A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記719 『とら・虎・トラ』

2013-04-30 23:38:42 | 書物
タイトル:とら・虎・トラ : 甲子園の歴史と日本画における虎の表現
編集:枝松亜子、下村朝香(西宮市大谷記念美術館)
撮影:加藤成文(アートビジョン)
デザイン:杉崎真之助、森俊博(真之助デザイン)、王怡琴(真之助デザイン
印刷:株式会社小西印刷所
発行:公益財団法人西宮市大谷記念美術館
発行日:c2013
定価:1,500円
形態:126p ; 31cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2013年4月6日-5月19日: 西宮市大谷記念美術館
   主催:西宮市大谷記念美術館、毎日新聞社
内容:
ごあいさつ
「「とら・虎・トラ」展によせて」木村重圭(前甲南女子大学教授)
近世の虎
長崎派の虎
岸派と近代の虎
甲子園の歴史と阪神タイガース
「長崎にやってきた虎」岡田秀之(MIHO MUSEUM学芸員)
「描かれた虎 近世から近代へ」枝松亜子(西宮市大谷記念美術館学芸員)
「甲子園球場と阪神タイガース」下村朝香(西宮市大谷記念美術館学芸員)
作家略歴
落款・印章
作品リスト
甲子園関連年譜

購入日:2013年4月28日
購入店:西宮市大谷記念美術館
購入理由:
 日本画に描かれた虎を集めた展覧会ならば目新しくはなかったかもしれないが、甲子園の歴史(関西モダニズム)を組み合わせた異色の展覧会。虎の表象をめぐる変遷がとてもおもしろく、かなり楽しめただけでなく、甲子園の歴史も驚くような事実が多く、いろいろ教えられた展覧会だった。今年、美術館で見た展覧会では最初のヒットかもしれない。



未読日記718 『京都国立近代美術館50年史』

2013-04-28 23:53:52 | 書物
タイトル:京都国立近代美術館50年史
編集・発行:京都国立近代美術館
編集協力:株式会社福本事務所
デザイン:大向務、坂本佳子(大向デザイン事務所)
印刷:株式会社大伸社
発行日:2013.4
形態:478p ; 31cm
内容:
刊行のあいさつ
沿革

50年をふり返って
「京都国立近代美術館50周年を迎えるに当って」乾由明
「「独法」化の前、「民活」一辺倒の時代―阪神淡路大震災の教訓―」富山秀男
「企画・担当した展覧会のことなど」内山武夫
「素人「館長(?)」の4年間」岩城見一
「京近美と私」島田康

第Ⅰ部 京都国立近代美術館の50年
「京近美の50年」山野英嗣

第Ⅱ部 展覧会とコレクション
展覧会一覧
1963~1969年度
1970~1979年度
1980~1989年度
1990~1999年度
2000~2013年度

第Ⅲ部 多彩な活動
事業内容
 講演会、イベント、ワークショップ、学習支援、友の会、MoMAK Films
 展覧会協力
出版活動
 京都国立近代美術館ニュース『視る』
 京都国立近代美術館研究論集『CROSS SECTIONS』
 その他出版物

受賞・研究助成
歴代評議員
歴代運営委員
機構変遷の概要
歴代幹部職員
年度別定員数および予算額
年度別収蔵作品数
建物外観・フロアプラン
編集後記

頂いた日:2013年4月27日
 職場にて頂いた1冊。本書では編集として参加させて頂き、主に第Ⅱ部のデータを取りまとめました。至らない点ばかりでご迷惑をお掛けいたしましたが、本書の編集作業に携わったすべての方々に心から感謝いたします。
 内容をご覧頂ければわかる通り、これ1冊あれば京近美のすべてがわかるという全京都府民および美術ファン必携の1冊です。ぜひ一家に一冊お買い求めくださいと言いたいところですが、残念ながら非売品のよう・・。

未読日記717 『〈帝国〉』

2013-04-26 21:25:35 | 書物
タイトル:<帝国> グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性
タイトル別名:Empire
著者:アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート
訳者:水嶋一憲、酒井隆史、浜邦彦、吉田俊実
装画:宇佐美圭司
装幀:難波園子
発行:東京 : 以文社
発行日:2003.1
形態:[8], 579p ; 22cm
注記:原著 (Harvard University Press, 2000) の全訳
内容:


第一部 現在性の政治的構成
 1-1 世界秩序
 1-2 生政治的生産
 1-3 〈帝国〉内部のオルタナティヴ

第二部 主権の移行
 2-1 二つのヨーロッパ、二つの近代性(モダニティ)
 2-2 国民国家の主権
 2-3 植民地的主権の弁証法
 2-4 移行の徴候
 2-5 ネットワーク的権力──合衆国の主権と新しい〈帝国〉
 2-6〈帝国〉の主権
 間奏曲 対抗 ─ 〈帝国〉

第三部 生産の移行
 3-1 帝国主義の諸限界
 3-2 規律的統治性
 3-3 抵抗、危機、変革
 3-4 ポストモダン化、または生産の情報化
 3-5 混合政体
 3-6 資本主義的主権、またはグローバルな管理(コントロール)社会を行政管理すること

第四部 〈帝国〉の衰退と没落
 4-1 潜在性
 4-2 生成と腐敗
 4-3 〈帝国〉に抗するマルチチュード

訳者あとがき
原注
索引

購入日:2013年4月26日
購入店:文化書房
購入理由:
 以前から読もうと思っていた本だが、最近、知人の作家の方のテキストを読んだら、本書の思想がバックグラウンドにあることが分かり、これは読んでおかねばと思い購入した1冊。500頁を越える大部な本を読めるかどうか・・。



未読日記716 『10+1 No.45』

2013-04-22 22:09:38 | 書物
タイトル:10+1 No.45 特集=都市の危機/都市の再生 ―アーバニズムは可能か?
編集制作:メディア・デザイン研究所
     荻原富雄、飯尾次郎、齋藤歩+横田紀子+境洋人
造本/デザイン:松田行正+中村晋平
10+1タイトルロゴ:鈴木一誌
表紙写真撮影:Heiner Schilling
扉写真撮影:本山周平
発行:INAX出版
発行日:2006.12
形態:235p ; 23cm
内容:
特集=都市の危機/都市の再生 ―アーバニズムは可能か?
 対談「都市再生のアクチュアリティ」北沢猛┼太田浩史
 「柏の葉アーバンデザインセンター/UDCK」日高仁
 「「中心市街地活性化」のアーバニズム」中島直人
 「今日の中国都市計画」鄭波 翻訳校正:二瓶士門
 「「影」のデザイン」岡部友彦
 「下北沢における都市環境と人災」マティアス・センドア・エチャノヴェ 訳:入江徹
 「歴史的港湾都市・鞆の浦―再生の「まちづくり」の生成」鈴木智香子┼中島直人
 「「ヴァーチュアリズム」のなかの公園」酒井隆史
 「余剰人類?」マイク・デイヴィス 訳:篠原雅武
 「Cities. Architecture and Society」リチャード・バーデット編 訳:伊藤香織┼篠儀直子
 「ユルバニスムをめぐって」松田達
 「移動の意味―近代と機動性」フランソワ・アシェール 訳:桑田光平
 「タウトが歩いた東京 1933-1936」斉藤理
 「『空間へ』《お祭り広場》『日本の都市空間』─一九六〇年代における都市論の方法をめぐって」磯崎新インタヴュー 聞き手:日埜直彦
 
連載
都市表象分析27「博物誌という遊戯──驚異の部屋としての都市」田中純
『日本の民家』再訪3「都市の水面 内郷村再訪」瀝青会・中谷礼仁 写真:大高隆
テクノロジーロマン1「第一回:ユニバーサリズムのオブセッション」ヨコミゾマコト┼山中新太郎/太田浩史/大村洋平/落合正行/金龍大/権藤智之/夏目翔平(イラスト)/見立竜之輔
LOCUS SOLUS 9 ハイナー・シリング
連載8 「思想史的連関におけるル・コルビュジエ─一九三〇年代を中心に 8」八束はじめ
技術と歴史7 「歴史のなかの都市グリッド」伊藤毅
現代住宅論2 「建築の四層構造」難波和彦

パサージュ
「悪い場所」にて 15 「美、あいまい、分裂―新・日本主義と「未生」の美術史」椹木野衣
1990年代以降の建築・都市 21 「ゴースト・イン・ザ・サンプリング・マシーン」五十嵐太郎
音響場試論 2 「音響技術の発達と音響場のメディア化」安田昌弘
マゾヒスト映画宣言──前田陽一を再導入する 2 「「イメージ」との契約」廣瀬純
サウンド┼アート┼サイエンス 2 「Regulation」池上高志
リアリティについて 6 「多様性─その一」日埜直彦
ダブル・ストーリー 2 「視点の錯綜と親密さ 「噂の娘」と「T邸」」乾久美子
ソーシャルウェアのイノヴェーション・スタディ 2 「mixiとゲーテッド・コミュニティという隠喩」濱野智史
都市の病理、心理学化する社会 2 「「記述」はなぜ「笑い」とともになされなければならないのか」斎藤環

購入日:2013年4月22日頃
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 10+1のウェブサイトで、伊藤毅氏による連載「歴史のなかの都市グリッド」を読んでいたら、ネット上では読めない他の記事も面白そうだったので購入した1冊。

未読日記715 『手仕事の日本』

2013-04-18 23:10:11 | 書物
タイトル:手仕事の日本 (岩波文庫)
著者:柳宗悦
カバー:矢崎芳則
発行:東京 : 岩波書店
発行日:2012.2第40刷(1985.5第1刷)
形態:286, 37p : 地図 ; 15cm
注記:底本: 『柳宗悦全集』著作篇第11巻(筑摩書房, 1981)
   解説: 熊倉功夫
内容:
柳宗悦(1889-1961)が、日本各地に残る美しい手仕事を紹介しながら手仕事がいかに大切なものであるかを訴え、日本がすばらしい手仕事の国であることへの認識を呼びかけたユニークな民藝案内書。秀逸な小間絵(芹沢介)を多数収録。(解説=熊倉功夫)

凡例

前書 手仕事の国
第1章 品物の背景
 自然
 歴史
 固有の伝統
第2章 日本の品物
 現在の事情
 関東
 東北
 中部
 北陸
 近畿
 中国
 四国
 九州
 沖縄
第3章 品物の性質
 三つの問題
 職人の功績
 実用と美
 健康の美
後記

解説:熊倉功夫
『手仕事の日本』地図
索引(地名・事項)

購入日:2013年4月18日
購入店:YUY BOOKS
購入理由:
 民藝運動や柳宗悦と言えば、美術史及び工芸史において研究がなされてきた。だが、地理学の側から産地との関わりなどに言及した研究も行われている。

 解説によれば、本書は「手仕事の全国地図を文章で書いた」ものだという。柳宗悦もまた本書の冒頭を「私と一緒に日本の地図を広げて下さい」と書くことから始め、「各地で出来る品物の絵を描いて見るとしましょう。それはとても面白い地図となるでしょう。(中略)この本はそういう地図を皆さんにお見せするために書かれるのであります」と書く。私の興味も柳宗悦の「地図」への志向性にある。

 それを踏まえて、本書をただの民藝案内ではなく、観光案内書として位置付けることもできるのではないか。つまり、明治以降に続々と刊行されていく観光案内書の系譜に本書を位置付けることはできないだろうか。
 そして、本書が「手仕事の全国地図を文章で書いた」ものであるなら、実際に「地図」を描いた作品も存在する。本書の執筆時期は1942年前後に書かれているが、その前年である1941年に日本民藝館において芹沢介による《日本民藝地図屏風》が公開されているのである。この事実から、柳及び民藝運動において、民藝の産地を文章により記録し、地図化、表象する動きがあることがわかる。

 以上の点から、民藝と地図との関わりを考察・研究するための予習として本書を読もうと思った。そこで、まずは文庫版を常連の古書店で探してみたところ数日前に売れてしまったばかりという。とはいえ、すぐに読むわけではないので、また入荷したら知らせてほしいとお願いしたら、数日後にさっそく手に入れることができた。なんとありがたい。

未読日記714 『画かれた鉄道』

2013-04-13 23:57:35 | 書物
タイトル:画かれた鉄道~錦絵・引札・双六・鳥瞰図の中の鉄道~
発行:交通科学博物館
発行日:2013.3
形態:10p ; 30cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2013年3月16日-5月26日: 交通科学博物館企画展示室
内容:
開催にあたって
錦絵
引札
双六
絵葉書
鳥瞰図

頂いた日:2013年4月13日
場所:交通科学博物館
 明治の鉄道開業以降、引札、双六、絵葉書、鳥瞰図に鉄道はどのように画かれてきたのかを交通科学博物館の収蔵品によって紹介する展覧会。本書は会場で配布されているリーフレット。まだ鉄道が珍しく、鉄道を見たこともない絵師たちによって画かれた錦絵から、吉田初三郎の鳥瞰図まで、鉄道表象の変遷を辿ることができる有意義な展覧会。もっと点数があればよかった。そして図録があればなおよかった。