A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

Recording Words 092 面白い

2011-07-31 23:03:33 | ことば
しかし旅行には区切りをつけなければならない。それで松江に泊まっている。外へ出て方方廻って見ても面白くもないから帰ると云うのは宿屋へ帰るので宿屋へ帰ればどう面白いかと云えば宿屋が面白いわけもない。しかしながら物事が何でも面白い必要もない。
(内田百『第三阿房列車 (新潮文庫)』、新潮文庫、2004年、p.148)

 面白さを期待しない。面白いものはそうそうない。でも、この文章は面白い。



未読日記531 「第2回 柴田雅章 クライヴ・ボウエン 二人展」

2011-07-30 23:50:30 | 書物
タイトル:第2回 柴田雅章 クライヴ・ボウエン 二人展
編集:井坂浩一郎
後援:ブリティッシュ・カウンシル
発行:ギャラリー・セントアイヴス
発行日:2011年5月
内容:
A4判、42p、カラー
展覧会カタログ:
第2回 柴田雅章 クライヴ・ボウエン 二人展
2011年5月14日(土)~22日(日)ギャラリー・セントアイヴス

「柴田さんの眼と仕事」中西薫(丹波古陶館館長)
"Clive Bowen" by Professor Sebastian Blackie
「クライヴ・ボウエン」セバスチャン・ブラッキー(ダービー大学教授、"Dear Mr Leach"著者)
図版
クライヴ・ボウエン略歴
柴田雅章略歴

頂いた日:2011年7月28日
場所:東京国際フォーラム
 「アートフェア東京2011」に行った際、ギャラリー・セントアイヴスのブースにて頂いた1冊。どうもありがとうございます。


未読日記530 「アカギの版画パリ百景」

2011-07-29 23:04:58 | 書物
タイトル:赤木の版画パリ百景
著者:赤木曠児郎
デザイン:山口美穂
編集:江川勇、吉川智香子
発行:マリア書房
印刷:大平印刷株式会社
発行日:2008年12月10日
定価:1200円+税
内容:
173×105ミリ 224頁

まえがき
カラー図版
1.真ん中のパリ
2.北のパリ
3.東のパリ
4.左岸(南)のパリ
5.西のパリ
あとがき
略歴

頂いた日:2011年7月28日
場所:東京国際フォーラム
 「アートフェア東京2011」に行った際、埼玉画廊のブースにて作家ご本人より頂いた1冊。どうもありがとうございます。



Recording Words 091 餃子

2011-07-28 23:49:27 | ことば
山系君が駅のホームで買い集めて来た物を、あれこれと蓋を開けている。
「貴君はそんなに食うつもりか」
「食べます」
「それは何だ、一寸見せなさい」
「先生食べますか」
「食べなくていいけれど、見たい」
「これは弁当です」
「それは」
「これは餃子です」
「餃子とは何だ」
「餃子を知らないのですか」
「岡山の新名物か」
「そうじゃありません。東京にだって、どこにだってあります」
「一体何なのだ、山羊の糞みたいじゃないか」
「山羊はこんな糞をしますか」
「僕は見た事がないから知らないけれど」
「要するに焼売は南京風で、餃子は北支の、ざっとそう云ったところです」
「いやに明快だな」
「僕は好きなのです。一ついかがです」
「食べたくはないが、おかしな物を食うね貴君は」
「いいです、戴きます」

(内田百『第三阿房列車 (新潮文庫)』、新潮文庫、2004年、pp.212-213)

今日、餃子を食べたので思い出した一節。
百先生と山系君のやりとりがひたすらおかしい。


未読日記529 「中之条ビエンナーレ 2007-2009 ART WORKS」

2011-07-27 23:19:32 | 書物
タイトル:NAKANOJO BIENNALE 2007-2009 ART WORKS
製作:中之条ビエンナーレ実行委員会
発行日:2011年1月30日
定価:2500円(税込)
内容:
A4判、184p、カラー

「「はじまり」から「これから」へ」山重徹夫(総合ディレクター)
「中之条を駆け抜けたビエンナーレ」西田真実(中之条ビエンナーレ2009実行委員長)
Nakanojo Biennale 2007 / 2009 ARTIST INDEX
Nakanojo Biennale 2007 図版
 ゆかり作家展
Nakanojo Biennale 2009 図版
 中之条商店街地区
 嵩山地区
 故郷養蚕地区
 四万温泉地区
 沢渡地区/その他
 ショップサイト
「いきあう―行き会う―行き逢う」産形美奈子(中之条ビエンナーレ2007-2011副実行委員長)
「中之条ビエンナーレと出会って」桑原かよ(中之条ビエンナーレ2011実行委員長)
「アート×故郷」岡安賢一(町民の声/つむじ内「緑街store」店長)
中之条長のことば「Creativeが行く」入内島道隆(中之条町長)

頂いた日:2011年7月27日
 中之条ビエンナーレ関係者の方より郵送で頂いた1冊。どうもありがとうございます。
 中之条ビエンナーレは2007年に群馬県吾妻郡中之条町で始まったビエンナーレ(2年に1度開催)形式の展覧会。参加アーティストは、国内作家が中心で、街おこしも兼ねた手作り的なビエンナーレである。この規模のビエンナーレとしては、早い方ではないだろうか。私は初回の2007年しか行ったことがないが、その時は、群馬県在住の方が車をだしてくれて見て回って、なかなか楽しかった。ただ、越後妻有もそうだが、アートより中之条の自然や風景の方をより楽しんでいたかもしれない。例えば、木造家屋がおもしろかったとか、夕日がきれいだったとか、うなぎを食べたとか。
 それはさておき、過去2回分の記録がまとまった本書を見て、行かれなかった2009年の大和由佳、村元崇洋の作品がおもしろそうだった。今年も8月20日から開催されるとのこと。関西からはやや遠いが、温泉と合わせて出かけようか。バスツアーもあるらしいし、少し出かけやすくなった。もし、興味がある方がいれば、ご一緒しましょう。

展覧会情報
「中之条ビエンナーレ2011」
2011年8月20日(土)~10月2日(日)
群馬県中之条町 町内43か所
公式ウェブサイト http://nakanojo-biennale.com/
カロンズネット掲載ページ 
http://www.kalons.net/index.php?option=com_content&view=article&id=6572%3A2009&catid=339%3Aexhibitions&lang=ja

Recording Words 090 何もする事がない

2011-07-26 23:57:50 | ことば
何もする事がない。手足を動かす用事はない。ただ考えている。何を考えるかと云うに、なんにもする事がないと云うことを考える。そうしてその事の味を味わう。何もする事がなければ、どうするかと云うに、どうもしないだけである。二三度そんな事を繰り返して、いい心持でぼんやりして来た頭の中に、少しくはっきりした事が纏まり掛ける。眠くはないかと云う事。何か食べる気はないかと云う事。
(内田百『第二阿房列車 (新潮文庫)』、新潮社、2003年、p.149)

 長い時間、電車に乗っているとこんなことを考えている。



散歩のとき何か食べたくなったのだ43 Gallery Ort Project

2011-07-25 23:42:37 | たべもの
頂いた日:2011年7月24日
場所:Gallery Ort Project
 Gallery Ort Projectにお伺いしたところ、この日は開催中の<millefiori 駒田麻衣>展(2011年7月20日~8月1日)のオープニングとのことで、焼菓子を頂いた。どうもありがとうございます。
 お味はプレーンと抹茶。ギャラリー隣りのカフェ「memento mori」によるお菓子とのこと。包装も素敵でいい企画だと思う。


包装がお洒落です


抹茶味です

Recording Words 089 アイスクリーム

2011-07-24 23:55:46 | ことば
 暫らくしてボイが、珈琲とトーストと、別にアイスクリームを三人前運んで来た。その三つをみんな私の前に列べて、端のカップから一匙ふくむ。大変うまい。昨夜もお酒の後でみんなで食べたが、昨夜のはクリーム・サンデエであった。今朝のは、初めからボイに白いのを持って来いと命じたから、三つ共白い。その色と、円く盛り上がった肌が、朝の目をすがすがしくする。家にいるとそう行かないが、旅行に出れば私はアイスクリームばかり食べている。好きなのだろうと思うけれど、どこがどういいのか、考えて見た事もない。味もよくわからない。味わい分けたり、比較したりする事は丸で出来ない。ただ子供の時珍しかった衛生元祖アイスクリン以来、いつでも、あれば食べたいと思う。
(内田百『第二阿房列車 (新潮文庫)』、新潮社、2003年、pp.122-123)

 旅行に出ると食べたくなるものがある気がする。わたしはなんだろう。
それにしても、朝からアイスクリームを食べるとは、百先生は豪快だ。



テレビがないので今さら知ったが、九州新幹線全線開通のCMには驚いた。
車窓から沿道の人々を撮影するというコンセプトは、ポール・フスコの写真《RFK Funeral Train》を思い出させるが、このCMは多幸感・祝祭感に溢れていてすばらしい。
ヘタなアートプロジェクトより、アートしている。

散歩のとき何か食べたくなったのだ42 ぱんだより ノドカ

2011-07-23 22:30:38 | たべもの
購入日:2011年7月23日
商品名:たまねぎのフランスパン
購入店:ぱんだより ノドカ
 ギャラリー巡りの帰路、かあいらしい「パンダ」の看板を見つけて思わず立ち寄ってしまったぱん屋。「パンダ」と「ぱん」をかけるあたり、ダジャレなのに許せるのは「パンダ」のなせる技か・・。
 購入したのは、たまねぎのフランスパン、自家製天然酵母を使用した田舎パン〈ブルーベリーとクリームチーズ〉、あんバターフランスの3品。たまねぎのフランスパンは、たまねぎの甘さがほどよく、思った以上に美味。あんバターフランスは、なるべく早く食べないとバターが溶けてきてしまうので要注意。
 またパンダに会いに買いに行こう。
 

ブルーベリーとクリームチーズです。


「ぱんだより ノドカ」のショップカード

Recording Words 088 お結び

2011-07-17 23:55:55 | ことば
 さて、それではお午にしようかな、と女中相手に相談を始めた。何を召上ります。何と云ったところで、何しろ食べる手続が面倒臭い。茶碗を持って、お代りをして。
 その順序を省略する為に、お結びにしよう。しかし猿蟹合戦の握り飯の様な大きいのはいけない。成る可く小さく結んで、足りなければ数を食べるから、小さい程いい。おかずは佃煮の様な物と漬け物があればいい。かしこまりましたと云って降りて行って、大分手間を掛けてから持って来た。気分を出す為だが知らないが、わざわざ折に詰めて、それをお膳に載せて来た。お結びは猿蟹合戦の様でなく、三角でもなく松茸を筒切りにした程の大きさの鼓の形で、大変食べいいから沢山食べて、おなかが出来た。山系君も沢山食べた。もう大丈夫である。これから晩まで、食事に関しては自他共に案ずる事はない。

(内田百『第一阿房列車 (新潮文庫)』、新潮社、2003年、pp.173-174)

おにぎり、おいしそうだ。