われわれ凡人が「ほんとうにしたいこと」や「自分の天職」で勘違いすることはまず不可避である、と。そう申し上げてよろしいかと思います。そんな「内面の声」に耳を傾ける暇があったら、まわりの人からの「これ、やって」というリクエストににこやかに応じたほうがいい。たいていの場合、自分の能力適正についての自己評価よりは、まわりの人の外部評価のほうが正確なんです。「これ、やって」というのは「あなたの例外的な潜在能力はこの分野で発揮される」という先行判断を含意しています。そういう言葉には素直に従ったほうがいい。
内田樹『街場のメディア論』光文社(光文社新書)、2010年、27頁。
まわりの人からの「これ、やって」にしたがって生きて今に至る。
自分の才能は、自分ではなく他人が決めることだと思っている。逆に言えば、人が私に「これ、やって」と言わなくなった日、私の才能は終わったということかもしれない。それはそれで来る日に新たな能力が育っているのかもしれない。
内田樹『街場のメディア論』光文社(光文社新書)、2010年、27頁。
まわりの人からの「これ、やって」にしたがって生きて今に至る。
自分の才能は、自分ではなく他人が決めることだと思っている。逆に言えば、人が私に「これ、やって」と言わなくなった日、私の才能は終わったということかもしれない。それはそれで来る日に新たな能力が育っているのかもしれない。