A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

TOUCHING WORD 060

2008-08-29 23:53:16 | ことば
だが、私のひたすら念ずるのは、世界を愛しうること、世界をけいべつしないこと、世界と自分を憎まぬこと、世界と自分と万物を愛と賛嘆と畏敬をもってながめうることである
(p.93 「シッダールタ」『新潮世界文学37 ヘッセⅡ』ヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳、新潮社、1968.11)

雨続きの日々、雨の中写真を撮り始めたら、雨が待ち遠しくなった。
帰りが遅い日々、夜の中写真を撮り始めたら、夜が待ち遠しくなった。

A PIECE OF FUTURE 2008.8.28

2008-08-28 23:22:17 | 美術
先週末に手にした展覧会チラシよりピックアップ&リンクします。
秋はどんなに歩いても気持ちがいいので散歩日和です。センチメンタルな秋の空を見ると小津安二郎の映画が見たくなってきます。


●塩津淳司 空想エクスタシー
2008年8月25日(月)-9月6日(土)
ギャラリイK
アトランティコギャラリー

橋本誠プロデュース、ゲストキュレーターに樋口昌樹を迎えた塩化ビニルや樹脂など人工的な素材を用いてインスタレーションを制作する塩津淳司の展覧会。印象としては、大巻伸嗣のような空間的なスケールをもったインスタレーションを制作するようになり、飛躍してきた感がある。だが、大巻と違い鑑賞者に働きかける要素は少なく、この2会場でどのような空間を見せてくれるのだろうか。

●工藤昌伸13回忌追悼 工藤和彦展「木(SHIRAKI) PART Ⅱ」
2008年9月4日(木)-9月9日(火)
小原流会館 1F・2F・B2<エスパスOHARA>

いけばな作家工藤和彦による6年ぶりの個展。「木(しらき)」をテーマとした個展は1981年に次いで2回目となる。内容は「木(しらき)」となっているが、木以外の草花も登場するらしく、必ずしも「木(しらき)」にこだわったものではないようだ。せめて、チラシテキストに「しらき」の能書きでも述べてあればまた違うのだが、いけばな展はどうにもコンセプトから外れる傾向があるのだろうか。外れると言えば、樹木・流木などを素材とした立体造形はいけばなとは思われない風潮があるが、はたしてそうだろうか。彫刻といけばなの境界線を一考する上でも、この展覧会は一見だろう。

●ダダカン2008 糸井貫二・人と作品 鬼放展
第一会場・銀座2008年9月8日(月)-9月20日(土)
ギャラリー・アーチストスペース
第二会場・東高円寺2008年9月14日(日)-9月27日(土)
ギャラリーPara GLOBE

ダダカンこと糸井貫二のことを知ったのは、竹熊健太郎氏の著作だった。エピソードとして有名なのは大阪万博の時、太陽の塔に向かって全裸で走り機動隊に逮捕されたという話だろうか。その時の衝撃(笑撃?)は忘れられない。だが、その本を初めて読んだ高校生の時からだいぶ時間がたった。いまこうしてチラシを得て見ると、「まだやっているのか‥」という悲しみが湧いてくる。前衛、ダダイズム、アナーキズム、ハプニングゲリラ‥すべて2008年の私には空虚でくだらない言葉にしか聞こえない。

●Akasaka Art Flower 08
2008年9月10日(水)-10月13日(月・祝)
赤坂サカスを中心とした赤坂一帯
http://sacas.net/artflower/

キュレーター:窪田研二。これもまた空虚な展覧会。町おこしの一環なのだろうが、ここでこれらの作家たちが作品を展示することでどれほどの意味と変化が期待できるのだろうか。横浜トリエンナーレもそうだが、テーマと参加作家・作品にあまり魅力が感じられない。とはいえ、個人的には大津達は気になる。ちなみに入場料は1000円。ただ秋空の赤坂を散歩した方がどれぐらい気持ちいいか秤をかけてみる。

●八犬伝の世界
2008年9月13日(土)-10月26日(日)
千葉市美術館

曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』を題材とした美術、文学、漫画、映画、演劇など
の作品を取り上げた展覧会。原作は全98巻106冊という超長編伝奇小説。さすがにここまで長いと読む気がおきない‥。

●パリ-ニューヨーク 20世紀絵画の流れ フランシス・リーマン・ロブ・アート・センター所蔵品展
2008年9月6日(土)-11月3日(月)
府中市美術館

近年、美術館のコレクションを紹介する展覧会は数多あったが、ついに大学の美術品コレクションを紹介する展覧会まで行なわれるとは、うれしいやら嘆かわしいやら‥。「20世紀美術の流れ」とはなんのひねりもないタイトルだが、関連講演会の講師・本江邦夫、山本仁志両氏ともに「アメリカ」が主題となっていて、館としては「アメリカ」に軸があるようだ。こうなると抽象表現主義の作品が見れると期待していいのかしらん。

●高山辰雄遺作展 人間の風景
[前期]2008年9月13日(土)-10月5日(日)
[後期]2008年10月11日(土)-11月3日(月・祝)
練馬区立美術館

●高松宮殿下記念世界文化賞20周年 Art of our time
2008年9月27日(土)-11月9日(日)
上野の森美術館

世界文化賞の20周年を記念して、絵画・彫刻部門の過去の受賞者41名+今年の受賞者による国内所蔵の代表作を集めた展覧会。企画としては、こちらもひねりがないが、これだけの作家の作品を国内所蔵作品中心とはいえ、まとめて見れるのはかなり見ごたえがある。サイ・トゥオンブリー、ロバート・ライマンなどなどマイスター級の作家たちの作品を拝みに行きたい。関連して映画部門もやってほしいものだ。

●岡村桂三郎展
2008年9月13日(土)-11月24日(月・祝)
神奈川県立近代美術館 鎌倉

作品がデカいだけに会場が狭い気がするのですが‥。でも、コバヤシ画廊で展示しているぐらいだから大丈夫なのだろう。

□ルー・リード/ベルリン
2008年9月27日公開 渋谷・シネクイント
監督:ジュリアン・シュナーベル
出演:ルー・リード

2006年、ニューヨーク。33年の年月を経てルー・リードのアルバム「ベルリン」の全曲ライブ・パフォーマンスを記録したライブ・フィルム。1973年のアルバム発表時は、商業的に失敗し、以後「ベルリン」に収録された楽曲はステージで演奏されることはなかったというから、このベルリン・ライブは貴重だろう。今、聞くとけっこうポップで普通に聞けるのだが、当時は受け入れられなかったらしい。しかし、かくいう私も高校生のとき聞いた時は何度か聞いたものの、馴染めずあまり聞かなかった。こうして10年ほどたってから聞きなおすと逆にスラスラ聞けるから不思議だ。シュナーベルとしては初のドキュメンタリーとなり、どのような作品を作り上げているだろうか。音楽ドキュメンタリーを撮るあたり、ヴィム・ヴェンダースのような位置を狙っているのだろうか。





未読日記201 「赤い風船/白い馬」

2008-08-26 23:59:01 | 書物
タイトル:CINE SWITCH GINZA vol.183 赤い風船/白い馬
編集:クレストインターナショナル
資料作成:遠山純生
デザイン:大寿美スミエ
発行:カフェグルーヴ
定価:600円
内容:
東京・シネスイッチ銀座にて公開中のアルベール・ラモリス監督作品『赤い風船』(1956)、『白い馬』(1953)のパンフレット。

イントロダクション
ストーリー
「人間の丁寧な手仕事」谷川俊太郎(詩人)
「子どもとおなじ視点で」岸田衿子
「赤い風船」淀川長治(映画評論家)
「白い馬」淀川長治(映画評論家)
『赤い風船』の舞台 メニルモンタン
『白い馬』の舞台 カマルグ
インタビュー:パスカル・ラモリス
スタッフプロフィール
『赤い風船』応援団
映画クレジット

購入日:2008年8月23日
購入店:シネスイッチ銀座
購入理由:
初めて『赤い風船』という映画を見たのは私がまだ大学生のとき受けていた授業でだった。小さな教室の小さなブラウン管テレビだったが、その至福と感動と衝撃は忘れられない。授業後、ビデオレンタル店でビデオがないか探し回り、再度見たほどであった。

その後、DVDも未発売なため、見る機会がほとんどなかったのだが、この度のリバイバル公開でついにスクリーンで見ることが叶った。これがどれほどすばらしい経験であり、事件であるかはこの映画を一度でも見たことがある人ならわかってくれるだろうか。そして、うれしいのが今回はラモリスの『赤い風船』の前作にあたる『白い馬』との2本立て公開なのだ。

物語は少年が電燈に引っかかっていた赤い風船を取る。すると赤い風船がまるで生きもののように少年との言葉のない交流・友情が起きはじめ‥と極端に要約してしまうならそれだけの話だ。だが、映像に写るその赤い風船の「赤」のすばらしさ!何度見てもどうやって風船に息を吹き込んでいるのかわからない生命感のすばらしさ!舞台となる1950年代パリ・メニルモンタンのすばらしさ!セリフの少なさにもかかわらず多くの感情を伝える映像のすばらしさ!

『赤い風船』の前作にあたる『白い馬』を見ると、『赤い風船』という映画が『白い馬』の延長上にあることがわかるだろう。どちらも少年が大好きな白い馬、赤い風船を得るはものの、大人たち、同級生たちから狙われ追われることになるからだ。それぞれ約40分の映画ながら、どちらの物語にも追う/追われるサスペンスがある。しかし、誤解しがちだが、追う者が悪だということにはならない。ラモリスが作り出す映像からは追う大人や同級生たちをそのようには描いていない。まるで誰だって白い馬や赤い風船が大好きだから追ってしまうのだとでも言うように。しかしそのサスペンスの結果、どちらの映画もハッピーエンドとも言い切れない苦さが残ることになる。だが、その余韻こそまさに「映画」なのだ。
「映画」を劇場のスクリーンで見るものと定義するなら、真の「映画」は観客を現実から離れさせ、そして終りには現実へと送り返さなければならない。いつかは「映画」は終わる。「映画」は終わり、現実が始まる。しかし、その現実が始まったときから、観客の中で再び「映画」が生きはじめる。真の「映画」とはそういうものだ。だが、安心してほしい。『赤い風船』『白い馬』という2本の映画は真の「映画」だからだ。劇場があなたを現実へと送り返しはするが、この映画たちはあなたを笑顔で送り出すことだろう。

最後に映画に出てくるどちらの少年もひとりぼっちだということを指摘しておきたい。短編という時間的制約からたくさんの人物を登場させられないという理由もあるだろうが、ひとりぼっちという設定は映画に大きな効果を生んでいる。放課後に友だちと遊びに行くような少年は赤い風船なんかと遊ばない。私の勝手な思い込み(思い入れ)ではあるが、これはそんなひとりぼっちの私の映画であり、あなたの映画だ。



TOUCHING WORD 059

2008-08-20 23:12:16 | ことば
私は自分の発見したことを言っているのだ。知識は伝えることができるが、知恵は伝えることができない。知恵を見いだすことはできる。知恵を生きることはできる。知恵に支えられることはできる。知恵で奇跡を行なうことはできる。が、知恵を語り教えることはできない。
(p.90 「シッダールタ」『新潮世界文学37 ヘッセⅡ』ヘルマン・ヘッセ、高橋健二訳、新潮社1968.11)

私は知恵がほしい。知恵を見いだしたい。知恵を生きたい。知恵に支えられたい。
この世界を生きるには知恵が必要だ。

A PIECE OF FUTURE 2008.8.19

2008-08-19 23:07:26 | 美術
お盆休みのため秋以降の展覧会情報大量収穫。年始のころは、今年はたいして見るものないと思っていたが、こうして見ると見たい展覧会けっこうあるものだ。


○現代美術への視点6:エモーショナル・ドローイング
2008年8月26日(火)-10月13日(月・祝)
東京国立近代美術館

アジア、中東出身作家16名(組)によるドローイング表現をテーマとした展覧会。不勉強なため知らない作家ばかりだが、この機会に出会ってみたい。
ちなみに、少数ですがチケットあります。欲しい方には先着順でさしあげます。
29日までに私のPCか携帯にメールください(私のメールアドレスを知らない方は応募はご遠慮ください)。

○ニューアート展2008 ブラジル×ヨコハマ 時の懸け橋
2008年9月5日(金)-9月26日(金)
横浜市民ギャラリー

ブラジル移民100周年記念による交流展。ブラジル好きなもので、ちょっと気になるが、企画としては平凡か。

○川合玉堂とその門下
2008年9月6日(土)-10月26日(日)
講談社野間記念館

○アーツ・アンド・クラフツ[イギリス→アメリカ] ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで
2008年9月13日(土)-11月3日(月)
埼玉県立近代美術館

UK-Japan 2008公認イベントのひとつ。アーツ・アンド・クラフツ運動をアメリカへの影響まで含めてその展開を紹介する展覧会。UK-Japan 2008の一環であるなら、[イギリス→日本]ではないの?なぜ、アメリカなのか不思議・・。

○ジャパンブラジルクリエイティブアートセッション
2008年9月13日(土)-10月13日(月・祝)
川崎市市民ミュージアム

こちらもまたブラジル移民100周年を記念した日本ブラジル交流展。建築家オスカー・ニーマイヤーの作品もあるとか。

○TAMA VIVANT Ⅱ 2008 イメージの種子
東京展2008年9月20日(土)-10月4日(土)
多摩美術大学八王子キャンパス絵画東棟ギャラリー
情報デザイン棟・芸術学棟ギャラリー
みなとみらい展2008年10月10日(金)-10月16日(木)
みなとみらい線みなとみらい駅地下3階コンコース

展覧会公式サイト
TAMA VIVANT Ⅱ2008

いままでのTAMA VIVANT展出品作家+荒木一真、郭仁植、海老塚耕一のドローイング、作品を展示する展覧会。企画趣旨がよくわからないが、もしチラシ表面に書かれた作家がほんとに出品するとするなら豪華だ(チラシとウェブに掲載されている出品作家名が異なっていて疑問・・)。かつて携わったことのある者としては、学生の分際で展覧会企画・運営をすることでかけたご迷惑・失礼の数々をいまだ申し訳なく思い、後ろめたい責任を感じてしまう。あげくに25周年とかで再び出品してくれなどとはとても私にはできない。そんな複雑な心境とは別に観客としてはTAMA VIVANT展は現存するアニュアル展としては(最も?)長い展覧会なのだから、評価は別としてやはり若手作家をどんどん取り上げていくべきだろう。最近でこそ、武蔵美、女子美、造形大などでも若手作家を紹介するプロデュース展をやっているのだから、このような中途半端な小品展より物議をかもすぐらい企画力のある展覧会を見たいものだ。

○渡辺英司展 図鑑庭園
2008年9月20日(土)-10月26日(日)
みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム

○丸山直文展-後ろの正面
2008年9月27日(土)-11月9日(日)
目黒区美術館

サブタイトルが言い得て妙。丸山直文もだいぶ作風が変わってしまったが、この展覧会でその変遷を見ることができるだろう。

○安藤忠雄建築展 [挑戦-原点から-]
2008年10月3日(金)-12月20日(土)
ギャラリー・間

安藤忠雄が東急大井町線上野毛駅のリノベーションまで手がけているとは知らなかった。あの駅も周辺もだいぶ変わってしまうのだろうか。

○平松保城のジュエリー かたちのエッセンス
2008年10月4日(土)-12月7日(日)
東京国立近代美術館工芸館

○仏像インスピレーション 仏像に魅せられた彫刻家たち
2008年10月17日(金)-11月24日(月)
小平市平櫛田中彫刻美術館

昨年の<日本彫刻の近代展>(東京国立近代美術館)への小平からのアンサー展?橋本平八が見たい!戸谷成雄講演会、小泉晋弥・田中修二・黒川弘毅・朴亨國・藤井明によるシンポジウムも熱い内容になりそうで個人的にかなり期待度高し。

○日本の新進作家展vol.7 オン・ユア・ボディ
2008年10月18日(土)-12月7日(日)
東京都写真美術館

出品作家が女性のみという内容に誰が企画したかなんとなくわかってしまうが、「身体」と「女性」というテーマにやや古びた感がなくもない。もう一味スパイスがほしいが、志賀理江子の写真は一度実作を見たかったので足を運ぶことにしたい。

○没後40年 レオナール・フジタ展
2008年11月15日(土)-2009年1月18日(日)
上野の森美術館

フランス・エソンヌ県議会蔵の群像大作4点の日本公開が話題の展覧会。最初で最後というコピーだがホントかしらん?余談だが、巡回先の1館である宇都宮美術館バージョンのチラシの印刷があまりに悪くて驚いた。とてもこの印刷・デザインでは見る気になれない。フジタのあの細い線は印刷では難しいだろうとは思うが、これはちょっとない出来。

●高木正勝コンサート”Tai Rei Tei Rio”
2008年10月15日(水)、16日(木)
めぐろパーシモンホール 大ホール

個人的にマストなコンサートなのだが、よりによって平日公演のみで残念。実家から程近い場所でまさか高木正勝のコンサートをやるとは驚きだが、今年2月にスティーヴ・ジャンセンの来日公演をやっているだけにあなどれないホールだ。

●勅使河原三郎ソロダンス”Here to Here”
2008年9月20日(土)、21日(日)
彩の国埼玉芸術劇場 大ホール

真っ白な光の壁が三方と天井を囲む空間でダンスするという究極のミニマルソロダンス。勅使河原三郎はいままで見る機会を逸してきたが、今度こそは行かれるか?


UNTIL THE END OF THE WORLD

2008-08-18 22:59:09 | Weblog
報告遅くなりましたが、8月11日<MOMAT NIGHT -加藤さん、生まれてありがとう->にご来場どうもありがとうございます。

バースデー&DJイベントを兼ねるというメンバーの究極の自己満足イベントでしたが、自分は最高でした。もうそれでいい気がします。はい。

以下、セットリストです。

19:00-19:35
Steve Reich / Clapping Music (1972)
Sambassadeur / The Park (2008)
Small Sails / Backside of a Magnet (2007)
The Abbasi Brothers / Stacy's Day Parade (2008)
miaou / morning sun (2008)
Coldplay / In My Place (2002)
epic45 / River Traffic (2004)
The Jesus and Mary Chain / Darklands (1987)

お客様がいない時間だろうと思い、その閑散ぶりを際立たせるような選曲に暴走いたしました・・。もちろん踊れません。epic45、9月来日します。日本のポストロックバンドmiaouとのツインライブです。私は行きます。サマーソニックでColdplayは見ましたか?私は見てません。正確にはラスト1曲だけ聞きました。ラストはここ最近のブームで押し込みました。イントロを聞くだけで泣けます。

20:45-21:20
Super Furry Animals / The Man Don't Give A Fuck (2005)
The Avalanches / A Different Feeling (2001)
Buffalo Daughter / Discotheque Du Paradis (2001)
Hot Chip / Ready For The Floor (2008)
Sambassadeur / Final Say (2008)
New Order / Ceremony (1981)
The Jesus and Mary Chain / Head On (1989)

ダンスミュージック中心にセレクト。New Orderは選曲間違えました。悔しい・・。でも楽しかったです。ツボです。Hot Chip最高です。Sambassadeurとジザメリは結果的に前後半それぞれセレクト。Sambassadeurはスウェーデンのエレクトロニカポップバンド。この夏はそうとう聞いてます。

ではまた次回、フロアでお会いしましょう。

未読日記200 「シンセサイザー・クロニクル」

2008-08-08 21:23:17 | 書物
タイトル:大人の科学マガジン 別冊 シンセサイザー・クロニクル
特別監修:松武秀樹、氏家克典
AD・装丁:修水
発行:学習研究社
発行日:2008年8月8日
内容:
○シンセサイザークロニクルPHOTO GALLERY
○30年の時を超えてYellow Magic Orchestraが見せた電子音楽の未来
 細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏
○ロバート・モーグ モーグシンセサイザー誕生物語
○冨田勲 Message from Isao Tomita
○In the room
 テイ・トウワ、浅倉大介、アトム・ハート、POLYSICS、中田ヤスタカ、レイ・ハラカミ、常盤響、アユセコズエ、須永辰緒
○新世代インターフェイスを楽しむ WITH CORNELIUS
○ふろくで遊びました。 石野卓球
ほか
○ふろく アナログシンセサイザーSX-150

大人の科学.net→http://otonanokagaku.net/index.html


購入日:2008年8月3日
購入店:青山ブックセンター 六本木店
購入理由:
ついにこんな本まで出るとは!かつてテルミンを付録につけた「大人の科学」がまたまたすごい企画をたててしまった。ふろくにアナログシンセサイザーSX-150がつくなんてすごい企画ではないか。電子音楽好きにはたまらず思わず衝動買い。誌面の方もシンセ初心者からマニア向けまで楽しめる内容で盛りだくさん。個人的にこういう企画は小躍りするぐらいうれしい。まさに大人の楽しめる雑誌だと思う。雑誌でこんなに興奮したのは「旬」がまるごとマガジン以来か。さて、シンセの練習でもしますかな。


 

未読日記199 「Artで街をやさい畑にするProject Guide Book」

2008-08-07 23:26:26 | 書物
タイトル:Artで街をやさい畑にするProject Guide Book
編集・制作:安田洋平
デザイン:ゴロゥ
企画:ワタリウム美術館
発行:ファブリス・イベール展実行委員会
発行日:2008年4月26日
内容:
東京・ワタリウム美術館にて開催されている<ファブリス・イベール たねを育てる展>(2008年4月26日-8月31日)の関連企画として行なわれている<Artで街をやさい畑にするProject>のガイドブック。このプロジェクトは作家の提案により青山、神宮前地区のさまざまな地区で野菜を育てるというもの。

・Vegetable Map エリア・ガイドマップ
・こんなやさいが登場 葉っぱと実のマッチング
・絵によるプロジェクト説明

入手日:2008年8月3日
入手場所:ワタリウム美術館
近年、農業をモチーフに作品を制作するファブリス・イベール。彼の今回の展覧会「たねを育てる」展は展示室内に草原の小道があったり、ミツバチ、ハエ、ミミズが飼育されていたりと通常の美術館ではまずできない、見られない作品が展示され鑑賞者を驚かせる。公立の美術館ではなく私立の美術館だからこそできる企画・展覧会だろう。ミミズ50匹を飼育しているなんて、まずできない!というよりミミズそのものは土に隠れていて見えないのだが、50匹という具体的な数字のリアリティに驚く。生きているハエを展示するというのも以前ある彫刻家がやっていた記憶がするが、イベールの作品はこれといった意図も構成も感じられない。これもミミズと同じくハエ50匹くらい展示すべきだった。たかがハエ10数匹では動物園の昆虫館などに行った方がより大量の虫に出会えるだろう。
この展覧会は青山・外苑前地区の空き地、商店の軒先に野菜を育てるプロジェクトも同時に行なわれ、思わぬところにシシトウやゴーヤが植えられていたりして、散歩をしていると一瞬目を疑ってしまうなど野菜発見がおもしろい企画となっている。
もともとは仕事場で「野菜でいけばなをする」という企画があり、ならば美術に野菜を使っているこの展覧会を予習・参考がてら見ておこうと思ったのだ。結局、参考にはならず、展覧会としてものすごくおもしろいかというそういうわけでなく、友人など複数人で行くと楽しい展覧会なのかもしれない。

A PIECE OF FUTURE 2008.8.6

2008-08-06 23:58:24 | Weblog
楽しみにしていた金沢・名古屋行きを諸事情からあきらめざるをえない状況になり、途方にくれた。だが、じっとしていられない性分の私には暑さなど関係なく、関東近県の美術館めぐりでもやろうかと妄想する。行き帰りの車内だけで本1冊は読めるはずだ。いくつになっても金のない夏だけは変わらない。


○内海聖史:四位置
2008年8月2日(土)-8月24日(日)
芸術倉庫

以前から噂に聞きし栃木県の那須にある芸術倉庫にて開催される内海聖史展とくれば是が非でも行きたいとこだが、車がないとまず行かれない場所なのだ。この灼熱の真夏日が続く日々、歩けるだろうか・・。もう少し行き方を模索してみようと思う。

○渡辺兼人写真展 雨の営み
2008年8月18日(月)-8月23日(土)
巷房 3F/B1F階段下

渡辺兼人の写真を初めて見たのはいつだったろうか。写真専門学校に行っていた兄の話から、怖い人というイメージだけが先入観としてはあった。だが、作品を見るとその濃密な空気感、「奇妙に過充電された光景」(by安部公房)の美しさの方が衝撃的だった。木村伊兵衛賞を受賞しながらも、地味に淡々とクオリティの高い作品を発表し続ける渡辺氏の仕事はもっと日が当たってもいいのではないかと思うが、いまの日本の写真界ではこのような人は取り上げられないのだろう。


○スナップショットの時間 三浦和人&関口正夫展
2008年9月6日(土)-10月19日(日)
三鷹市美術ギャラリー

牛腸成雄と同じく桑沢デザイン研究所でともに学んだ三浦和人、関口正夫の写真からスナップショットのありようを考察する展覧会。2004年度に同館で開催した<牛腸成雄展>に続いて、今度は牛腸成雄の周辺にいた人物から写真展を構成しているが、これは同館の研究蓄積のたまものだろう。牛腸展の時もそうだったが、チラシ裏面の写真を見ているだけで、スナップショットの醍醐味が充満していて涙腺を刺激されてしまう。展覧会としては地味だと思うが、これは秋に三鷹で見るにはいい展覧会だと思う。そして、特筆したいのがチラシ裏面に掲載されているテキストだ。通常のあたりさわりのない展覧会紹介テキストというより、エッセイ・批評のように<私>が出ていて、すばらしい文章なのだ。写真を見ることを追体験などではなく、生き直しであり、「根源的な出会いの場を求めての創造の時間なのです。」と書くとき、私はこの展覧会がただの写真展なのではなく、もっと奥深いものを抱えた展覧会なのだということを感じた。

○村野藤吾-建築とインテリア ひとをつくる空間の美学
2008年8月2日(土)-10月26日(日)
松下電工汐留ミュージアム

近代日本建築界の重鎮・村野藤吾の回顧展。村野藤吾と言えば、思い出がひとつある。学生時代、目黒区に千代田生命本社ビル(現 目黒区総合庁舎)があったとき、わずか数ヶ月アルバイトで働いたことがあるのだ。土日の会社が休みのときの仕事だったため、ほとんどの部署が休みで、廊下も電気がつかないという有様だったが、逆に建築がもつ構造や光の取り入れ方などがよく見えて、いい経験になった。いま思い返してもこんなモダニズム建築の建物で働くとは思いもよらなかったが、食堂などから見える風景が美しく今でもとても印象に残っている。結局会社自体がなくなってしまったので、そのビルで働く仕事もなくなってしまったが、村野建築はディテールまでよく作りこんでいて、私は好感をもっている。そんな村野藤吾の建築展とあれば、あのときの感謝の気持ちもこめて出かけなければと思うのだ。

○巨匠ピカソ 魂のポートレート
○巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡
2008年10月4日(土)-12月14日(日)
サントリー美術館
国立新美術館
「巨匠ピカソ展」公式サイト

フランス国立ピカソ美術館のコレクションを2館で展示する大規模なピカソ展。ピカソに対して格別興味があるわけではないのだが、この展覧会のシンポジウム「ピカソ-今日の展望-」(河本真理×田中正之×林道郎×松浦寿夫)はちょっとすごい。気鋭の研究者が4人も集まり、どのようなピカソ論を展開するのか興味深い。結局私が興味を持つのは「今、ピカソを見ることにはどんな理由、発見があるのか」ということだ。現代の視点をピカソ作品に貫通させたとき、そのとき見えてくるものはどんな作品なのだろうか。


未読日記198 「新世代への視点2008」

2008-08-05 23:59:12 | 書物
タイトル:画廊からの発言-新世代への視点2008
編集・デザイン:宇治晶、上田雄三(ギャラリーQ)
発行:東京現代美術画廊会議
発行日:2008年7月28日
内容:
東京・京橋、銀座の10の現代美術画廊にて2008年7月28日-8月9日まで開催された<-画廊からの発言-新世代への視点2008>の展覧会カタログ。

ギャラリーなつか-斉藤里香
コバヤシ画廊-ロー・セファン
ギャラリイK-菅野泰史
ギャラリー現-飯田真人
ギャラリー山口-水村綾子
ギャルリー東京ユマニテ-時松はるな
藍画廊-鈴木敦子
ギャラリー21+葉-諏訪未知
なびす画廊-利部志穂
ギャラリーQ-山内幾郎

各作家コメント、図版10点、作家略歴、記録・新世代への視点2006

入手日:2008年8月2日
入手場所:なびす画廊

10軒の画廊がそれぞれ40歳以下の作家を選抜し個展を開催する<新世代への視点>展の9回目。キュレーターがいるわけではなく、各画廊が選出を行なうので取扱い作家が異なり、10人の参加作家に共通性はないが、各画廊ごとの個性がでていると言えよう。
今回、10展見た上で印象に残ったのはなびす画廊の利部志穂だろう。ものが立つ/立たせるという彫刻の原理を現象化しえている充実した展示であった。使われている素材は日頃目にするような日常品だが、それら大量生産品がまとっている固有の特徴は解体・分割・断片化され、ものへと還元されたかたちで使用される。鑑賞者は空間をめぐり歩き、見ることが発見へと接続する出会いと創造の場がここにはある。
作家によると自身の作品は「知恵のようなもの」だと語っていたのが興味深い。ドアを開けておくために、なにかのものを置くとか、本を置くのにこれを置いたら倒れないとか、日常の中で遭遇するものを固定、設置するためのささやかな名もない試み。その場の空間にしか適用できない「もの」が求める空間との接続を「出会い」と仮に呼ぶとするなら、利部の仕事はまぎれもなくインスタレーションではなく彫刻である。
このような利部の空間の断片化・再構成の究極は家であろう。もちろん家そのものは展示できない。家そのものはないが、家が持っていた空気、雰囲気、ものに付加された名詞を剥ぎ取った上でなお成立する「家」を在りしめること。残念ながら写真でしか見ていないが、昨年、自身の住居所、表参道画廊、和光大学構内にて発表された「家を持ち替える」では、「家」そのものがテーマとなり、もうひとつの「家」を作り出していた。