A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

FUJI SONIC '09

2009-07-30 22:22:58 | お知らせ
繰り返しになりますが、明日DJイベントを行います。
お時間ございましたら、お越しください。
特にロック、テクノ、エレクトロニカ系が好きな方、
あるいはフジロック、サマソニに行った/行くという方、
予習・復習にどうぞ。
例えそれらが好きでなくとも、ご安心あれ。
それ以外の様々なジャンルの曲が流れるでせう。
実は、フェスに関係ないアーティストの曲もちらほらあったりするかもしれませんが、いづれ出るかも?ということでお許しあれ。


<東京6区 vol.5 FUJI SONIC '09>
2009年7月31日(金)19:00~23:00
場所:Club ACID
charge:¥1,500(+1drink¥500)
DJ's:いなりずし、おにぎり、ちんかーべる、PIЯATA、ペコ、レインボーミカ
VJ:tackco
「富士と幕張の間でフジロック、サマソニ出演アーティストの選曲により6人のDJが2大フェスをつなぎます。
この一夜で夏フェスの予習・復習ができてフェスが2倍楽しめます。
夏フェスに行く人、行かれない人もこのイベントでフェスを体感してください!」

今回フライヤーをさまざまな場所に置かせて頂きました。
ご協力頂いた店舗様、この場を借りてお礼を申し上げます。
HMV 池袋サンシャイン60通り店/渋谷店
タワーレコード 池袋店/渋谷店/新宿店
ディスクユニオン 池袋店/下北沢店/新宿本館
レコファン 池袋店/下北沢店
warszawa
underbar
新宿MARZ
neutron tokyo
現代HEIGHTS
カタチカフェ

REALTOKYO



未読日記301 「三代目三遊亭金馬 弐」

2009-07-28 17:32:41 | 書物
タイトル:隔週刊CDつきマガジン 落語 昭和の名人 決定版⑭ 三代目三遊亭金馬 弐
編集人:宮本晃
監修:保田武宏
寄席文字:橘左近
CDリマスタリング:草柳俊一
アート・ディレクション:渡辺行雄
デザイン:片岡良子、姥谷英子
編集:小坂眞吾(小学館)、内田清子
制作企画:速水健司
資材:高橋浩子
制作:田中敏隆、南幸代
宣伝:長谷川一、山田卓司
販売:豊栖雅文、竹中敏雄
広告:林祐一
発行:株式会社小学館
発行日:2009年7月21日
金額:1,190円
内容:
レコード、ラジオで全国を沸かせた
三代目三遊亭金馬【さんゆうてい・きんば】1894~1964 弐

CD(70分)
たがや・・・両国に上がる花火は [初CD化音源]
佃祭・・・情けは人のためならず [初CD化音源]
目黒のさんま・・・殿様の切なる願い
小言念仏・・・ありがたくない朝のお勤め

○出っ歯と禿頭がトレードマーク 博識で知られた〝やかんの先生〟
○CD鑑賞ガイド 力強い楷書の話芸
落語をもっと面白くする連載3本立て
田中優子○川開きと花火
五街道雲助○稽古をつける
山本進○落語睦会の結成

購入日:2009年7月8 日
購入店:文教堂書店 渋谷店
購入理由:
 今号の聴き所は「目黒のさんま」「小言念仏」につきるだろう。目黒に縁がある私にとって、いつかこの噺はちゃんと聞いてみたいと思っていたが、金馬で聴くと飄々している。どことなく可愛らしい噺なのである。
 そして続く「小言念仏」だが、思わぬ偶然から祖母の新盆の日に聞くことになり、罰あたりやら楽しいやらで、祖母のちょっとしたいたずら心が働いているようでおかしかった。この噺の人物描写などを聴くと、落語は人間に対する目線が暖かいとつくづく感じる。
 加えて、田中優子氏のテキスト「川開きと花火」は眼から鱗な内容で刺激的であった。今後、花火というものをしっかり研究してみるとおもしろいかもしれない。タイトルは「花美学」。「花火+美学」とかけてみたがどうだろうか。お後がよろしいようで・・。

Recording Words 016

2009-07-27 16:15:16 | ことば
私たちは何かをひねり出すことがアートだと考えるが、じつはそうではない。逆に、すでにあるものに触れ、それを原稿用紙や大理石といった素材に「降ろす」のがアートという行為なのだ。このことはアートについて考える場合、きわめて重要な意味を持っている。
(ジュリア・キャメロン『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』菅靖彦訳、サンマーク出版、2001年、p.154)

 だから、「アーティスト」であるあなたはこんなブログなど読んでいないで、どこかの展覧会へ行ったり、コンサートや演劇やスポーツでもいいからどこかへ行くべきだ。公園に散歩でも、海でも山でも行けばいい。そうでなければ本を読んだり、音楽を聴けばいい。あそこのおいしいコーヒーが飲みたくて喫茶店に行くのもいいし、おいしい料理が食べたくてレストランに行くのもいい。そして、気をつけてほしいのは、自分が知っているものばかりを選ばないことだ。

 例えば、音楽をダウンロードで購入するのはやめてほしい。それは、あらかじめ知っている音楽しか聞かないということだ。そう、未だあなたの頭の中に存在しなかった「音」がこの地上にはある。ぜひ、それを探してほしい。そのためには、CDショップに行ってほしい。具体的には洋楽を多く扱う外資系CDショップやインディペンデント系CD・レコード店だ。これらの店にはバイヤーがおり、目利きが選んだ音がたっぷりと視聴できる。視聴できなくとも、ポップ(宣伝資材)に言葉でその魅力が書かれている。あるいは、フェスやDJイベントに行ってみてほしい。そこでは、あなたが未だ知らない「音」が鳴らされている。知らないから質が悪いなどと考えてはいけない。あなたの「感覚」と「身体」を信じてほしい。とくに「身体」が反応すればそれは確かだ。この世界ではマスメディアに出なくとも、ものすごい質を持った人などたくさんいるのだ。「有名」であることに価値を置くのはいいかげんやめにしてほしい。
 「アート」が見たければ、ギャラリーに行けばいい。ほとんど無料である。気がきく人がいれば冷えたお茶ぐらいだしてくれる。繰り返すが、どうか名前で判断しないでほしい。あなたは「作品」を見に行っているのであって、「人」を見に行っているのではない。「有名」であることに価値をおくのをやめ、むしろ選ばないでほしい。自分の知識などたかが知れているのだ。この世の中、アマノジャクなへそ曲がりばかりだから、あなただけは感覚や身体に素直であってほしい。たとえ、自分がこんなものをいいと認めたくなかったとしても、作品に反応してしまったら、それは事実なのだから、それをお土産に持ち帰ればいいのだ。とにかく「触れ」てほしい。

最後まで読んだなんて時間を無駄にしてしまったね。

未読日記300 「アートのとびら」

2009-07-26 18:32:50 | 書物
タイトル:アートのとびら 国立新美術館ガイドブックVol.4
編集:国立新美術館 教育普及室
デザイン:近藤一弥
写真提供:和歌山県立近代美術館アートコートギャラリー水戸芸術館現代美術ギャラリー
写真撮影:中野正貴、豊永政史
印刷:印象社
発行:独立行政法人国立美術館 国立新美術館
発行日:2009年5月27日
内容:
野村仁 変化する相―時・場・身体
 なぜ、くずれていくのでしょう
 地球と太陽の365日
 いん石さん、ようこそ地球へ
 美しい空を行く、鶴たちの音楽
 すくすく育つのはどんな色?
 太陽の光で走る。太陽の光で生きる。

入手日:2009年7月3日
入手場所:国立新美術館
 国立新美術館にて開催された<野村仁 変化する相―時・場・身体>展(2009年5月27日―7月27日)の会場にて配布されていた子ども向けの解説リーフレット。私が見たのは金曜日の夜間開館だったが、国立新美術館でこんなに人がいないのも珍しいぐらい閑散としていた。入る前、今日は閉館しているのかと思ってしまったくらいだ。だが、いい時に行ったもので七夕直前イベントとやらを開催しており、短冊に願い事を書けば展覧会入場料が無料!になるというのだ。そこで、1フロア上がってイベントスペースに行き、七夕の願い事を急いで書いて無料券を持って行きそそくさと入場した。切符売り場で教えてくれた販売員の方に心から感謝を述べたい。そして、とても笑顔が素敵な人で私はうれしかった(変な意味でなく、そういう接客が少ないもので・・)。
 ところが、そういう展覧会に限ってかすばらしい展覧会であった。時系列で展示されたことでわかったのは、野村仁という人は最近の言葉で言えば「ブレ」ていないということだ。ひとつの作品を制作し、そこから次の作品へのアプローチを見出して展開しているのである。それはまるで月や太陽の動きのように一定のリズムと法則さえ見出せるのだ。個人的には後半のソーラーカーの作品などは、軌道を外れてしまった感もするのだが、それはそれで個人的好みであり、作家の理屈上はブレていない。
 やはり一番の見どころは前半だろう。ダンボールによる「変化していく彫刻」である『Tardiology』(1969/2009)はそのコンセプトも明快であり、早くも野村の関心を表している。その後の「記録」ぶりは河原温と対比したくなるような記録魔ぶりである。同じく記録好きの1人としてうれしくなる。特にテレビのアンテナコードを電気店で買い求めた際の店員とのやりとりを記録した音声など、何でもない普通の会話なのに可笑しみを感じる。時代のせいかもしれないが、たかがアンテナコード1本買うだけの会話がこんなにおもしろいとは予想外であった。視聴機ブースで1人ニヤニヤしながら聞いているは怪しいので、ぜひともCD化してほしいものである。
 そして、野村の代表作である星や太陽の軌道を定点観測で撮影したシリーズが展示されるが、この見えない自然の摂理を視覚化、音楽化し、かつそれがこの上なく美しいということの「現実」たるや、発見が「作品」となる「現代美術」らしい。もちろん月や太陽というそれ自体が美しい対象を作品にして卑怯だなどというアマノジャクもいるかもしれないが、それは見るところを誤っている。野村は月や太陽を撮影してはいるが、その見えないシステムを撮っていることに気づくべきだ。目に見える対象にばかりかまけていると、月や太陽が奏でる音楽も耳に入ってこないだろう(それはそれで人の話なのでどうでもいいし、私は宇宙や星が好きなのでこの傾向の話やヴィジュアルに弱いというだけだ)。その後、七夕や皆既日食もあり、入場者数が伸びたかわからないが、このアートブック片手に子どもたちにも見てほしい展覧会であった。
 そして本書を子ども向けとあなどるなかれ、作品図版もしっかりと7点掲載され、概要を知るにはちょうどいいし、バイリンガル本なので、英語もわかりやすくて勉強にもなる。子どもと言わず大人も楽しめる一冊である。


未読日記299 「桂文楽 弐」

2009-07-25 23:14:00 | 書物
タイトル:隔週刊CDつきマガジン 落語 昭和の名人 決定版⑬ 八代目桂 文楽 弐
編集人:宮本晃
監修:保田武宏
寄席文字:橘左近
CDリマスタリング:草柳俊一
アート・ディレクション:渡辺行雄
デザイン:片岡良子、姥谷英子
編集:小坂眞吾(小学館)、内田清子
制作企画:速水健司
資材:高橋浩子
制作:田中敏隆、南幸代
宣伝:長谷川一、山田卓司
販売:豊栖雅文、竹中敏雄
広告:林祐一
発行:株式会社小学館
発行日:2009年7月7日
金額:1,190円
内容:
明るく美しい高座
八代目桂 文楽【かつら・ぶんらく】1892~1971

CD(66分)
船徳・・・にわか船頭、危機一髪 初出し音源
鰻の幇間・・・そんな旦那に騙されて 初出し音源
寝床・・・赤い顔して黄な声を出す

○お座敷で洗練された話芸 文楽は永遠のお手本
○CD鑑賞ガイド 明るさから滲む哀しみ
落語をもっと面白くする連載3本立て
田中優子○江戸っ子の信心
五街道雲助○暑さ、寒さを表現する
山本進○「落語研究会」の誕生

購入日:2009年6月29日
購入店:芳林堂書店 祐天寺店
購入理由:
ご存じ桂文楽の第二弾。すばらしいのは確かなのだが、他の落語家の噺を聞いてくると、完成され過ぎていてどこか物足りない、などと書くと何様だと言われるだろうか。ちょっと崩したところがある方がちょうどいいのではないかしらん。あまり完璧でもライブであるだけにビートが伝わってこない気がするのである。
 ちなみに今回の噺でよかったのは「寝床」である。以前聞いたときから好きな噺だったが、十八番であるだけに文句のつけようがない。「寝床」の義太夫好きの大旦那と番頭とのやりとりから笑いへと引き込んでいく。そして、怒った後に機嫌を直すくだりの絶妙な間と声のトーンで感情を表現するあたり、あまりに見事で痺れる。相手方のセリフがなく、1人で話しているのにこの臨場感はなんなのだろうか。
 そして、この「寝床」は意外と遊びがある噺なのである。例えば、番頭が長屋の住人の1人が義太夫を欠席する言い訳としてがんもどきの作り方を説明するのだが、このネタは噺としては本筋ではない。だが、このちょっとした小ネタの積み重ねが大旦那の感情を変えるのである。本筋ではないといえ、なかなかどうして重要な要素なのである。しかし、がんもどきでなくとも、いくらでもエピソードは差し替え可能だろう。その意味で「寝床」は本CD収録の他の2編に較べ、余裕というか遊びがあると思うのである。

レヴュー「wah:すみだ川のおもしろい」

2009-07-24 23:46:26 | お知らせ
アートウェブマガジン「カロンズネット」にて、<wah:すみだ川のおもしろい>展(2009年6月20日―7月20日すみだリバーサイドホール・ギャラリー)のレヴューを書かせて頂きました。お時間ございましたら、お読み頂ければ幸いです。むしろ、画像を見て頂くだけでもおもしろいかと思います。
 レヴュー後、いろいろ思うところがありましたが、いまは整理がついていないのでいづれ。

wah:「すみだ川のおもしろい」レヴュー
http://www.kalons.net/j/review/articles_877.html

未読日記298 「MAI YAMASHITA + NAOTO KOBAYASHI」

2009-07-21 21:22:00 | 書物
TITLE:MAI YAMASHITA + NAOTO KOBAYASHI
EDITOR/DESIGN:Mai Yamashita + Naoto Kobayashi
TEXT:Yuki Okumura(p.9)、Mai Yamashita + Naoto Kobayashi
TRANSLATION INTO ENGLISH:John Southard(p4,5)
PROOF READING:Linda Dennis
PRINTING:print24 GmbH
EDITION:500
SUPPORTED BY Kunstler Atelier AKKU Uster, Uster fordert Kulture, The Nomura Cultural Foundation, The Asahi Shimbun Foundation
SPECIAL THANKS:Werner Reichie, Martin Eicher, Roland Boss, Shiro Masuyama
発行日:2006年
価格:840円
内容:
“Rituals of play and rigour” Thomas von Taschitzki
Plate
Profile

購入日:2009年6月27日
購入店:NADiff A/P/A/R/T
購入理由:
柏のTAKURO SOMEYA CONTEMPORARY ARTで行われた<山下麻衣+小林直人「Small Mountain」>展は、実に小気味いい痛快な作品が見れた展示であった。本冊子はギャラリーでも販売していたが、買いそびれたため後日、恵比寿のナディッフで購入。
山下+小林の作品は視覚的、映像的にただただおもしろいのだが、それだけでは終わらない。作品の中に「問い」や「疑い」がベースとしてあり、それが作品の表層的な滑稽さと表裏一体となっているのだ。このユーモアの感覚は留学先のドイツ仕込みなのか、日本仕込みかわからないが、マジカルでファンタジックな世界観さえ確立している。できるのなら、日本なんぞにいないで、ヨーロッパ中心に活躍した方が世界受けする気がする。ここ日本では彼らのような天才的なひらめきと実行力を評価するような土壌はまだない気がするのである。例えは変だが、コーネリアス、高木正勝と言った海外評価先行のミュージシャン/アーティストのようなイメージが個人的に山下+小林作品にはある。それは、日本らしくない洗練さが作品にあるということかもしれない。今後の発表を楽しみにしたい。
なお、この展覧会の詳細は別にレヴューとして書いたので、割愛いたします。

最後に本書について述べたい。本書は山下+小林の過去の作品をまとめたポートフォリオ的な内容のA5サイズの冊子。これ1冊見れば、ひとまず山下+小林作品のことはわかるだろう。なお、使用言語は全編英語(一部日本語訳あり)。しかし、この安さでこのボリュームはすごい。


Recording Words 015

2009-07-20 23:59:00 | ことば
ほとんどの人は、仕事は仕事であって遊びであってはいけないという暗黙の信念を抱いている。また、本当にやりたいこと、たとえば物を書くことや演じること、ダンスなどは、瑣末なことであり二の次にしなければならないと心のどこかで信じ込んでいる。だが、それは真実ではない。
(ジュリア・キャメロン『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』菅靖彦訳、サンマーク出版、2001年、p.140)

自分もまたずっとそう信じ込んでいた。あなたはどうだろう?

未読日記297 「PLANET PIECES」

2009-07-19 21:07:21 | 書物
タイトル:APS企画シリーズ:a piece of work #07 柴川敏之展“PLANET PIECES”
企画・翻訳:南平妙子
印刷:アート印刷株式会社
写真:佐々木敏晴、未正真礼生、柴川敏之
発行:a piece of space APS
発行日:2006年10月31日
内容:
2006年3月13日(月)―3月25日(土)に東京・銀座のa piece of space APS、巷房階段下、奥野ビル屋上階段にて開催された<APS企画シリーズ:a piece of work #07 柴川敏之展“PLANET PIECES”>のリーフレット。

展示図版
「遠い視線」倉林靖(美術評論家)
作家略歴

入手日:2009年6月26日
入手場所:a piece of space APS
2009年6月21日(日)―7月11日(土)に東京・銀座のa piece of space APSにて開催された<柴川敏之―PLANET WALL―>展に行った際、ギャラリーの方より頂いた前回個展のリーフレット。
 柴川氏は「2000年後の41世紀に、私たちの現代社会が“化石”として発掘されたとしたら、一体どのような形で出現するのだろうか?」という設定のもと、よく見かける日常品が発掘品のように廃色し錆が付着したような作品を制作している。これまでの展示ではキャラクター品などがモチーフとして使用され、アイコン的なイメージが強かったが、今展ではやや落ち着いたようだ。そもそも発掘品は、当時どのように使われていたのか、ものの断片ではわかりづらいところが古代への「歴史性」を感じさせるので、あまりものの輪郭でものの見分けがつくのはいかがなものかと思っていた。むしろ、抽象性がある方が実在感が増していく気がする。ということは、それだけ私たちが使うものは、時代が違えば意味さえわからない代物でしかないということで、私たちは今もよく意味のわからないものを使って、生活を過ごしているということか。


未読日記296 「モダニズムの至福のとき」

2009-07-18 23:10:25 | 書物
タイトル:モダニズムの至福のとき いわき市立美術館名品展関連イヴェント記録集
編集:北村淳子
制作:光村印刷株式会社
発行:宇都宮美術館
発行日:2003年
内容:
‘02年9月15日―11月4日に宇都宮美術館で開催された企画展「モダニズムの至福のとき いわき市立美術館名品展」の関連イヴェントの記録集。

講演会「こうみると美術は楽しい―いわき市立美術館のコレクションを巡って」講師:佐々木吉晴
アーティスト・トーク
 ①川島清
 ②辰野登恵子
 ③遠藤利克
 ④中村一美

頂いた日:2009年6月26日
頂いた場所:なびす画廊
なびす画廊様ありがとうございます。
 さて、展覧会関連イヴェント記録集である本書の魅力は、アーティスト・トークの記録集であるという点であろう。メインの展覧会カタログとは異なり、活字中心となる記録集ではその内容が重要になる。その点、その記録が川島清、辰野登恵子、遠藤利克、中村一美の4人のアーティスト・トークとなれば、目を通しても損はない。悔やまれるのはシンポジウム「今、アートは何処に―戦後美術史再検証とポスト9.11美術のゆくえ」(パネリスト:中原佑介、千葉成夫、鷹見明彦、司会・谷新)が録音機材故障のため、収録できなかったことだろう。タイトルの大仰さとパネリストの名前を見る限り、どんな白熱した議論が展開されたのか気になるところだ。おそらくこのシンポジウムを記録するために本書の発行が計画されたのではないか想像してしまうが、もったいないことをしたものである。