A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記460 「mirage」

2011-01-31 01:07:35 | 書物
タイトル:Mirage カタログ
企画・プロデュース:宮下忠也
編集:ヤマガミユキヒロ
撮影:草木貴照
発行日:2010年6月
内容:
同志社大学京田辺キャンパスにて開催された《mirage》展(2009年10月31日・11月1日)の展覧会カタログ。
A5判、カラー、18p

牛島光太郎「intentional accident/意図的な偶然」
林勇気「やすみのひのしずかなじかん/afterglow」
宮下忠也「ノマドの詩」
山岡敏明「GUTIC/グチック」
ヤマガミユキヒロ「NightWatch/Dancing Neon/AirScape #1」
作品レビュー
木戸好信「<現実界>のかけらを展翅する~牛島光太郎 intentional accident/意図的な偶然~」
――――「視覚の彼岸/彼岸の視覚~ヤマガミユキヒロ Dancing Neon/AirScape #1~」
遠藤徹「グチックに不意を打たれる~山岡敏明 グチック/GUTIC~」
――――「断片たちの祝祭と変性~宮下忠也 ノマドの詩~」
小林剛「いったい<ぼく>はどこにいるんだろう?~林勇気 やすみのひのしずかなじかん~」
作家・レビュアー紹介

頂いた日:2011年1月21日
頂いた場所:Gallery PARC
 京都・Gallery PARCに《山岡敏明:GUTIC STUDY》展(2011年1月11日~1月23日)を見に行った際、ギャラリーの方より頂いた1冊。どうもありがとうございます。
 本書は、その山岡氏が出品したグループ展《mirage》のカタログ。この展覧会は見ることができなかったが、内容からすると質の高い仕事をする作家が揃っており、期待を抱かせる。また、本書には同志社大学に所属する研究者3人によるレビューテキストが付されており、このような小冊子としては珍しい。
 それにしても、山岡氏のグチックはやはり異色である。黒い形体が醸し出す不穏にして魅惑的な形体は、いつまでも見ていたくなる。

散歩のとき何か食べたくなったのだ20 シベリア 3

2011-01-17 23:36:11 | たべもの
購入日:2010年12月31日
商品名:シベリア
購入店:サンモリッツ名花堂
 何か考えごとをしていると、偶然が引き寄せられるようだ。
 森美術館に行った後、ぶらぶらと大晦日の麻布十番商店街を散歩しつつ、ふらりと香りに誘われ入ったパン屋。どこか懐かしのパンが並ぶ店内に私があれほど探していたシベリアがあっけらかんと売られているではないか・・。ここで買わねば2010年が終われないと思い、震える手を押さえつつトングでシベリアを掴む。
 会計時、店のおばさんに「これ、知ってる?」とシベリアを指して問われる。私は自信を持って「シベリア」と答え、しばし「シベリア」話に話が弾む。おばさんによると、その名前の由来は「シベリア」の凍土をイメージしたものだとこと。今では作る店も少なくなった「シベリア」だが、遠い昔に思いを馳せつつ、年の暮れにシベリアを味わうのもいいものだ。
 なお、シベリアを食べ歩きするのはさすがに形態(携帯)上難しい。思わぬ出会いで興奮したのか、小腹がすいた私は少し先の月島家で出来たての今川焼きを食した。値段は御座候と較べると高いが、冬の食べ歩き散歩は都市遊歩者には堪らない楽しみだ。


こちらは紅茶のシフォンケーキ。
味としては、(やはり)こちらの方がおいしかった。
ごちそうさまでした。

Art Stroll:2010年12月31日(金)

2011-01-15 23:49:20 | 美術
・小谷元彦展:幽体の知覚
Odani Motohiko: Phantom Limb
2010年11月27日(土)~2011年2月27日(日)
森美術館

・MAM PROJECT 013:カテジナ・シェダー
Katerina Seda
2010年11月27日(土)~2011年2月27日(日)
森美術館ギャラリー1

・南川史門展「そして、ABC、それから」
Shimon Minamikawa “AND, ABC, THEN”
2010年12月14日(火)~2011年1月10日(月)
六本木ヒルズアート&デザインストア スペースA+D

いまさらですが、2010年もたくさんの展覧会を見させて頂きました。
作家、ギャラリー・美術館の皆さま、すばらしい展覧会をどうもありがとうございます。


散歩のとき何か食べたくなったのだ19 シベリア 2

2011-01-13 23:32:41 | たべもの
食時:2010年12月28日
商品名:シベリア
店名:コテイベーカリー
 家人にシベリア調査について話したところ、桜木町で買い求めてきてくれた1品。コテイベーカリーはホームページにおいてもシベリアにかなり力を入れている。その意気込みが半端でないのは予想できたが、このシベリアがまたすごい。羊羹の部分が築地木村家のシベリアと較べると圧倒的にボリューム感があるのである。思わずたじろぐぐらいの羊羹度にこちらの心も凍土と化しそうなシベリアである。
 だが、相当の甘さを覚悟して食してみると、その懸念は消えた。カステラに挟まれた羊羹は、水羊羹に近く食べやすいのである。カステラmeets水羊羹。だからカステラ部分が細めなのか・・。カステラと羊羹の比率に、シベリアの秘密がありそうだ。
 今後は、シベリア測量も視野に入れながら、シベリア研究を継続していきたい。

シベリアの断面

 

散歩のとき何か食べたくなったのだ18 シベリア 1

2011-01-11 23:46:29 | たべもの
購入日:2010年12月28日
商品名:シベリア
購入店:築地木村家 
 大正時代、羊羹をカステラで挟んだ「シベリア(ケーキ)」なる菓子があった。その存在を知ったのは、大阪・帝塚山画廊で開催された「後藤靖香展:羊羹オサライ」を見たときであった。出品作品の1つに、シベリア(ケーキ)を持った水兵が描かれていたのである。ギャラリーの方にお伺いすると、それはシベリアケーキだという。そして、展覧会タイトルの「羊羹オサライ」とは、今展の作品が大正時代の大祖父をモデルとした作品であることから、その時代に広く一般庶民に食されていた羊羹(シベリア)の時代を再び「オサライ」するという意味があるのだという。
 ちょうど個人的にも大正時代を調べていたこともあり、シベリアが現在でも食べられるのか気になり訪ねてみる。すると、東京の築地あたりでまだ販売している店があるという。ならば、大正に生まれた菓子を食べることで、この時代を体感してみようと考えた。食による大正研究である。
 その後、調べた結果分かったのが今回買い求めた築地木村家である。木村家というと酒種あんぱんで有名な「銀座木村屋」が有名だが、「や」の字が異なる。銀座は「木村屋」だが、築地は「木村家」である。
 築地駅を降り、店に向かうと、外の看板に「シベリア」の貼り紙が堂々と掲げられている。ホームページにも、「お客様からのご要望がとにかく多かったために、一丁やるか!と販売」と書かれてあり、シベリア人気は健在のようだ。逸る気持ちを抑え、狭い店内に入る。目指すシベリアはガラスケースの中に並べられていた。探し求めてきたシベリアと対面した興奮から3個入り520円のセットを購入(ついでに、となりに並んでいた「ジンジャー黒パン」が空腹の要求を抑えきれず衝動買い)。

 食べてみると・・甘い!お茶がほしい・・。食べ進むほどに、なぜカステラと羊羹のコンビネーションなのかわからなくなるほど、微妙かつ濃厚な組み合わせに胃も心も満たされた。
 ちなみに、この「シベリア(ケーキ)」は、発祥地、考案者、由来も正確にはわかっていない。シベリア出兵の年に販売されたとか、シベリア凍土をイメージしているなど諸説があるようである。今後は、日露関係も視野に入れ「シベリア」研究を継続していきたい。
つづく。

シベリアの断面

Art Stroll:2010年12月28日(火)

2011-01-09 23:07:45 | 美術
・大正イマジュリィの世界 デザインとイラストレーションのモダーンズ
2010年11月30日(火)~2011年1月23日(日)
渋谷区立松濤美術館

大正時代について調べていたところ、開催を知った展覧会。これは見なくてはならない。そして、その内容たるや想像以上のヒットであった。モダンにして奇想、ユニークなデザイン、イラストレーションの数々に魅了される。大正時代の美術・デザインはかなりおもしろい。また、かなりディープな展示構成も思考のアイデアがたくさん詰め込まれていて、今後の参考になった。感謝。

散歩のとき何か食べたくなったのだ17 御座候

2011-01-08 23:26:42 | たべもの
購入日:2010年12月26日
商品名:赤あん
購入店:御座候 JR京都伊勢丹店
 冬、東京では鯛焼きを見かけるが、京都ではあまり見かけない気がする。関西では大判焼き(今川焼き)が一般的なのだろうか。そこで、京都の方に今川焼きのおすすめ店を聞いてみたところ、教えてもらったのが御座候(1955年に兵庫県姫路市に創業)。
 所用があって京都駅に行った際、伊勢丹店で赤あんと白あんをお試し買い。思った以上に白あんがおいしかった。そして1個80円とお手頃価格で食べやすい。百貨店に入っているテナントでありながら、1個80円というのはそうそうない気がする。今度は、御座候が運営するあずきミュージアムにも行ってみようか。

散歩のとき何か食べたくなったのだ16 妖怪 豆狸のおやつ

2011-01-06 23:00:05 | たべもの
購入日:2010年12月24日(金)
品名:妖怪 豆狸のおやつ
購入店:hito-iki
 大阪・難波のAIR1963ビルに入居するアートスペースCASで開催された日韓交流展「W-Door」。その出品作家の1人である河井聖子(アーティスト/妖怪博士)がカフェとパン屋Hito-ikiと共同で制作したのがこの「妖怪豆狸のおやつ」である。簡単に言うとブラウニーだが、これも出品作品の1つであり、販売も展覧会会期中のみとなる。限定品かつ500円というお手頃価格だったので購入。1人クリスマスイブの酒の肴にちょうどいいかも・・。
 添付の解説によると、豆狸(まめだぬき)とは西日本に伝わる妖怪で、大阪市東本願寺難波別院の南側の石垣辺りで、雨の晩などに酔客の折り詰を奪ういたずらをしたという。
 そこから本作品は「豆・酔っ払い・折り詰め」をキーワードとし、素材にきな粉、豆乳、甘納豆、隠し味に酒粕を用いている。ほんのり香る酒粕の風味が作品に深みを与えている。小品(商品)ではあるが、豆類の食感が食べ応えがあってとてもおいしい。作品名に「妖怪」とつくので、ゲテモノ的な要素もあるのかと思いきや、とてつもなく高品質かつ上等なお味でありました。豆狸は食通か。ちなみに、パッケージは折り詰め風にデザインされており、酔客の折り詰めにしてはかわいらしい。
 帰宅後、豆狸を相手に呑んでいたら、案の定私が酔客になってしまった。しかし、「豆狸のおやつ」は奪われなかった。

河井聖子web site→https://sites.google.com/site/seicokkira/


河井聖子×Hito-iki『妖怪 豆狸のおやつ』2010年、チョコレート、バター、洗双糖、豆乳、酒粕、卵、きなこ、ベーキングパウダー、甘納豆
折り詰めのパッケージになっています。