昔、あるところに、お坊ちゃんとお嬢ちゃんがいました。お坊ちゃんはホテルへお花見に、
お嬢ちゃんもホテルへお花見に行きました。そこへパンケーキがどんぶらこ、どんぶらこ。
どこからともなく流れてきました。お坊ちゃんとお嬢ちゃんは何をしても世間に批判され、
お嬢ちゃんはともかくお坊ちゃんは何もかも嫌になったので「誰か身代わりはいないかな」
と、いつも目を泳がせていたのでパンケーキに気づき、お嬢ちゃんと一緒に割りました。
するとパンケーキの中から、元気のないおじさんが出てきました。「パンケーキおじさん」
と名づけて、人気が出るようにパンケーキを食べさせました。つまらない顔でパンケーキを
食べて大きくなったおじさんは少し人気が出たので、お坊ちゃんとお嬢ちゃんの尻ぬぐいを
買って出ました。パンケーキさえ与えれば、どんなやつでも釣れると勘違いしたおじさんは
家来を集めるためにパンケーキをたくさん用意しました。
おじさんは冷たい目でイヌ、サル、キジに「パンケーキやるから家来になれ」と命じました。
イヌ、サル、キジにそっぽを向かれたので仕方なく、記者、記者、記者を土曜日の朝に集めて
「パンケーキ食って下僕になれ」と命じました。「毒まんじゅう」ならぬ「毒パンケーキ」を
食ってしまった記者たちは「何でも言う通り書きます」とパンケーキおじさんに誓いました。
パンケーキおじさんの濁った目が鈍く光りました。
「日本一の日本会議に逆らう、日本学術会議のけしからん学者退治じゃ!それ書け書きまくれ」
パンケーキおじさんが下僕の記者たちに号令をかけると、毒パンケーキを食らった記者が一斉に
かわいくないパンケーキおじさんを「かわいい」と持ち上げ、悪さをしていない日本学術会議を
こっぴどく誹謗中傷しました。デマを流して真実を隠蔽するのは記者の仕事なので、パンケーキ
おじさんは「毒パンケーキをもっと食わせてお坊ちゃんとお嬢ちゃんの悪事を闇に葬り去ろう」
と濁った目を鈍く光らせ、乾いた笑みを浮かべましたとさ。
つ づ く
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