A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1336 『マルクスその可能性の中心』

2017-08-08 23:52:04 | 書物
タイトル:マルクスその可能性の中心
シリーズ名:講談社学術文庫, [931]
著者:柄谷行人
カバーデザイン:蟹江征治
発行:東京 : 講談社
発行日:2013.8第30刷(1990.7第1刷)
形態:254p ; 15cm
注記:1978年7月講談社より刊行されたものの文庫版である
   シリーズ番号の記述はカバーによる
内容:
マルクス=ヘーゲル主義の終焉において、われわれは始めてマルクスを読みうる時代に入った。マルクスは、まさにヘーゲルのいう「歴史の終焉」のあとの思想家だったからだ。マルクスの「可能性の中心」を支配的な中心を解体する差異性・外部性に見出す本書は、今後読まれるべきマルクスを先駆的に提示している。価値形態論において「まだ思惟されていないもの」を読み思想界に新たな地平を拓いた衝撃の書。

目次

1 マルクスその可能性の中心
2 歴史について—武田泰淳
3 階級について—漱石試論1
4 文学について—漱石試論2
あとがき
学術文庫版へのあとがき
解説 小森陽一

購入日:2017年8月7日
購入店:ジュンク堂書店 天満橋店
購入理由:
 京都・Gallery PARCでの「井上 裕加里:堆積する空気」レビューのための参考文献として購入。
 原稿を書き進んで考えが煮詰まったとき、たまたま石井ひかりの占いのサイトを見ていたら、「石井ゆかりその可能性の中心。」というプロフィールページを見つけた。石井ひかりという人は柄谷行人を知っているのかと驚いた。こんな文言は、本書以外にないだろう。
 そして、私のこの夏は柄谷行人漬けだった。『世界史の構造』(岩波現代文庫、2015年)、『哲学の起源』(岩波書店、2012年)、『帝国の構造 中心・周辺・亜周辺』(青土社、2014年)、『遊動論 柳田国男と山人』(文春新書、2014年)を読んでいて、ここで再び柄谷行人と出会うとは思わなかった。本書は学生時代に一読したことがあったが、本書のことをあらためて調べてみると、マルクスを読み直すことと、井上が「ヒロシマ」を読み直すことが通じるような営為に思えてきて、何かアイデアを得られるかと思い再び再読。