A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記905 『REAR 32』

2014-08-27 23:36:38 | 書物
タイトル:REAR : 芸術批評誌リア : 芸術/批評/ドキュメント
卷号:32
編集・制作:馬場駿吉、高橋綾子、増田千恵、楠本亜紀、惣城友美、岩崎愛
デザイン:夫馬孝
発行:名古屋 : リア制作室
発行日:2014.8
形態:140p ; 21cm
内容:
○特集「本をとどける」
・〈対談〉:菊地敬一&古田一晴「本をとどける―芸術と通俗という葛藤の中で」
・〈コラム〉「ぼくたちの時代」島田潤一郎
・〈コラム〉「本を配達する――二年目の取次」川人寧幸
・〈インタビュー〉:鈴木 宏「~知の方向を示す出版社~「読む」ことは考えること」
・〈コラム〉「時代を超えた「出会い」づくり―データベース「ざっさくプラス」の構築を通して―」晴山生菜
・〈コラム〉「芸術系大学の図書館のささやかな試み」大橋基博
・「最高を、丁寧に。――月刊「母の友」と「こどものとも」の歩みより」高松夕佳
・〈コラム〉「持つための本~記録と伝達と~」服部清人
・〈コラム〉「なぜ本を作るのか」千葉由美子
・「名古屋豆本のゆめ」岡本信也
・〈コラム〉「アートブックにおけるインディペンデント・パブリッシングの現在」黒田義隆
・「学術書と「地産地消」」橘 宗吾
・〈コラム〉「アーカイヴの「本」をとどける」橘川英規
・「学術書への助成と出版における課題」栗田秀法
・〈コラム〉「BankART出版のDNA」池田 修
・「いま、なぜヴァザーリなのか」森田義之
・〈コラム〉「イオスアートブックスの試み」筒井宏樹
・〈コラム〉「「もの」としての写真集の復刻」金子隆一
・「伊藤廉『絵の話』」浅野泰子
・〈コラム〉「画集を編むこと――小学館・藤田嗣治画集の刊行を終えて」林 洋子
・「アートとしての本を見る/考える」森田 一
・〈コラム〉「美術館と一体化した出版活動をスタート」森 陽子
・「古本屋の窓から見上げる空模様」鈴木 創

○批評
・「現代美術におけるリアリストたち―「驚くべきリアル」展と「手探りのリアリズム」展より」大澤慶久
・「トータル・リコール――羽永光利の仕事」羽永太朗
・「「グループ『幻触』と石子順造 1966-1971」展を巡って」尾野正晴
・「「東北記録映画三部作」とその先に ―濱口竜介試論―」越後谷卓司

○レビュー
・「加藤松雄個展「相補する抽象と自然」」日沖 隆
・「親子で楽しむアートの世界 遠まわりの旅」澤渡麻里
・「この社会に漂う「放射能」 愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品第22弾 『放射能』監督:舩橋淳」中沢あき
・「荒木経惟 往生写集―顔・空景・道」中村史子
・「井上洋介図鑑展―漫画、タブロー、絵本―」丸地加奈子
・「第7回円空大賞展 受け継ぎ挑む 独創の表現者たち」大長智広
・「ハイブリッド・ミュージック/AACサウンドパフォーマンス道場 特別講演」山本裕之
・「ア・ターブル!―ごはんだよ!食をめぐる美の饗宴―」古屋梨奈
・「増山たづ子 すべて写真になる日まで」楠本亜紀
・「はしもとみお展 動物たちからの手紙」高橋秀治
・「ボーダレス・アート・コレクション―芸術がほどいてゆく境界―」森田靖久
・「第一回瀬戸・藤四郎トリエンナーレグランプリ受賞者展「田中良和展」」村山 閑
・「清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて―辿りついた場所より」柴辻政彦
・「APMoA Project, ARCH vol. 9 山内崇嗣「くるみの部屋」」牧野駿吾
・「日比野ルミ展 ‘Let There be Light’」高北幸矢
・「横内賢太郎 展 Between the Lines」吉田映子
・「「朽―残骸の美学―」水野シゲユキ展」都筑正敏
・「ファン・デ・ナゴヤ美術展2014 虹の麓―反射するプロセス―」副田一穂
・「金澤麻由子『動く絵』」原 久子
・「Moosic in 中川運河」平田哲生
・「今村文の、蜜蝋による花の絵画 今村文「絵という肉体を持った幻」」和田浩一
・「Transfer Land 渡される(移される)土地(世界)」石崎 尚
・「思春の森 尾野訓大 個展」惣城友美
・「現代いけばなの最前線 花いけLIVIZM 花道家 上野雄次の花いけ ライブ・パフォーマンス」鈴木敏春
・「小川健一 新作展」山本さつき
・「山本一弥 展 相似の庭III」三井知行
・「久米亮子展 ―window―」喜田早菜江
・「城戸保「ある風景」」鈴木俊晴

○トピックス

○バックナンバー

購入日:2014年8月24日
購入店:NADiff aichi
購入理由:
 REAR32号の特集は「本をとどける」。制作、流通、販売まで出版と美術をめぐる特集であった。本好きとしてはつい手がのびてしまった。それにしても、今年のREARは表紙が手抜きを思われかねないくらい簡素な表紙である。以前であれば、表紙に目次があったのだが、それもなくなってしまった。

未読日記904 『Nikukyu Issue #19 2014 Autumn』

2014-08-26 23:15:54 | 書物
タイトル:Nikukyu Issue #19 2014 Autumn
Editing: Atsuki Kikuchi
Art Direction & Design: Atsuki Kikuchi
Creative Direction: Akira Minagawa
Printing: GRAPH
発行:東京 : NEWYORKER LTD,
発行日:c2014
形態:1冊 ; 28cm
内容
Photographs by 横浪修
「O君の新秋」芥川龍之介
Paintigs by ナガタニサキ
Drawing by Urano Kokoro

購入日:2014年8月24日
購入店:NADiff aichi
購入理由:
 恒例のSally Scottのカタログ「ニクキュー」の秋カタログ。今回の写真は、商業写真や《1000Children》の写真作品で知られる横浪修のポートレートによるファッションフォト。写真を見てどこかで見た記憶があると思ったが、集団像が点景で撮られた「assembly」シリーズで記憶していたようだ。

未読日記903 『これからの写真』

2014-08-25 23:04:54 | 書物
タイトル:これからの写真
タイトル別名:Photography will be
編集:中村史子、塩津青夏
デザイン:見増勇介(intext)
発行:名古屋 : 愛知県美術館, [東京] : 朝日新聞社
発行日:c2014
形態:127p ; 19×27cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2014年8月1日-9月28日:愛知県美術館
    主催: 愛知県美術館, 朝日新聞社
    その他の執筆者: 冨山由紀子, 林田新, 中村史子, 塩津青夏
    参考文献: p109-112
    写真関連年表 : 写真をめぐる日本の動向1994-2014: p113-121
    出展作品リスト: p121-127
    英文併記
    おもに図版
内容:
ごあいさつ
「光源はいくつもある――写真の多義性をめぐって」中村史子
「発見のための写真」甲斐義明
図版
 新井卓
 加納俊輔
 川内倫子
 木村友紀
 鈴木崇
 鷹野隆大
 田代一倫
 田村友一郎
 畠山直哉
参考文献
写真関連年表 写真をめぐる日本の動向1994-2014
出展作品リスト

購入日:2014年8月24日
購入店:愛知県美術館
購入理由:
 本来であれば展覧会テーマが議論となるべきところだが、社会面を賑わせてしまい、この国の写真/美術が「これから」にも進んでいない事実を突きつけてしまった展覧会である。テクノロジーは進化しても、この国の人々の鑑賞眼は、明治以来変わっていないらしい。

 展覧会としては、話題を提供した鷹野隆大などより最初の畠山直哉、最後の川内倫子が圧倒的だった。どちらも旧作ではあるのだが、写真が「もの」としての訴求力を持っていて強烈だった。若手作家は、コンセプチュアルな仕事で観念的すぎた。展示を見終わって思うのは、「これからの写真」の「これから」が進化論的に成熟、成長、完成を指しているとしたら、違和感を覚える。むしろ、IZU PHOTO MUSEUMの活動に見られるような「これまで」の写真、「これまで」見過ごされてきた写真群の方に私の心は振れてしまうのである。
 なお、図録には鷹野隆大の例の写真が掲載されているかと楽しみにしていたが、朝日新聞社共催となれば、当然掲載されるわけもない。


未読日記902 『手のひらの太陽』

2014-08-24 23:37:31 | 書物
タイトル:手のひらの太陽―『時を知る、位置を知る、姿を残す』道具
タイトル別名:身近な利用法 : 日時計, 六分儀, カメラ・オブスキュラ
        The sun in one's palm : hand‐held devices that tell time, determine position, capture an image
        手のひらの太陽 : 時を知る位置を知る姿を残す道具
企画:INAXライブミュージアム企画委員会
編集:坂井基樹、諸岡なつき、浅野靖菜[坂井編集企画事務所]
デザイン:宗利淳一、田中奈緒子
イラスト:河合理佳、山村ヒデト
発行:東京 : LIXIL出版
発行日:2014.4
形態:63p ; 26cm
注記:展覧会カタログ
    INAXライブミュージアム「手のひらの太陽 『時を知る、位置を知る、姿を残す』道具」展と併せて刊行されたもの
    会場: INAXライブミュージアム
    執筆者: 荒川紘, 伊藤俊治, 今福龍太, 上西勝也, 上原秀夫, 小野行雄, 貝瀬千里, 片山真人, 木村崇人, 逸見龍生
内容:
◎時を知る 日時計
「日時計の歴史」荒川紘
「手のひらの日時計 小野行雄コレクション」小野行雄
「日時計の原理 時を正確に測るために」上原秀夫
「年月を知る暦  人は太陽からどのように日、月、年を読み取ったか」片山真人

◎位置を知る 六分儀
神戸大学海事博物館+曽根田馨コレクション
「「六文儀」の出現」上西勝也
六分儀の仕組み

◎姿を残す カメラ・オブスキュラ
「太陽の鉛筆」伊藤俊治

「『百科全書』の日時計 宇宙の理を希求する」逸見龍生
「明日の曙光への淡い憧れとともに」今福龍太
「イメージの中の太陽 日本の民話や祭りの風景から」貝瀬千里
「地球と遊ぶ、太陽と遊ぶ」木村崇人

太陽の描かれ方 国旗、国章
「六分儀」など測量切手の世界 上西勝也コレクション
執筆者紹介

購入日:2014年8月24日
購入店:INAXライブミュージアム ミュージアムショップ
購入理由:
 以前から一度は行ってみたかったINAXライブミュージアムにようやく今展で行くことができた。なにせ「時を知る、位置を知る、姿を残す」道具をあつめた展覧会である。地図好きとしてはなにが出ているのか気になる。
 だが、INAXギャラリー程度のスペースでがっかりし、これではカタログだけ買えばよかったと思った。同じチケットで敷地内の他の展示も見れるのだが、陶芸目当てでないこともあって、さらりと鑑賞。博物館系の展覧会にありがちだが、図録の方が楽しめるというパターンかも。

未読日記901 『宮沢賢治全集〈1〉』

2014-08-23 23:51:27 | 書物
タイトル:宮沢賢治全集〈1〉 (ちくま文庫)
著者:宮沢賢治
カバー装画:安野光雅
発行:東京 : 筑摩書房
発行日:2010.10第23刷(1986.2第1刷)
形態:744p ; 15cm
内容:
『春と修羅』
 春と修羅
 真空溶媒
 小岩井農場
 グランド電柱
 東岩手火山
 無声慟哭
 オホーツク挽歌
 風景とオルゴール
『春と修羅』補遺
「春と修羅 第二集」
異稿
 『春と修羅』異稿
 「春と修羅 第二集」異稿
後記(入沢康夫)
本文について
解説

購入日:2014年8月23日
購入店:ジュンク堂書店 難波店
購入理由:
 だいぶ前からの依頼ではあったが、詩集の書評を書かねばならない。いつもそうだが、なにを書けばよいか悩み、まずは宮沢賢治を手にとってみた。

未読日記900 『NIPPONパノラマ大紀行』

2014-08-16 23:01:28 | 書物
タイトル:NIPPONパノラマ大紀行 : 吉田初三郎のえがいた大正・昭和 : 名古屋市博物館特別展
編集:名古屋市博物館
発行:名古屋 : 名古屋市博物館
発行日:2014.7
形態:135p ; 22cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2014年7月26日-9月15日:名古屋市博物館
    おもに図版
    出品資料目録: p132-135
    主催: NIPPONパノラマ大紀行展実行委員会 (名古屋市博物館, 日本経済新聞社, テレビ愛知)
内容:
はじめに
第1章 伸びる鉄路とバーズアイ―Bird's Eye―の旅行案内
 1) 日本の鉄道 開業から50年
 コラム 旅行の楽しみ① 汽車茶瓶
 2) 観光鳥瞰図のはじまり
 コラム 旅行の楽しみ② トランクとステッカー
第2章 飛躍―犬山・日本ラインを新たなる拠点として
 1) 観光社蘇江画室での鳥瞰図制作
 コラム 旅行の楽しみ③ 路面電車
 2) 初名会と鳥瞰図研究
 コラム 旅行の楽しみ④ 切符
 コラム 旅行の楽しみ⑤ 絵葉書
第3章 列島縦断・日本パノラマ大紀行
鳥瞰図の魅力を読み解く
鳥瞰図を旅する
 コラム 旅行の楽しみ⑥ 沿線案内図
終章 国際観光へのかけはし
 コラム 旅行の楽しみ⑦ 時刻表
出品資料目録

購入日:2014年8月16日
購入店:名古屋市博物館
購入理由:
 地図・鳥瞰図ファン待望の吉田初三郎展。今年は初三郎生誕130年ということもあり、出品点数約300点の大回顧展である。見たことのあるものもあったが、初めて見る作品も多く見入ってしまう。とくに資料類は初めて知る事実もあり、修論に反映できず残念だ。
 楽しみにしていた図録は、例によって地名がほとんど見えない図版掲載でがっかりしたが、PDFデータを収録した電子版CDを販売しており、こちらだと拡大縮小も思いのままである。これで心ゆくまでパノラマ紀行が楽しめる。ファン垂涎の1枚である。いつか吉田初三郎全集とか出ないのかしらん。


『NIPPONパノラマ大紀行 : 吉田初三郎のえがいた大正・昭和』電子版
 

未読日記899 『場所感の喪失』

2014-08-05 23:31:29 | 書物
タイトル:場所感の喪失〈上〉電子メディアが社会的行動に及ぼす影響
タイトル別名:No sense of place : the impact of electronic media on social behavior
著者:ジョシュア・メイロウィッツ
訳者:安川一、高山啓子、上谷香陽
装幀:難波園子
発行:東京 : 新曜社
発行日:2003.8
形態:414p ; 20cm
注記:原著(Oxford University Press, 1985)の日本語訳
     参考文献: 上p397-414
     用語解説: 上p353-371
内容:
電子メディアは現代人の行動をいかに変えたか
いまなお我々の感覚、思考、行動を激変させつつある電子メディア。その変容を、ゴフマンのエンカウンター理論とマクルーハンのメディア論を結びつけることで、「場所」感の喪失として鮮やかに分析する。マクルーハン以降のメディア論の代表作。

目次
はじめに
 第一章 序――行動とそのあるべき場所
第一部 変化のメカニズムとしてのメディア
 第二章 メディアと行動――失われた環
 第三章 メディア、状況、行動
 第四章 メディアが変化すると役割はなぜ変化するか
第二部 印刷状況から電子状況へ
 第五章 広域どうしの融合
 第六章 公的行動と私的行動の不鮮明化
 第七章 社会的場所と物理的場所の分離
第三部 新しい社会風景
 第八章 新しい集団アイデンティティ
 第九章 成長への新しい道
 第十章 権威への疑念
 第十一章 効果のループ
補論 用語解説

参考文献

購入日:2014年8月5日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 Gallery PARCにて開催される「A Sense of Mapping ―私の世界の測り方―」トークイベントの予習として購入。「No sense of place」と「A Sense of Mapping」とsenseをかけてみたが、あながち冗談ではなく、展覧会は「地図感の喪失」が展示に表れていたようにも思うからである。
 ちなみに、本書は上巻だが、下巻は刊行されていない。完訳版を出してほしいものである。