銀座３丁目から

透けて見えているシルエットは何を隠そうサカタだよ。これはいま出ちゃってるクロワッサン片づけ特集
の取材で夏に訪ねたお宅で見せてもらった、秘蔵マガジンハウス雑誌Ｔシャツです。半袖で丈が長くて、
「寝間着にちょうどいいけど畏れ多いから寝間着にしないで大事にとっておいた」という話でしたけれど
雑誌のラインナップからして平成元年ないし１９９０年代はじめ頃のノベルティでしょうか？　「５００円で
買いました」という証言があるので、驚異の売り物だったのかも……誰が買うんだと思ったら、目の前に
買った人がいて１粒で２度びっくり。四半世紀の時を超えた出会いです。



もうない雑誌が半分以上ですね。オリーブ、クリーク、銀座３丁目から、自由時間、HanakoWEST、ダカーポ、
鳩よ！　ガリバー……このあとコミックアレ！　ピンク、楽、リラックス、マッツ、ボアオ……みんななくなった。
忘れてるだけで、まだ他にもあるのかもしれません。なくなった雑誌が。



入社試験のときは、ダカーポやりたいって面接で話した記憶があるんですけど、とうとうダカーポやらないで
アンアン、ターザン、Hanako、クロワッサンで終わってしまいましたね。まだ終わってないか……結局どこが
いちばん向いてたんでしょうか。レストランに例えるとホテルのブッフェなんて、ひどいことを言われたことも
あるサカタだよ。どこでもそれなりに何でもやってますけども、撮影よりも原稿書きが好きだから勢い余って
ブログ書いちゃってるこの感じ、いまにして思えばやっぱりダカーポ向きだったのでは？ 初心を忘れたまま
会社生活二十ウン年、いまさら思い出しても何にもなりませんが、きっと人生そんなもの。



せめてマガジンハウスの雑誌Ｔシャツを着たとき、ど根性ガエルのぴょん吉みたいにマガジンハウスの雑誌が
みんなしゃべりだしてドッコイ生きてるシャツの中、泣いて笑って喧嘩できたら楽しいのに。そう思ったので一度
着てみましたが、想像したようなことは何も起こりませんでした。


次回は「インドの山奥で」をお届けします。