スタジオはコーヒーが飲めていいなあ。
昔は編集部にもコーヒーメーカーがあって、仕事しながら好きなときにコーヒーが飲めたけど、
2008年の初夏だったかな? まだリーマンショックが来るまえだったのに、節約のためといって
カメラデスクの当時のキャップがコーヒーメーカー撤去したんだよね。
「ロッカールーム」の連載が続いていたら絶対ネタにしたはず。いまの編集長に交代した2008年の
初春に「ロッカールーム」が連載終了して、直後だったよ。コーヒーメーカーが撤去されたのは。
同時にミネラルウォーターのサーバーも撤去された。水の供給を絶たれて、コーヒーも奪われて、
いい職場だと言われてもね。
名刺の外注が廃止になって、社内のカラーコピー機で作ることになったのって、いつだったっけ?
まだまだリーマンショックは来ていなかったと思う。スタジオの売却も、福利厚生施設の売却も、
例のアメリカ第4位の投資銀行が経営破綻するまえだった。
残業深夜帰宅のタクシー利用が原則として禁止になったのって、リーマンショックの後だったかな?
飲食費の精算が、「緊急避難」としてギュッと絞られることになったのは、2009年1月だったね。
定期昇給の凍結、社会保険の自己負担率アップ、早期退職者の募集、給与の一律カットなんかは
どれもこれも、リーマンショック後の状況を理由に行われることになった。
以上、そのうち忘れてしまうから記憶を整理してみました。いつものように「ですます調」で書くと
なんだか湿っぽくなっちゃうから、フランクに書いてみたよ。
禍福はあざなえる縄のごとし、といっていいのか悪いのか・・・・・・。今年の春に早期退職した元社員が、
ターザン編集部にコーヒーメーカーを寄贈してくれた。2年ぶりにコーヒー飲みながら働ける!
このありがたさ、筆舌に尽くしがたし。
でもね、しばらくしたらコーヒー豆が、底をついてしまって。
バイトくんの書いた貼り紙が、悲しくてやりきれない。
悲しくて悲しくて、とてもやりきれない。このやるせないモヤモヤを、だれかに告げようか。
この限りないむなしさの、救いはないだろうか。
この燃えたぎる苦しさは、明日も続くのか。
・・・・・・思い余って、ある日コーヒーの粉を買ってきて、バイトくんにあずけた。過去2年の間に、
スターバックスやドトールやタリーズやスワンカフェでコーヒーを買う習慣がついているから、
そのことはしばらく忘れていた。
ある日、買ってきたコーヒーを飲んでしまい、校正待ちか何かでとっても手持ち無沙汰になって
「そうだ!トシリュ-(元社員)さんのコーヒーメーカーがあるじゃないか!」と喜び勇んで
装置に紙コップを置くと、変な貼り紙が目に入った。
「坂田さんがコーヒーの粉を寄付して下さいました。ありがとうございます」
貼り紙が悲しくて粉をあずけたら、よけい悲しい感じで、サカタはコケた。