サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

のうり?

2013年10月30日 | サカタだよ
入社して20年になりますけれども、最初2年ちかく製作部というところにいたんですよ。そこは
いわゆる発注部署で製紙会社の代理店に紙を注文したり、印刷会社に印刷を注文したり、製本
会社に製本を注文したり、基本的にルーティンワークでトラブルがないのをよしとする管理部門
なんですが、当時は雑誌に化粧品などのサンプルをつけるサンプル広告が大流行りで、通常の
ラインにのらない工作をした雑誌をトラブルなく出荷できるように、ほんの少しがんばりました。



入社2年目の12月にアンアンに異動することになったとき、製作部のおじさん(…といったら悪い
けど実名を出すのも何なので…)にいわれたのが、「サカタさんはのうりだから、どこにいったって
ちゃんとやることやるから心配ないよ」という言葉で、のうりというのがわからなくて、「何ですか?
のうりって」と聞いたら、有能な官吏のことを能吏というそうで、内心がっかりしました。



これから編集部に異動というとき、いろいろ面白いことやるぞ! と根拠もなく自信に溢れている
ときに、「あなたは役人タイプですよ」といわれて喜ぶ若者がいるでしょうか……いえ、いません。
己の身の丈も知らず、だれもやろうとしなかったような、あっとおどろく斬新かつ独創的なことが
やりたくて会社に入った気持ち、当時まだ覚えていましたから、能吏とか迷惑。



アンアンで馬車馬のように働いて5年ぐらいたったころ、そのおじさんが退職する間際に、内線か
メールで「サカタさん、ちょっとお時間いいですか」と呼び出されて、また「サカタさんはのうりだから
仕事のことは心配してないけど、くれぐれもお体に気をつけてください。あまり食べ過ぎないように」
といった言葉をかけられ、若者をつかまえて「お体に気をつけて」はアベコベのような気がしたのと、
のうりも2度目なので少しは上手にうけとめたいと思いました。



それから十ウン年たち、いつかターザンにやってきて、気づけばお体のことばかり扱っているので
わが身の養生も少しは考えるようになりましたが、厄年を越えるころから、能吏が脳裏をかすめる
機会が増えています。



どうも自分は独創性を発揮するより、すでにあるものを組み合わせて新しそうに見せたり、前より
うまく伝えるにはどうしたらいいか考えて実行するほうが性に合っているし、ふと周囲を見回したら
他人よりも進行がいつも安定しているから、能吏かどうかはともかくとして、天才肌ではないことが
やっとこの歳になってわかってきました。(遅すぎる……)



実効性のない奇想天外なアイデアを出したり、ムチャをやってドロナワでページ作ったりするのに
憧れる気持ちはいまでも強いとはいえ、ぼくのやりかたはそういうことじゃないんだな~と、気づく
のに20年かかりました。


 のう
コメント (2)
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