A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

Recording Words 050 芸術を制作すること

2011-03-31 23:34:47 | ことば
芸術を制作するという行為はすべて作られたものそれ自体ではないようなもの、芸術も知らないものを語るという唯一の努力につきる。こうした努力こそ芸術の精神にほかならない。
(テオドール・W・アドルノ『美の理論』大久保健治訳、河出書房新社、2007年、p.225)

未読日記478 「Gifu ART CAMP 2010 archive book」

2011-03-30 23:45:20 | 書物
タイトル:Gifu ART CAMP 2010
編集:田部井勝
撮影:藤井昌美/杉山弦
発行日:2010年
内容:
岐阜シティ・タワー43にて開催された「Gifu ART CAMP 2010」(公開・滞在制作期間2010年2月27日~3月7日、展示期間3月8日~3月14日)の記録集。
A5判、18p、カラー

佐部利典彦
田部井勝
河井聖子
福岡寛之
藤井昌美
杉山弦
滞在制作風景

頂いた日:2011年3月25日
場所:岐阜シティ・タワー43
 岐阜シティ・タワー43にて開催された「GIFU ART CAMP 2011 都市の白地図」展(2011年3月5日~3月31日)に行った際、作家の方より頂いた1冊。どうもありがとうございます。
 「GIFU ART CAMP」は昨年から始まった滞在制作型展覧会。今年は河井聖子、福岡寛之、藤井昌美の3名が参加・展示を行った。
 河井聖子は妖怪をキーワードにイベント、展覧会、商品開発など多様な活動を行っているアーティストだ。昨年の大阪・CASでのグループ展では妖怪ケーキを制作・販売していたことが思い出される。
 藤井昌美は岐阜に住む住民とその人の愛用品とを撮影した写真作品を制作。ものがもつ人とのつながりやアイデンティティを喚起させて興味深い。
 福岡寛之は、大量の空の写真をつなぎあわせたロール状の紙の束をタワー状に作り上げる作品及びパフォーマンスを行う。2階のテラスでは避難用仮設テント「オクタゴン」を設置し、室内でワークショップや公開制作を行う。たまたま今回、福岡さんとお話ができたが、天井に採光窓がついているオクタゴンの中で、アートのこと、今回のキャンプのことなどをゆっくり聞くことができた。旅先で出会ったと人と、キャンプの中でわずかでも時間を過ごせたことが楽しく思い出される。

 

Recording Words 049 批評の仕事

2011-03-29 23:10:31 | ことば
批評は真実内容を理解することを要求する。自らの真実あるいは虚偽が理解されていないような作品は理解されていないのであって、真実あるいは虚偽を理解することが批評の仕事にほかならない。批評を通して作品を歴史的に展開することと作品の真実内容を哲学的に展開することとは、相互作用にほかならない。芸術の理論は芸術を離れることを許されない。
(テオドール・W・アドルノ『美の理論』大久保健治訳、河出書房新社、2007年、pp,219-220)

未読日記477 「Reflecting People」

2011-03-28 23:52:34 | 書物
タイトル:Oh Su Jin:Reflecting People
写真:LVS Gallery
発行:Yoshiaki Inoue Gallery
発行日:2011年
内容:
大阪・Yoshiaki Inoue Galleryにて開催された「Oh Su Jin:Reflecting People」(2011年3月11日~3月30日)のカタログ。
A4判、16p、カラー

「世界をみつめるオ・スジンの絵画」加藤義夫(キュレーター/美術評論)
"Paintings that mirror our world: The realism of Oh Su Jin" Yoshio Katoh
図版(11点)
作家略歴

頂いた日:2011年3月24日
場所:Yoshiaki Inoue Gallery
 ギャラリーの方より頂いた1冊。どうもありがとうございます。
 細密かつリアルな描写の人物画が大画面で展開されるオ・スジンの初個展。ひげのそり残しや無精ひげ、微細な産毛や唇のしわまできっちりと描写されていて、惹きこまれた。描かれる人物はインターネット上から採取した画像を使用しているとのことで、韓国では有名な俳優などもいるようだ。だが、例によって流行に疎い私にはわからなかった。
 


散歩のとき何か食べたくなったのだ25 パンの店ホンダ

2011-03-27 23:32:21 | たべもの
商品名:おからドーナツ
購入日:2011年3月20日
購入店:パンの店ホンダ
 バスの待ち時間に小腹が空いたので購入。
 悪くはないお店なのだが、一部のパンがビニール袋に入れられて販売されている。このようにパンが透明なビニール袋に入れられて販売される方式が私はあまり好きではない。衛生面やレジ作業の短縮という面ではいいと思う。しかし、それではトングを使ってトレーにパンをのせる作業があまり意味がない気がする。どうでもいいかもしれないが、パン屋でパンを買う行為が楽しいのは、店内に並ぶパンの中からどのパンをトレーにのせるのかを迷うのが楽しいのではないか、と私は思う。ビニール袋に納まったパンというのはどことなくコンビニの菓子パンを連想させて、食欲があまり湧かない。
 余談だが、こちらのお店はホームページが充実していて、パンを撮った写真がいい。
 

Recording Words 048 芸術作品の謎

2011-03-26 23:15:10 | ことば
芸術作品も同様に厳密な意味において謎にほかならない。芸術作品は謎を解く鍵を含むが、あくまで可能性として含んでいるにすぎず、鍵が客観的なものとして置かれているわけではない。(中略)人は芸術について何かを理解することはあっても、芸術を理解することはないと語られているが、この言葉は正しい。(中略)虹に完全に接近しようとするなら、虹は消えてしまう。完全に謎であると共に一点の曇りもなく明白なものでもある音楽は、その点において他の芸術をしのぐ典型的な芸術と見なすことができる。謎を解読することは不可能であり、ただ謎の形態が解読されるにすぎないが、こうした形態を解読することこそ芸術の哲学にほかならない。
(テオドール・W・アドルノ『美の理論』大久保健治訳、河出書房新社、2007年、p.209)

散歩のとき何か食べたくなったのだ24 かのう洋菓子店

2011-03-25 23:06:21 | たべもの
商品名:モンブラン
購入日:2011年3月18日
購入店:かのう洋菓子店
 勝手に誕生日会と称して、東京に住む妹の誕生日を祝うために近所の洋菓子店でケーキを購入。セレクトは私のお腹にまかせて、モンブランとビッグシューを購入した。しかし、ケーキは生モノのため、東京には送れないので、妹にはケーキの写真を送り、ケーキは仕方なく私が代わりに食べることにした。


ビッグシュー。
シュークリームが溢れんばかりでした。ごちそうさまです。

未読日記476 「PAPER AND PEN, STORY」

2011-03-24 22:38:45 | 書物
タイトル:PAPER AND PEN, STORY
著者:STOMACHACHE.
発行:ELVIS PRESS
発行日:2010年7月
定価:1260yen
内容:
182mm x 128mm、144 pages、soft cover、offset print
1st Edition of 1000

OGRE YOU ASSHOLEのPVやMALEGOATのCDジャケット、Shimokitazawa Indie Fanclubのメインヴィジュアル、YOUR SONG IS GOODのライブTシャツ等を手掛けたり、雑誌「STUDIO VOICE」、「真夜中」、「Spectator」に作品提供するなど、各方面で話題沸騰中の姉妹アートユニット、STOMACHACHE.の作品集。
2004年から2010年までに作成してきたZINEの収録作品やアートワーク、個展風景をまとめた集大成的1冊。
(ELVIS PRESSウェブサイトより)

購入日:2011年3月17日
購入店:NEW ACCIDENT
購入理由:
 金沢・NEW ACCIDENTにて開催された「ELVIS PRESS PRESENTS STOMACHACHE. "PAPER AND PEN, STORY" EXHIBITION & FAIR TOUR 2010-2011」(2011年2月26日~3月21日)に行った際に購入。
 STOMACHACHE.の作品を初めて見たのは東京・神保町の路地と人でだった。どことなくアメリカ西海岸チックなイラストレーション、英語の手書きフォントがDIY的な表現技法で展開されており魅せられた。その後、東京・スパイラルの「ウルトラ003」、大阪・fabre8710での「杉浦藍、STOMACHACHE.:MAKE EVERYDAY」で展示を見てきた。
 金沢では展覧会をやっているとは知らず、たまたま行った金沢アートグミギャラリーでDMを見つけて、急遽直行。会場で作品集があると知り、以前から作品集かZINEが欲しいと思っていたので購入。
 ちなみに、会場のNEW ACCIDENTは数週間前にオープンしたばかりだというZINEのショップ&ギャラリー。いくつか見てみると、おもしろそうなZINEが多い。時間があまりなかったので、たくさんは見られなかったが、金沢に行った時に寄りたいお店ができた。



未読日記475 「第一阿房列車」

2011-03-22 23:31:07 | 書物
タイトル:第一阿房列車 (新潮文庫)
著者:内田百
カバー撮影:林忠彦
デザイン:新潮社装幀室
発行:新潮社/新潮文庫
発行日:2010年3月20日10刷(2003年5月1日初版)
定価:476円(税別)
内容:
「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。借金までして一等車に乗った百先生、世間的な用事のない行程を「阿房列車」と名付け、弟子の「ヒマラヤ山系」を共づれとして旅に出た。珍道中のなかにも、戦後日本復興の動きと地方の良俗が描き出され、先生と「ヒマラヤ山系」の軽妙洒脱な会話が彩りを添える。読書界の話題をさらった名著を新字新かな遣いで復刊。
(カバー裏解説より)

特別阿房列車
区間阿房列車
鹿児島阿房列車 前章
鹿児島阿房列車 後章
東北本線阿房列車
奥羽本線阿房列車 前章
奥羽本線阿房列車 後章
解説:伊藤整
「間のびする旅の極意」森まゆみ
(目次より)

購入日:2011年3月12日
購入店:TSUTAYA 京都リサーチパーク店
購入理由:
 岡山県立美術館にて開催された「内田百と谷中安規」展(2011年2月1日~3月21日)の予習として購入。読み始めると落語のような飄々とした語り口がおかしく、久しぶりに楽しい読書となった。阿房な私も百先生にならい「何にも用事がないけれど、汽車に乗って」どこかへ出かけたい。