A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

美術回顧2013

2013-12-31 22:26:49 | 美術
2013年も年の瀬。新聞雑誌メディア等で年間ベストなどが行われていますが、
個人的に印象に残った展覧会を挙げて、本年を締めくくります(順位はなく、鑑賞順)。
どうもありがとうございました。


美術館編
フランシス・ベーコン展(2013年3月8日~5月26日)東京国立近代美術館
六田知弘写真展「3.11 時のイコン 東日本大震災の記憶」(2013年3月5日~3月31日)相田みつを美術館第2ホール
とら・虎・トラ 甲子園の歴史と日本画における虎の表現(2013年4月6日~5月19日)西宮市大谷記念美術館
ET IN ARCADIA EGO 墓は語るか―彫刻と呼ばれる、隠された場所(2013年5月20日~8月10日)武蔵野美術大学美術館展示室1+2+アトリウム
生誕130年 彫刻家 高村光太郎展(2013年6月29日~8月18日)千葉市美術館
映画より映画的!日本映画 スチル写真の美学(2013年4月16日~8月7日)東京国立近代美術館フィルムセンター展示室
プレイバック・アーティスト・トーク展(2013年6月14日~8月4日)東京国立近代美術館
マンハッタンの太陽(2013年7月13日~9月23日)栃木県立美術館
種差 よみがえれ浜の記憶(2013年7月6日~9月1日)青森県立美術館
米田知子「暗なきところで逢えれば」(2013年7月20日~9月23日)東京都写真美術館

ギャラリー、アートプロジェクト編
Y. Ernest Satow: Light and Shadow(2013年1月25日~2月28日)Gallery 916
迫 鉄平 個展「9.サブミッション」(2013年4月2日~4月7日)KUNST ARZT
花田恵理展「Open Spaces」(2013年5月7日~5月12日)KUNST ARZT
山添潤 彫刻展(2013年5月7日~5月19日)Gallery PARC
中谷宇吉郎の森羅万象帖展(2013年3月7日~5月30日)LIXIL ギャラリー
竹沢佑真展「写真と絵画とその間で起こること」(2013年8月27日~9月1日)ギャラリーモーニング
荒野ノヒカリ : 愛岐トンネル群アートプロジェクト2013(2013年9月7日~10月27日)愛知県春日井市玉野町 愛岐トンネル群廃墟とトンネル郡1.7キロ
尹熙倉展「一抹: a touch of powder」(2013年11月2日~12月7日)GALLERY CAPTION
山田麻美個展「by night」(2013年11月12日~11月17日)KUNST ARZT
石橋志郎展「空中の光、地上へ積もる雪」(2013年11月16日~11月24日)KAHO GALLERY


選出にあたっては、私がイベント参加、テキスト執筆等で関わった展覧会は除外し、なるべくマイナーなものを選ぶよう心がけました。

全体としては、美術館よりギャラリー、オルタナティブスペースなどで良質な展示を見れた一年でした。ギャラリーというのは、ゆっくりと作品を見たり、アーティストやギャラリストの方とお話をするなど、交流の場でもある利点があり、その点では美術館は叶わないかもしれません。

そのかわり、ギャラリーでのグループ展がほとんどリストに入っていないのは、質の問題もあるかもしれませんが、作品数(量)の問題かもしれません。キュレーションには、ある程度の量・空間が必要となると、美術館の方が相応しいのかもしれません。「ET IN ARCADIA EGO 墓は語るか―彫刻と呼ばれる、隠された場所」、「マンハッタンの太陽」、「種差 よみがえれ浜の記憶」はその好例でした。

ところで、美術館編リストを見ますと、関西在住ながら、関西圏の美術館は1館だけのリストアップという寂しい結果となりました。ギャラリー編は、あまり考えずにセレクトすると、KUNST ARZT、Gallery PARCでの展覧会ばかりになってしまうという質の高さでした。この2つのギャラリーが京都のアートシーンを変えてくれることを期待します。

2013年は数々の国際展、アートプロジェクトが話題を呼んだ一年でもありましたが、私にとっては、「荒野ノヒカリ : 愛岐トンネル群アートプロジェクト2013」(企画:高橋綾子)での藤本由起夫作品が圧倒的でした。アートと鉄道と廃墟のいづれも好きな私にとっては、何よりのアートイベントでした。

昨年末は、もう時間もお金もないから展覧会を見るのは減らそうと思ったのですが、結局800超も見てしまったのでした。来年もよい作品との出会いを楽しみにしています。

【ご案内】Gallery PARC Art Competition 2014

2013-12-30 23:15:59 | 美術
 この度、京都・Gallery PARCにて開催されます展覧会公募「Gallery PARC Art Competition 2014」で審査員をさせて頂きます。

 祇園祭前後の京都で、しかもギャラリー・パルクで展覧会をできるといういい企画ですが、作品ジャンル・性別・年齢・国籍不問、アーティストだけでなくグループ、キュレーターでの応募も可能という何でもありですので、たくさんのご応募をお待ちしております(2014年1月20日必着)。
 なお、3名(組)の入選者による展覧会開催時には、審査員がテキストを分担執筆する予定です。

詳細は、ウェブサイトをご参照ください。
http://www.galleryparc.com/competition/index.html

活動報告2013

2013-12-29 23:06:32 | Weblog
2013年も大変多くの方にお世話になりました。皆さまに心より感謝申し上げます。
そこで、今年1年のソロ仕事を振り返ります。

なにかとバタバタしてた1年だと思っていましたが、まとめてみるといろいろやってました(まだ日の目を見ていない仕事もありますが・・)。関係各所に多大なご迷惑をお掛けしてしまったことをこの場を借りて心よりお詫び申し上げます。時期によって告知・周知ができなかったことも反省しております。
来年はもう少しゆっくりと丁寧によい仕事ができるよう心がけたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

【キュレーション・企画】
2013年9月 SlideShowStudies(SSS) vol.1 Next Slide...「中島麦:ドーロムービー」、つくるビル、京都

【原稿・論文・テキスト】
2013年3月 「山岡敏明:GUTIC MERISTEM」展フライヤー・会場配布資料、Gallery PARC、京都
2013年9月 「隅田川の影と光―影からくり絵とキャンバス・プロジェクション」『映像試論100』第2号、Port Gallery T、2013.10
2013年10月 「モノリス 内海聖史の絵画」『内海聖史個展:星の話」カタログ、2013.10
        「カオスモス・ペインティング」『中島麦個展:星々の悲しみ - blue on blue」テキスト
2013年11月 「暮色の家」『ABEND vol.2「暮色の家」』会場配布資料
2013年12月 「今月のご近所さん」『月刊ヨンマルサン』2013年12月号、つくるビル シェアアトリエ403号室
        「つくるビル1周年記念展 宮永亮×つくるビル【INSIDE-OUT】」会場配布資料

【発表】
2013年6月 「吉田初三郎の観光案内図――近代日本景の形成」、民族藝術学会 第130回研究例会「近代における場の変容」、立命館大学国際平和ミュージアム会議室、京都

【トーク、シンポジウム】
2013年1月 「岐阜と宇宙民藝」展「シンポ宇宙民藝」、なうふ現代、岐阜
2013年3月 「Visual Sensation vol.5」展アーティスト・トーク、Gallery Den mym、京都
2013年9月 「アーティスト・サポート事業 enoco [study?]友枝望 中間レビュー」、大阪府立江之子島文化芸術創造センター、大阪
2013年11月 ABEND vol.2「暮色の家」クロージング・ミーティング「つくることと見せること」、堀川common、京都
2013年12月 「つくるビル1周年記念展 宮永亮×つくるビル【INSIDE-OUT】」放談 「映像をみること」INSIDE編、つくるビル、京都

【審査】
2013年2月 「つくるビル ポートフォリオ審査制シェアアトリエ入居者募集」、つくるビル、京都
2013年5月 「アーティスト・サポート事業 enoco [study?]」、大阪府立江之子島文化芸術創造センター、大阪
2013年11月 「紙技京都2013」(主催:雅景錐)、京都国立博物館 茶室「堪庵」、京都
       平田剛志賞:平木絢子

【セレクター】
2013年12月 「almanac #12 depositors meeting 11」、art & river bank、東京
        セレクト作家:迫鉄平、友枝望、花田恵理、林葵衣、吉田知古

【展覧会】
2013年11月 「北沢流能面會展」建仁寺、京都

【アドバイザー】
2011年11月- つくるビル、京都

【企画協力・アドバイザー】
2013年11月 ABEND vol.2「暮色の家」(企画:ABEND実行委員会)、京都リサーチパーク町家スタジオ、京都

【研究協力】
2013年3月 松原洋子・植村要「未校正書籍テキストデータの読書アクセシビリティ―大学図書館における読書障害学生支援に向けて―」『立命館人間科学研究』No.26、2013.3

【その他】
■メディア掲載・取材
SAVVY』2013年3月号
京都新聞』2013年12月8日朝刊

■賛同
2013年11月 關西文化的暴燃會、味園大宴会場、大阪

未読日記829 『Summer Days』

2013-12-28 23:46:23 | 書物
タイトル:Summer Days
Author: Teppei Sako
Director:Teppei Sako
Design: Teppei Sako
All Photos by Teppei Sako
Publisher: Shitscreen Print.
形態:[44]p ; 21cm
注記:ed. 5/10 ; チェキ1枚付
内容:
ウォーホルのポラロイドと、マリリン(表紙、ページ、そしてこのラベルの色もマリリンから抽出)、TAKENOKO▲の必殺チューン“サマーデイズ”を使い、「プライベート」を演出したチェキ写真集。フルカラーの44p。おまけチェキ1枚封入。

購入日:2013年12月28日
購入店:kara-S
購入理由:
 京都精華大学版画コース シルクスクリーンゼミメンバーによるグループ展「A good by present + Tea party」にて購入した1冊。本書は、迫鉄平によるアーティストブック。エディション10部のみらしく即効ゲットした。季節は冬なのに「Summer Days」と名付けるあたりが清々しい。ウォーホルへのオマージュをインク(色)に潜ませたパワーポップ写真集。

ちなみに、TAKENOKO▲のサマーデイズとはこちら。

memorandum 124 詩の好きな人もいる

2013-12-26 23:28:29 | ことば
そういう人もいる
つまり、みんなではない
みんなの中の大多数ではなく、むしろ少数派
むりやりそれを押しつける学校や
それを書くご当人は勘定に入れなければ
そういう人はたぶん、千人に二人くらい

好きといっても――
人はマカロニ・スープも好きだし
お世辞や空色も好きだし
古いスカーフも好きだし
我を張ることも好きだし
犬をなでることも好きだ

詩が好きといっても――
詩とはいったい何だろう
その問いに対して出されてきた
答えはもう一つや二つではない
でもわたしは分からないし、分からないということにつかまっている
分からないということが命綱であるかのように


ヴィスワヴァ・シンボルスカ『終わりと始まり』未知谷、1997年、16-17頁.

千人に二人くらいいればいい。


未読日記828 『Useful Photography # 007』

2013-12-24 23:28:51 | 書物
タイトル:Useful Photography: No. 7
Photographs Collected & edited by: Hans Aarsman, Claudie de Cleen, Julian Germain, Erik Kessels, Hans van der Meer.
Published by Kesselskramer
Printed in October 2007
形態:1冊 ; 30cm
内容:
There is nothing as motivating as a large, sculpted, shining award in recognition of your personal achievements. That feeling of reward and pride is desired by all, not just the Hollywood star. Thankfully, there is a multitude of awards for every humble occasion, profession and hobby.
Useful Photography # 007 explores the sub-word of non-celebrity achievement in a proud series of photographs that are, quite literally, award-winning.

購入日:2013年12月22日
購入店:NADiff a/p/a/r/t
購入理由:
 前回と同じくナディッフのバーゲンセールコーナーで見つけてゲットした1冊。こちらも破格のプライス。
 毎回、ファウンド・フォトをもとにおもしろい写真集を見せてくれるUseful Photographyだが、今号ではトロフィーを持った人々のポートレイト特集。見てるだけで微笑ましい。

未読日記827 『Useful Photography # 003』

2013-12-23 23:53:38 | 書物
タイトル:Useful Photography
著者:Hans Aarsman, Claudie De Cleen, Julian Germai, Erik Kessels, Hans Van Der Meer.
発行:Artimo
発行日:2003.4
形態:1冊 ; 30cm
内容:
The People in USEFUL PHOTOGRAPHY # 003 are All Missing. "When Their Photographs - Studio Portraits, snapshots, Segments from Snapshots, Passport photo's etc - Have Been Given to National Missing Persons Helpline(NMPH) by Their Families or Friends for the Purpose of Public Appeals. Unremarkable When They were Made, These Portrait Images Now Have Vital Significance.

If you have information about any of the people featured in this magazine, please contact NMPH in confidence: from the UK freefone 0500 700700 from outside UK 00 44 20 8392 4545
http://www.missingpersons.org/

購入日:2013年12月22日
購入店:NADiff a/p/a/r/t
購入理由:
 ナディッフのバーゲンセールコーナーで見つけた1冊。以前に立ち読みで見て、欲しかった1冊が破格の値段でゲットできた。
 本書は、毎回異なるテーマをもとにファウンド・フォトを素材に写真集を編むUSEFUL PHOTOGRAPHYの第3号。今号はイギリスで行方不明になった子どもたちの写真を編集している。行方不明の子どもがこんなにいるのかと驚くが、掲載されたポートレイトから彼ら彼女たちの物語や人生を想像してしまうシリアスな1冊。恐るべき編集力のなせる技である。

 ちなみに、購入したUseful Photographyは、現在とは出版社が異なっている。現在、入手できるのは3rd Editionのよう。

未読日記826 『見えない世界のみつめ方』

2013-12-22 23:52:49 | 書物
タイトル:見えない世界のみつめ方
別書名:Beyond the naked eye
シリーズ名:映像をめぐる冒険; vol.4
編集:山峰潤也
編集補:関次和子
翻訳:デイヴィッド・ディヒーリ(有限会社ニ・ディ・ケイ)
デザイン:田中義久(OAR DESIGN
コーディネイト:庄司志津雄(株式会社公栄社
発行 : 東京 : 東京都写真美術館
発行日:c2011
形態:94p ; 26cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2011年12月13日-2012年1月29日:東京都写真美術館地下1階展示室
   主催: 東京都, 東京都写真美術館, 産経新聞社
   出品作家: 小阪淳, double Negatives Architecture[dNA], 鴨川肇
   英文併記
   おもに図版
   作家略歴: p86-89
   作品リスト: p94-[96]
内容:
ごあいさつ
第1章 肉眼を越えて
第2章 世界像のパラダイムシフト
「天動説から地動説へ」喜数次人
第3章 見えない世界の見つめ方
鴨川肇 AuthaGraph
double Negatives Architecture[dNA] Corpora
小阪淳 VIT 2.0
「見えない世界の見つめ方」山峰潤也
作家略歴
出品リスト

購入日:2013年12月22日
購入店:NADiff X10
購入理由:
 東京都写真美術館にて過去の展覧会図録の一部が50%オフで販売されていたので購入した1冊。都写美での展覧会はだいたい見ているのだが、本展は修論の提出時期と重なり見れてなかった。
 本展は、「拡大と縮小」をテーマに、世界像、宇宙像の変化・変遷を検証したサイエンス系展覧会。NASAの宇宙写真、ハロルド・ユージーン・エジャートンによるスローモーション写真、プトレマイオスの地図などなど、宇宙、地図好きとしては興味深い内容だった。現代作家による新作展示はメディアアート系が多く、体験もしておらず文章も読んでないのでよくわからない。