A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 485 本物

2017-04-30 22:37:06 | ことば
 本物を見抜ける目をもとう。本物を見抜ける人間になろう。そのためには、いいかい、君が本物の人間にならなくちゃダメなんだ。本物を見抜けるのは本物だけなんだ。ここには動かせない対応があるんだ。
池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー、2003年、126頁。

大物よりも本物になりたい。

未読日記1303 『地図を読む』

2017-04-29 23:17:52 | 書物
タイトル:Turn Up The Book #2 地図を読む
タイトル別名:Reading The Map
Make Photo : 守屋友樹、和田ながら
発行:Pineapple Hole
発行日:2016 summer
形態:1枚 ; 73cm
内容:
 写真家・守屋友樹と演出家・和田ながらの共同企画した舞台作品《石|溶けちゃってテレポート、固まってディレイ》にあわせて刊行された「時間の跳躍と遅延」をテーマに制作された地図型冊子。

購入日:2017年4月29日
購入店:KYOTO ART HOSTEL kumagusuku
購入理由:
 京都・KYOTO ART HOSTEL kumagusukuにて開催された守屋友樹「still untitled & a women S 」展にて購入。地図好きとしてタイトルに惹かれた。

memorandum 484 元凶

2017-04-28 21:52:36 | ことば
 生活「しなければならない」、仕事「しなければならない」という心構えが、生活や仕事をつまらなくしている元凶だとわかったね。特別の才能がないから普通の会社員、特別の才能がないから専業主婦、その会社員や主婦の仕事を、そのまま楽しむことができるなら、それはその意味での才能なんだ。楽しんで仕事をしているうちに、気がつかなかった自分の才能に、気がつくこともあるだろう。生きなければならないから仕事をしなければならないなんて思っている限りは、人は決して本当には生きることはできないんだ。
池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー、2003年、115-116頁。

「しなければならない」生活や人生とは、だれの生活や人生なんだろう。
そもそも「才能」とは、自分でやってみるまで自覚していなかった能力に気づくとき、それを「才能」と言うのかもしれない。
そのままを楽しむこと、そのままを楽しめること。人生観もオーガニックで生きたい。

memorandum 483 「生活しなければならない」

2017-04-27 08:54:05 | ことば
だけど、じゃあ「生活しなければならない」については、どうだろう。生活することを義務として定めている法律はないのに、なぜ人は「生活しなければならない」と、それが義務か強制であるかのような言い方をするのだろう。誰がそれを強制しているというのだろう。(・・・)

 たぶんそれは、こんなふうに生きているのはイヤなんだけど、死ぬのはもっとイヤだから、だから「生きなければならない」ということなんだ。でも、生きたくないのに生きることが、死ぬことよりもイヤなことでないのかどうかは、生きてる限りはわからないのだったね。わからないから生きているんだ。やっぱり生きることを選んでいるんだ。だったら人は、自分で自分の人生を選んでいるということを、はっきりと自覚して生きるべきなんじゃないだろうか。仕事も生活も何もかも、自分がしたくてしていることだと、自覚するべきじゃないだろうか。そうすれば、自分のことを人のせいみたいに文句を言いながら生きることもなくなるはずだ。

池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー、2003年、113-114頁。

重ねがさね私はこれまで何度「生活しなければならない」と言ってきたことだろう。人生や世界はわからないことだらけだが、義務や強制でもなく、私は今日も生きることを選んでいる。日々、何かを選んで生きていることを自覚してみると、些細なことでも自分がしたくてしていることばかりだ。


memorandum 482 孤独というのはいいものだ

2017-04-26 09:30:31 | ことば
 孤独というのはいいものだ。友情もいいけど、孤独というのも本当にいいものなんだ。今は孤独というとイヤなもの、逃避か引きこもりとしか思われていないけれども、それはその人が自分を愛する仕方を知らないからなんだ。自分を愛する、つまり自分で自分を味わう仕方を覚えると、その面白さは、つまらない友だちといることなんかより、はるかに面白い。人生の大事なことについて、心ゆくまで考えることができるからだ。
池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー、2003年、100-101頁。

自分で自分を味わう仕方だけは覚えた気がする。

memorandum 481 自分の孤独

2017-04-25 09:25:29 | ことば
 本当の友情、本当の友だちこそがほしいのだけど、いない、と悩んでいる人が多いみたいだ。でも、いなければいないでいい、見つかるまでは一人でいいと、なぜ思えないのだろう。(・・)
 自分の孤独に耐えられるということは、自分で自分を認めることができる、自分を愛することができるということだからだ。孤独を愛することができるということは、自分を愛することができるということなんだ。そして、自分を愛することができない人に、どうして他人を愛することができるだろう。

池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー、2003年、100頁。

ずっと一人である。

memorandum 480 理想と現実とは別物ではない

2017-04-24 10:32:03 | ことば
 理想と現実とは別物ではないのだから、君が理想をもっている、それを失うことなくもち続けているというそのことだけで、それは十分に現実的な力として、この世界の根底で確実に働き続けているんだ。むろんすぐになんか実現しないさ。だって、世界にはこれだけの人々がいるのだもの。でも、君が理想を失わないのであれば、いつかは必ず実現するんだ。
池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー、2003年、97頁。

理想をもつということは、力である。あるいは、理想をもつには力がいる。だからこそ、理想は世界の根底で現実的な力として働くのだろう。
思えば、私の歩みは紆余曲折はあるが、思ったことは時間がかかっても実現していることに驚く。それには、たくさんの方のお力添えや偶然、タイミングがあったのはもちろんだが、理想を失わなかったことも一因だろうか。
そもそも、美術とは、理想の実現以外の何ものでもない。展覧会やテキストにしろ、すべては実現度に変更・差異はあるにしろ、「理想」をかたちにしたものである。

未読日記1302 『ART TRACE PRESS 03』

2017-04-23 10:08:44 | 書物
タイトル:ART TRACE PRESS
巻号:3号 Summer 2015
責任編集:松浦寿夫、林道郎
編集:ART TRACE
   有原友一、上田尚嗣、境澤邦泰、高木秀典、中田寛也、坂光敏
編集協力:永瀬恭一
発行:東京 : Art Trace
発行日:2015.6
形態:263p ; 21cm
内容:
特集 ブラック・マウンテン・カレッジ

田中正之 林道郎 松浦寿夫
座談会 ブラック・マウンテン・カレッジ再考:失われつつある未来のために

山口庸子
芸術共同体の夢と聖なる山──アスコーナ、バウハウス、ブラック・マウンテン・カレッジ
齋藤 直子
美的判断とチャンスの思想:デューイ、カベル、ケージ
原成吉
砦の最後──オルソン時代のブラック・マウンテン・カレッジとアメリカ詩
金子智太郎
磁気テープから演劇へ──ジョン・ケージ《ウィリアムズ・ミックス》
沢山遼
差異と関係──ジョセフ・アルバースとブラック・マウンテン・カレッジの思想
松浦寿夫
マザウェル断章──詩と絵画

田中信太郎インタビュー
聞き手:林道郎 松浦寿夫 鷲見和紀郎

ロザリンド・クラウス 城丸美香訳
岩:ウィリアム・ケントリッジのプロジェクションのためのドローイング 1/2

ハロルド・ローゼンバーグ 桑田光平/桑名真吾訳 (解題 桑田光平)
芸術と言葉

ウイリアム・ルービン 野田吉郎訳
ジャクソン・ポロックと近代の伝統④

特別寄稿 奥村雄樹
そして静けさがおとずれる──河原温の《今日》

連載
佐藤雄一
リズモロジーの方へ③ ──セザンヌリズム 中

桑田光平
ジャコメッティと詩人たち(3) 空虚を抱く手(今、空虚)──ボヌフォワとジャコメッティ(2)

松浦寿夫
同時遍在性の魔(3)

林道郎
ポロックの余白に(3)

REVIEW

野田吉郎
実験工房の二つの評価基準

永瀬恭一
崩壊に開かれた未来 篠崎英介「one foot in the grave」
出口はよく分からないが入口ははっきりしている。/「囚われ、脱獄」展

多田由美子
美術小説Ⅲ「短編小説」

【付録】 ブラック・マウンテン・カレッジ クロノロジー

購入日:2017年4月22日
購入店:ジュンク堂書店 難波店
購入理由:
 3月に岐阜・frontにて開催された写真家・先間康博氏のレクチャー「STUDY MEETING VOL.6: 画家の写真が魅せるもの」に参加した際、ブラック・マウンテン・カレッジに言及され、「チャンスの思想」に興味を抱き購入。


【ご案内】京都芸術センター通信(明倫art)2017年5月号(vol.204)

2017-04-22 09:59:29 | お知らせ
京都芸術センター通信(明倫art)2017年5月号(vol.204)の美術欄にレビューを寄稿させていただきました。取り上げた展覧会は、滋賀・ボーダレス・アートミュージアムNO‐MAにて開催されたキュレーター公募企画展『大いなる日常』です。

下記ウェブサイトにてダウンロードしてお読みいただくことが可能です。ぜひご一読頂けると幸いです。
http://www.kac.or.jp/21417/

memorandum 479 理想の実現

2017-04-21 09:02:32 | ことば
 しょせん現実はそんなもんだ、理想は理想にすぎないよ、そう言う人も、最初は理想をもっていたに違いないんだ。その理想を持ち続けるのを途中でやめてしまったか、理想を実現する努力を怠けているか、その言い訳をしているだけなんだ。でも、努力を放棄された理想は、単なる空想か、漠然とした憧れにすぎない。単なる空想なら現実になるわけがない。理想を実現しようと努力することこそが現実なんだ。
池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー、2003年、95頁。

私はこれまで何度「しょせん現実はそんなもんだ、理想は理想にすぎないよ」と思ってきたことだろう。結果はどうあれ理想を実現する現実を生きていきたい。
そういえば、「現実」は文字を入れ替えれば「実現」で、表裏の関係になる。現実は、実現の結果だ。