A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記820 『現代思想 2013年12月号』

2013-11-30 23:24:06 | 書物
タイトル:現代思想 2013年12月号 特集=現代思想の論点21
編集人:栗原一樹
表紙・扉 デザイン:桂川潤
作品:久里洋二
発行:東京 : 青土社
発行日:2013.12
形態:238p ; 23cm
内容:
「センス・オブ・イノセンス440」古川タク
■連載――科学者の散歩道 第二回「災害実感力の喪失」佐藤文隆
■連載――依存症をめぐる臨床 第一二回「ケアと共依存」信田さよ子
■連載――家族・性・市場 第九六回「『造反有理』はでたが、病院化の謎は残る」立岩真也

特集=現代思想の論点21
  
【討議】
「変化の手前にある現在 二〇一三年の時代経験」小熊英二+菅原琢+韓東賢
【現代を見る】
「加速する集団化と匿名の憎悪」森達也
「レジスタンスの時代に」想田和弘
「この社会にもう残侠伝は生まれない」青木理
「「戦後レジーム/永続敗戦レジーム」からの脱却」白井聡
「帝国の喪失と引きこもりの国民主義」酒井直樹

【論点21】
東アジア「東アジアをいかに考えるか」孫歌
ヘイトスピーチ「幻想が生む現実の暴力」安田浩一
消費税「現代税制の転換点」諸富徹
アベノミクス「アベノミクス論に欠けている視点を問う」本山美彦
憲法改正「改憲問題を考える視点」愛敬浩二
TPP「主権と自治の危機」岡田知弘
教育「ブラックバイト・全身就活・貧困ビジネスとしての奨学金」大内裕和
原発「福島第一原発の汚染水問題」吉岡斉
民主主義「二〇一三年の民主主義」木下ちがや
ビッグデータ「ビッグデータ以降における思想の社会実装について」ドミニク・チェン
婚外子「「婚外子裁判」と民法改正」二宮周平
機密漏洩「国家による監視と内部告発」和田伸一郎
社会保障「社会保障の論点」伊藤周平
保育「「保活」する社会」普光院亜紀
出生前診断「新出生前検査をめぐって考えておきたいこと」柘植あづみ
集団的自衛権「強面の国家で日本は生き残れるか」纐纈厚
シリア「シリア問題は世界に何を突きつけたのか」末近浩太
エジプト「エジプト革命の課題」長沢栄治
脱成長「成長から生活の自治へ」中野佳裕
オリンピック「オリンピックにおける排除の問題」小川てつオ
労働「オルタナティヴな働き方/暮らし方」猪瀬浩平

■研究手帖
「遺影」佐藤守弘

購入日:2013年11月30日
購入店:ジュンク堂書店 京都朝日会館店 
購入理由:
 佐藤守弘氏の研究手帖を読むことが目的だったが、他の論考も一年を振り返るのによいと思い購入。
 TPPについての岡田知弘氏の「主権と自治の危機」、二宮周平氏の「婚外子裁判」と民法改正」は、この問題に無知な私にとって論点を提供してくれた。世の中、理不尽なことがまかり通っているとつくづくわかる。
 また、映画は見れてないが、映画監督・相田和弘氏の「レジスタンスの時代に」も、この時代の危機感を的確に言葉にしている。政治的な問題にも臆せず発言する相田氏は、個人的にいまとても気になる人物である。

未読日記819 『TO 目黒区特集号』

2013-11-20 23:21:19 | 書物
タイトル:TO ~東京を愛するすべての人に。新世代タウンガイド~ (SPACE SHOWER BOOKs)
Editor:神田春樹
Art Directer:小酒井祥吾[siun]
Producer:田口隆史郎
Exective Producer:近藤正司
Publisher:清水英明
Printed:大日本印刷株式会社
発売:株式会社スペースシャワーネットワーク
Cover Photograph by 大森克己
Back Cover Photograph by Alec Soth / Magnum Photos
形態:143p ; 26cm
内容:
〈特集 FEATURES〉
「解答なき目黒区のミステリー、序論」文:古川日出男 写真:アレック・ソス
「八代亜紀 その歌手は人生を観察する」文:湯山玲子 写真:大森克己

沿線に生きる 岩田忠利
around Here 目黒ローカリズムの現在系を探して
Runners
渋谷直角の祐天寺ディープスポット案内
目黒名◯◯MAP
鼎談:洋服屋から中目黒を考える
コラム特集:目黒区に住むなら知っておきたい8のこと
「Black, Eyes & Things」大森克己
目黒の「館」へ
Sometimes Things Go Wrong
真・仏閣ナビ 坂原弘康
eat out
MEGURO FOOD JOURNAL

〈連載 REGULAR〉
神藤剛「変わる風景。」
名越啓介「集う人々。」
竹下ジャパン「about her」
草なぎ洋平「アイディア勝負!」
武田俊×河尻亨一「UPDATE TOKYO」
馬場正道「一分四十秒の日記。」
平野紗季子「他力本願な旅・食の旅」
Tehu「スーパーITボーイの突撃! 会社訪問。」
三田修平「Keep moving, Make an encounter」
小浪次郎「父をみる」

購入日:2013年11月17日
購入店:NADiff×10
購入理由:
 ミュージアムショップでたまたま見つけて衝動買いした1冊。元目黒区民としてはつい手が伸びる。
 本書は、東京23区を毎号1区ずつ取り上げ、23号で完結するタウンマガジン。当初は、タウン誌系の内容かと思いきや、意外とファッション・サブカルチャー系の編集がされている。目黒区特集としてよく取り上げられる場所を外しているところもあり、私も知らない店が多かった。驚いたのは、美術館・博物館が、日本民藝館と東京都写真美術館は紹介されているのに、目黒区美術館が未掲載だったこと。区の名前がつく美術館としていいのか。

 著名人がさまざまなテーマで3つをセレクトする「あなたにとっての目黒区は?」もおもしろい。古川順一(FACTORY1994)が「目黒を舞台に駆け巡る3曲」でセレクトした相対性理論「三千万年」、口ロロ「Tokyo」、スチャダラパー「Shadows Of The Empire」の3曲は納得。まだあるかも目黒区が出てくる地名ソング。

 東京在住だったら毎号買って揃えたくなるが、地方在住ではそうもいかない(世田谷区と渋谷区特集は魅かれる)。それにしも、区の単位で特集が成立するのは、東京だけな気がする。こんなとき、東京の力を感じる。

未読日記818 『東北記録映画三部作』

2013-11-19 23:29:09 | 書物
タイトル:東北記録映画三部作
並列書名:TOHOKU DOCUMENTARY TRILOGY
編集:相澤久美、簗瀬永央
デザイン:吉田朋史
翻訳:水上健二
協力:佐々木瑠郁
発行:一般社団法人サイレントヴォイス
発行日:2013.11
形態:1冊 ; 15×21cm
注記:映画パンフレット
   東北記録映画三部作
   第一部「なみのおと
   第二部「なみのこえ
   第三部「うたうひと
   酒井耕・濱口竜介監督作品
内容:
ここに、被災の風景はほとんど現れない。あるのはただ、語ること、そして聞くことだ。
今、もっとも忘れてはならないひとつの態度を、この三部作は語りかけようとしている。

ESSAY「切実な抵抗」甲斐賢治
INTERVIEW「市山尚三による監督インタビュー」
ESSAY「『うたうひと』が生まれるまで」小野和子
ESSAY「touhoku」結城秀勇
ESSAY「映画という友情」山田創平
ESSAY「東北記録映画三部作に寄せて」Werner Penzel
DIRECTOR'S ESSAY「制作をふりかえって」濱口竜介、酒井耕
PROFILE
ESSAY「聴くことと記録と表現と」鷲田清一
USTREAM「かたログ」
PRODUCTION NOTE「東北記録映画三部作プロダクションノート」
CREDITS

購入日:2013年11月17日
購入店:オーディトリウム渋谷
購入理由:
 本作を知ったのは、たまたま新聞で山形国際ドキュメンタリー映画祭の記事を見たことだった。震災を語りだけで見せるミニマル手法に魅かれ、どうしても見ておきたく東京に駆けつけ、『なみのこえ』と『うたうひと』の2本だけ見ることができた。
 個人的には『なみのこえ 気仙沼篇』が圧倒的にすばらしかったが、2作とも久しぶりに濃密ですばらしい映画体験をすることできた。深刻な経験談の語りと日常的なおしゃべりが往復する対話/会話のグラデーションがすばらしい。彼ら彼女らがなんでもない普段のことを話すとき、勝手な思いではあるが希望を感じた。かつて直面したことのない事態に真摯に向き合い、迷い、考える人々の発する言葉は、どんな著名人よりも真実な言葉で、打ちひしがれた。どうやってこのような言葉を引き出せたのか不思議でならない。ここ数年映画はあまり見れてないが、本年見た映画ではベスト。



未読日記817 『森本紀久子』

2013-11-17 23:54:18 | 書物
タイトル:森本紀久子
並列書名:Kikuko Morimoto
発行:[京都] : [アートスペース虹]
発行年:[1998]
形態:10p ; 20×21cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 1998年3月31日-4月19日:アートスペース虹
   part1: 1998年3月31日-4月12日, part2: 4月14日-4月19日
   タイトルは表紙による
   おもに図版
   森本紀久子略歴あり
内容:
図版
[テキスト]/針生一郎
森本紀久子略歴

頂いた日:2013年12月13日
場所:アートスペース虹
 アートスペース虹にて開催された「森本紀久子展」(2013年11月12日~11月24日)に行った際、ギャラリーの方より頂いた1冊。どうもありがとうございます。

Collection 25 《domestic/AIRMAIL》

2013-11-15 23:16:55 | 美術
タイトル:domestic/AIRMAIL
アーティスト:森村誠
エディション:ED 3/20
受取日:2013年11月11日(購入日:2013年10月12日)
購入店:TOKIO OUT of PLACE
購入理由:
 TOKIO OUT of PLACEにて開催された「森村誠:via AIRMAIL」展(2013年10月4日~11月3日)にて購入。森村誠と言えば、私にとっては修正液と「地図」の作品が印象深いが、本展では新展開であった。
 本作は、作家が展覧会フライヤーに切手を刺繍で縫いつけ、投函する郵送作品(メールアート)である。購入者は会場で切手を選び(私はスペースシャトルの切手を選んだ)、あとは「メール」が届くのを待つのみである。
 葉書や郵便のアートと言えば、河原温の《I Got Up》を挙げるまでもなく、絵画やコンセプチュアルアートなどで用いられてきた。森村は、「ポスト」アートの地平に挑んだ点で果敢である。
 さて、作品が届いて驚いたのは、フライヤーに使われた飛行機の写真と切手が呼応し、空と宇宙を連想させたことだった。選ぶときにはどのような構図になるかなど考えていなかったので、思わぬイメージの連鎖/偶然に喜んだ。展覧会フライヤーをメールアートへと変えてしまう森村の作品には以前と変わらず機知とユーモアがある。
 裏面をめくると、日本郵便発行の蝶の切手が使われており、表と裏の両面に切手がならぶ。裏面は、実際に国内郵便を送付する際に必要な郵便代金=切手なのだが、表面はアートとしての郵便切手という違いがある。そのコンセプトを承知の上で欲を言えば、裏面に貼付する郵便切手にも一捻り欲しかった。はたして「蝶」でよかったのだろうか・・。

 なお、本作の投函のプロセスは、アーティストのブログで見ることができる(「郵便的不安」を解消させてくれるアート・ドキュメントである)。
http://blog.zaq.ne.jp/makotish/
  
 

未読日記816 『ゴダール映画史(全)』

2013-11-14 23:57:43 | 書物
タイトル:ゴダール 映画史(全) (ちくま学芸文庫)
タイトル別名:Introduction à une véritable histoire du cinéma
著者:ジャン=リュック・ゴダール
訳者:奥村昭夫
カバーデザイン:神田昇和
発行:筑摩書房
発行日:2012.2
形態:717p ; 15cm
注記:ジャン=リュック・ゴダールの人と作品: p683-688
   『ゴダール/映画史I・II』 (筑摩書房, 1982.7-1982.10)を併せて1冊としたもの
内容:
「私は映画の歴史を、単に年代的なやり方で語るのではなく、むしろ、いくらか考古学的ないしは生物学的なやり方で語ろうと考えていました……私に興味があるのは、まさに、自分がかつてつくったものを見ること、そしてとりわけ、自分がかつてつくった何本かの映画を利用することなのです。」映画史上の名画と自身の旧作を上映しつつ個人史を自由に語るというユニークなこの連続講義は、空前の映像作品―『映画史』Histoire(s) du cinémaへと結実する。語りを超えて映像と音からつくられる“真の”映画史は、ここから生まれたのだ。 解説 青山真治

ジョエル・ファルジュの序文
ジャン=リュック・ゴダールの序文

第一の旅
 私は今、自分自身のために……
 この映画を見て私がびっくりするのは……
第二の旅 
 この映画はあまりに遠く離れています……
 この映画は、ひとから注文され……
第三の旅
 われわれがここでしていることの唯一の利点は……
 ベルイマンをとりあげるつもりではいたのですが……
第四の旅
 この映画は、アメリカの探偵小説の作家……
 セルジュ・ロジックが私に……
第五の旅
 すでに何度か言ったことですが……
 今朝この映画を映写したのは……
第六の旅
 今朝は歴史の編集に関する間違いが……
 これらの映画については……
第七の旅
 私はこの映画はきわめて明快な映画だと……
 今朝は始めるのが遅かったので……

ジャン=リュック・ゴダールの人と作品
訳者あとがき
解説「盗人と独裁者の末路(現在)」青山真治
索引

購入日:2013年11月11日
購入店:日本の古本屋
購入理由:
 宮永亮展のトークおよびテキストの参考資料として購入。ふつう、宮永亮とゴダールはおよそ結びつかないが、近年のゴダールの映画はデジタルで撮影されたり、映像に加工が施されるなど、宮永作品と結びつけられないわけでもないかも。