ一服かますかとポケットを探ってみたけど、たばこを持ち歩いた経験なかった。

 

関連記事:   ニューなかった

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする