A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 029 才能

2011-11-30 23:42:13 | ことば
 才能のない者は、努力もせずに何かが起こることを期待する。彼らは自分の失敗を努力不足よりも、ひらめきや能力のなさ、不運のせいにする。真に才能のある者はみな、あらゆる物事の達成にはそれ固有の困難がともなうことを自覚しており、継続と忍耐によって価値あるものを実現できるという自信をもっている。才能とは活力の一種なのである。
(エリック・ホッファー『魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集』中本義彦訳、作品社、2003年、pp.158-159)

継続と忍耐あるのみ・・・

視聴覚室008 The Motion Makes Me Last

2011-11-29 23:15:35 | music
視聴覚室の上映も回を重ねてきました。これまでの作品をまとめると鉄道や車、自転車による移動を映像に用いた作品だと言えるでしょう。とりあえず「traveling without moving」というテーマのもと、今後もさまざまな映像を調査していきたいと思います。


from Eluvium "Similes", 2010

memorandum 028 「この世の弱きもの」

2011-11-28 23:55:34 | ことば
 人間は「この世の弱きもの」として生まれたが、「力あるものを辱めるため」に進化した。そして、人間という種においては、弱者は往々にして生き残るだけでなく、強者に打ち勝つための能力と装置を開発している。実際、人類の驚異は、弱者の生き残りに由来する。病弱者や障害者、老齢者に対する思いやりがなければ、文化も文明も存在しなかっただろう。部族の男たちが戦いに出ている間、背後にとどまざるをえなかった不具の戦士こそ、最初の語り部であり、教師であり、職人であった。老齢者と病弱者は、治癒と料理の技術の開発にあたった。尊い賢人、発狂した呪医、癲癇症の預言者、盲目の吟遊詩人、才智に長けたせむしや小びとなどが、そうした人びとである。
(エリック・ホッファー『魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集』中本義彦訳、作品社、2003年、p.138)

「この世の弱きもの」として生き残りたい。

memorandum 027 教育の主要な役割

2011-11-26 22:09:24 | ことば
 教育の主要な役割は、学習意欲と学習能力を身につけさせることにある。学んだ人間ではなく、学びつづける人間を育てることにあるのだ。真に人間的な社会とは、学習する社会である。そこでは、祖父母も父母も、子どもたちもみな学生である。
 激烈な変化の時代において未来の後継者となりうるのは、学びつづける人間である。学ぶことをやめた人間には、過去の世界に生きる術しか残されていない。

(エリック・ホッファー『魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集』中本義彦訳、作品社、2003年、p.135)

学習中です。

memorandum 026 遊び

2011-11-24 23:52:44 | ことば
 アルタミラ洞窟の天井に比類のない動物壁画を描いた旧石器時代の狩猟民たちは、粗末な道具しかもっていなかった。芸術は実用品の制作よりも古く、遊びは労働よりも古い。人間は、必要に迫られてしたことよりも、遊びでしたことによって形作られてきたのだ。人間の独自性と創造性の源泉は、その子どもじみたところに隠されているのであり、遊び場はその能力と才能を開花させる最適な環境なのである。
(エリック・ホッファー『魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集』中本義彦訳、作品社、2003年、p.133)

遊びたい。

memorandum 025 小休止

2011-11-21 23:44:38 | ことば
 人間は本能の不完全さゆえに、知覚から行動に移る間に、ためらいと模索のための小休止を必要とする。この小休止こそが理解、洞察、想像、概念の温床であり、それらが創造的プロセスの縦糸となり横糸となる。休止時間の短縮は、間化を促す。それは精神病患者の場合と同様に、高度に熟練した専門家や独善的なトゥルー・ビリーヴァー(確信者)についても当てはまる。
 鉄の規律も盲目的な信念も、行動を起こす前のためらいを排除しようとする。一方、人間化と文明化をもたらす規律は、衝動と実行との間隔を広げようとする。
 芸術は人間化をもたらす。なぜなら、芸術家は模索し、自らの道を見つけねばならず、終わりなき修練に従事しなければならないからだ。

(エリック・ホッファー『魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集』中本義彦訳、作品社、2003年、p.119)

 ためらいと模索の途中です

未読日記567 「Art Court Frontier 2011 #9」

2011-11-19 23:14:30 | 書物
タイトル:Art Court Frontier 2011 #9
編集:八木光恵、大場美和、清澤倫子、灰田瑞穂
写真撮影:表恒匡
デザイン:才村昌子
制作・印刷:アサヒ精版印刷株式会社
発行日:2011年10月20日
発行:アートコートギャラリー
内容:
展覧会カタログ
「Art Court Frontier 2011 #9」
2011年8月19日(金)~9月17日(土)
アートコートギャラリー

アートコートフロンティア2011
出展作家―推薦者
浅野孝之(立体、インスタレーション)―平田剛志(アートウェブマガジン「カロンズネット」編集長)
上田バロン(イラストレーション、ミクストメディア)―杉崎真之助(グラフィックデザイナー)
占部史人(彫刻、インスタレーション)―大巻伸嗣(アーティスト)
川北ゆう(平面)―大橋恵美(INAXギャラリー)
酒井稚恵(テキスタイル)―深萱真穂(ライター)
西岡桂子(染め)―外舘和子(美術評論家)
野村 在(彫刻、写真)―袴田京太朗(アーティスト)
藤井俊治(絵画)―伊庭靖子(アーティスト)
森田るい(立体)―山城淳一(アサヒビール大山崎山荘美術館)
森本絵利(ミクストメディア、インスタレーション)―下坂浩和(建築家、日建設計)
山下拓也(立体、インスタレーション)―拝戸雅彦(愛知県美術館)

頂いた日:2011年11月19日
 推薦者として参加させて頂いた「Art Court Frontier 2011 #9」の展覧会カタログ。推薦者、初めてのギャラリートークなどとても貴重な経験をさせて頂きました。推薦させて頂いた作家の浅野孝之さん、アートコートギャラリーの方々にこの場を借りて心よりお礼申し上げます。また、会場でお会いできた出品作家、推薦者の皆さま、展覧会・ギャラリートークにご来場頂いた皆さまにも感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 なお、カタログには拙文も掲載されているので、もしご興味ある方はアートコートギャラリーにてお求めください。

注)肩書きは2011年10月20日時点のものです。