A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記544 「ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR」

2011-08-31 23:36:25 | 書物
タイトル:ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR-世界はどこまで知ることができるか?-ガイドブック
監修:横浜トリエンナーレ組織委員会
編集:隈千夏、阿部謙一
翻訳:クリストファー・スティヴンズ、イーデン・コーキル(p.7)
デザイン:峯石景子
会場マップデザイン:森上暁/NDCグラフィックス
印刷:株式会社野毛印刷社
発行:横浜トリエンナーレ組織委員会
発行日:2011年8月6日
定価:500円
内容:
展覧会ガイドブック
ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR-世界はどこまで知ることができるか?-
2011年8月6日(土)~11月6日(日)
横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)、その他周辺地域
A5判、72p

ごあいさつ
Foreword
「ごあいさつ」逢坂恵理子(ヨコハマトリエンナーレ2011総合ディレクター)
OSAKA Eriko, "Foreword"
「OUR MAGIC HOUR-世界はどこまで知ることができるか?-」三木あき子(ヨコハマトリエンナーレ2011アーティスティック・ディレクター)
MIKI Akiko, "OUR MAGIC HOUR - How Much of the World Can We Know?"
図版/解説
 横浜美術館/Yokohama Museum of Art
 日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)/NYK Waterfront Warehouse(BankART Studio NYK)
 その他の会場/Satellite Venues
関連イベント/Related Events
特別連携プログラム/Special Tie-Up Programs
謝辞/Acknowledgement
協賛/Sponser
協力/Corporate Cooperation
助成/Support
横浜トリエンナーレ組織委員会/Organizing Committee for Yokohama Triennnale
会場一覧/List of Venues
ヨコハマトリエンナーレ2011会場マップ/YOKOHAMA TRIENNNALE MAP

購入日:2011年8月30日
購入場所:日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)
購入理由:
 初回から毎回行っているヨコハマトリエンナーレに今回も行ってきた。今回は国内外77名/組のアーティストの作品300点以上が出品されている。カタログは、(なんの告知も見かけないが)おそらく会期終了後にできるのだろう。とりあえず、値段がお手頃なのでガイドブックを購入。
 毎回、会場が異なるヨコトリだが、今回は横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)の2会場がメイン会場に開催された。規模は縮小された感があるが、移動もしやすく見やすい。
 もともと期待していなかったこともあるが、今回は思った以上に楽しめた。それは、旧作を中心とした展示だったからかもしれない。作品の展示構成、セレクトにストーリーがあって見やすく、キュレーションの力を感じた。しかし、国際ダンスフェスティバルであれば世界初演、国際映画祭であればワールドプレビューが目玉になるのだが、その意味で今回のヨコトリは国際美術展としてはパワーが弱いのは致し方ない。
 こういった大規模な美術展になると批判はつきものだし、今回も賛否両論あるだろうが、ひとまず私は金を払って楽しめる展覧会だと感じた。

 ガイドブックの表紙は、角度を変えると虹色に見えるレインボーペーパーを使用。サブタイトルの「OUR MAGIC HOUR」のマジック的な要素を反映したデザインか。 






Recording Words 100 心の糧

2011-08-30 23:08:15 | ことば
 体は飯を食わせれば大きくなりますが、心はそうはいきませんやろ。心の糧は五感を通して心の底に映る万象を正しゅう判断して蓄えること。これが心に飯を食わすということですな。この心に糧を与える手助けをするのが教育というもんでっしゃろな。
(西岡常一「木のいのち木のこころ〈天〉」、西岡常一・小川三夫・塩野米松『木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)』新潮社、2005年、p.91)

 心が大きくならない。飯が足らないのだろうか・・。


未読日記543 「山本基 しろきもりへ―現世の杜・常世の杜―」

2011-08-29 23:39:39 | 書物
タイトル:山本基 しろきもりへ―現世の杜・常世の杜―
編集:彫刻の森美術館
翻訳:株式会社 吉香
アートディレクション・デザイン:小野寺健介
撮影:森澤誠
制作協力:井上大輔/武田雄介/空庭 彌永秀一
印刷・製本:株式会社サンライズ・アーツ
発行:彫刻の森美術館
定価:500円
内容:
展覧会カタログ
山本基 しろきもりへ―現世の杜・常世の杜―
2011年7月30日(土)~2012年3月11日(日)
彫刻の森美術館 本館ギャラリー
A5判、40p

ごあいさつ/Introduction
図版
インタビュー/Interview
作品リスト/list of works
作家略歴/biography

購入日:2011年8月29日
購入店:彫刻の森美術館 本館ギャラリー
購入理由:
 三島・クレマチスの丘の美術館3館を見た後、小田原で寄り道をして箱根登山鉄道で彫刻の森へ。彫刻の森美術館には、子どもの頃に家族で来たことがあるが、大学1年のときに合宿で行ったときが最後かもしれない。もちろん今回は一人だ。
 久々に訪れた彫刻の森だが、閉館40分前に着いたため、見れた展示は「山本基展」のみ。総量7トンの塩を用いて作られたインスタレーションは期待通り圧巻だった。強いて不満を言うなら、展示空間が特色のないホワイトキューブなので、空間としては面白みがない。昨年個展を開催した京都のeN artsやヨーロッパでの教会や造船所の展示のように空間に癖や個性がある方が山本の展示は生きると思う。
 なお、今回の展示は当初3月に開催が予定されていたが、震災の影響により7月に変更となった。会期終了日が3月11日というのは偶然だろうが、塩を使った作品は鎮魂を喚起させる。最終日には作品に制作した塩を撤去し、後日海に還す「作家と来館者による“海に還る・プロジェクト”」を開催するとのことなので、行かれてはどうでしょう。

 

Recording Words 099 人間のあり方

2011-08-27 23:53:46 | ことば
 大工というのは現場に出ているときだけやないんです。生活も大工なんです。学校と違って生活のしかたから全部教えるんです。知識やなく技術とともに人間としてのあり方も教えるんです。
(西岡常一「木のいのち木のこころ〈天〉」、西岡常一・小川三夫・塩野米松『木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)』新潮社、2005年、p.89)

 「生活も大工なんです」という言葉は、どの職業にも当てはまるかもしれない。とくにアートやデザインの領域もそうではないだろうか。「生活もアート/デザインなんです」と。だが、知識や技術はもっていても、人間としてのあり方、成熟した人はどれくらいいるだろうか(と、自分のことを棚にあげて書く)。

未読日記542 「いきづく空間―未完の成―」

2011-08-26 23:30:44 | 書物
タイトル:いきづく空間―未完の成―:大舩光洋・近松素子・長谷川睦
撮影:南野馨
発行:ギャラリー白
発行日:2011年7月
内容:
展覧会カタログ
いきづく空間―未完の成―:大舩光洋・近松素子・長谷川睦
2011年8月22日(月)~9月3日(土)
ギャラリー白/ギャラリー白₃
A5判、10p

「未完の成―決定しない版」奥村泰彦(和歌山県立近代美術館学芸員)
大舩光洋
近松素子
長谷川睦
略歴

頂いた日:2011年8月26日
場所:ギャラリー白
 ギャラリーで頂いた1冊。どうもありがとうございます。展覧会は版画を制作する作家の3人展。大舩光洋氏の版と版の重なり、色の滲みが印象に残った。


散歩のとき何か食べたくなったのだ45 ワルダー

2011-08-23 23:13:19 | たべもの
購入日:2011年8月23日
品名:ハチミツとブルーチーズクルミパン
購入店:ワルダー
 麩屋町通を自転車で走っていたら偶然見つけた1店。お店の外観からドイツパンっぽい。
 小さい店内を見つつ、パン生地にカマンベールチーズを挟んだそば粉のパンサンドとハチミツとブルーチーズクルミパンを購入。赤い彗星というパンがすごく気になったが、そこそこなお値段だったので、あきらめる。全体的にお値段はやや高め。でも、買った2品はどちらもチーズの味が濃厚でおいしかった。


そば粉のパンサンド


Recording Words 098 やって見せないかん

2011-08-21 23:09:16 | ことば
 ものや技術は教えて教われるものやおまへんのや。その人が覚えたいと思って、やる気にさせて、個性に合わせて伸びるように助けてやるんですな。おじいさんがよう言うてました。
「言うて聞かせて、やって見せないかん」て。

(西岡常一「木のいのち木のこころ〈天〉」、西岡常一・小川三夫・塩野米松『木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)』新潮社、2005年、p.87)

 教えるのではなく、覚えるのを助ける。

未読日記541 「Art Court Frontier 2004 #2」

2011-08-20 23:39:39 | 書物
タイトル:Art Court Frontier 2004 #2
編集:八木光惠、才村昌子
写真撮影・写真提供:福永一夫、畠山崇、遠藤裕美子、小野正人、人長果月
デザイン:才村昌子
制作・印刷:アサヒ精版印刷株式会社
発行:アートコートギャラリー
発行日:2004年8月10日
定価:300円
内容:
展覧会カタログ
Art Court Frontier 2004 #2
会期:2004年5月29日(土)~6月26日(土)
会場:アートコートギャラリー
25.7×9.9cm、20p

東義孝×古川誠(ジャーナリスト)
稲垣智子×木村未来(ジャーナリスト)
植松琢磨×藤本由紀夫(アーティスト)
遠藤裕美子、原田リョータ×森村泰昌(アーティスト)
大西伸明×しのまさひろ(キュレーター)
小野正人×おかけんた(コレクター)
金氏徹平×池田壽夫(コレクター)
栗田咲子×柏原孝昭(コレクター)
田中ちえこ×村岡三郎(アーティスト)
濱口直己×植木啓子(キュレーター)
人長果月×片山和彦(ギャラリスト)
北城貴子×池田靖嗣(ギャラリスト)
満江英典×吉川神津夫(キュレーター)
宮城亜梨沙×金悠美(ジャーナリスト)
宮永愛子×熊谷寿美子(ギャラリスト)

購入日:2011年8月20日
購入店:アートコートギャラリー
購入理由:
 ただいま開催中の「Art Court Frontier 2011 #9」に推薦者として参加させて頂きました。今展のカタログは会期後に刊行されるため、カタログ原稿を書く際に参考にしようと購入。それにしても、出品者、推薦者ともに豪華。

Recording Words 097 均一の世界

2011-08-15 23:45:37 | ことば
 今は石油を材料にしてどんなに扱っても壊れん、隣りの人と同じもの、画一的なものを作れというんですからな。いつまでも壊れん、どないしてもいいというたら作法も心構えも何にもいらなくなりますわな。茶碗は人が丁寧に作ったもんでした。下手に扱えば壊れますな。二つと同じものがないんやから、気に入ったら大事にしますな。扱いも丁寧になります。他人のものやったら、なおさらそうでっせ。人様が大事にしているものを壊したらならん、と思いますやろ。物に対しても、人に対しても思いやりがそうしたなかから生まれるもんですわ。文化というのは建物や彫刻、書というものだけやおまへんのや。
 均一の世界、壊れない世界、どないしてもいい世界からは文化は生まれませんし、育ちませんわな。職人もいりません。なにしろ判断の基準が値段だけですからな。これやったら学校も教育もそれでいいということになるんでしょうな。悲しいですな。

(西岡常一「木のいのち木のこころ〈天〉」、西岡常一・小川三夫・塩野米松『木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)』新潮社、2005年、pp.81-82)

作法や心構えをもつ。
二つと同じもののない人とものに接する。
人やものに思いやりを持って接する。

未読日記540 「亀がアキレスに言ったこと――新しい世界の測定法」

2011-08-14 23:06:31 | 書物
タイトル:松井紫朗 亀がアキレスに言ったこと――新しい世界の測定法
編集:豊田市美術館
写真撮影:山本糾
アートディレクション:原田祐馬(UMA/design farm
デザイン:山副佳祐(UMA/design farm)
執筆:都築正敏
翻訳:スタンリーN.アンダソン
印刷:株式会社山田写真製版所
発行:豊田市美術館
発行日:2011年6月
定価:1,000円
内容:
展覧会カタログ
松井紫朗
亀がアキレスに言ったこと――新しい世界の測定法
Matsui Shiro
-What the Tortoise Said to Achilles
会期:2011年6月11日(土)~8月28日(日)
会場:豊田市美術館
A4判、48p

図版
作品リスト/List of Works
「松井紫朗―亀がアキレスに言ったこと」都築正敏(豊田市美術館学芸員)
Masatoshi Tsuzuki,“Shiro Matsui - What the Tortoise Said to Achilles”
作家略歴/Biography
謝辞/Acknowledgements

購入日:2011年8月14日
購入店:豊田市美術館ミュージアムショップ
購入理由:
 先週に引き続き、岐阜行き。午後の打ち合わせの前に、先週見逃した「松井紫朗展」を見るべく始発で豊田市美へ。
 入口を入るとチケット購入の列が出来ていて驚く。豊田市美に来て、チケット購入で並んだことないのに・・。不安に思って側にいた警備員さんに聞くと、列は同時開催の「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」のチケット購入の列で、松井展は、常設展会場なので、チケット購入の場所が別だという(やっぱり)。
 時間もないので、そそくさと会場に入り、度肝を抜かれるスケールの新作《君の天井は僕の床》へ。靴をぬいで中に入れる作品だが、どうやって自立しているのか不思議な空間と空間構成にやられる。図録では子どもがかわいい(子どもを使うのはズルい)。その後の会場の導線、作品の見せ方がよく、どんどんテンションが上がる。視界に作品が入ってくることが楽しい。
 これまでの略歴を見ると、松井紫朗は日本での個展が少ない。今展で少ないながらも過去作から新作まで通して見れたことで、松井の世界観が体感できた。フェルメールと同時期開催とはもったいないくらい質の高い展覧会だ。